インテル株式会社は16日、報道向け説明会を開催。同社取締役副社長の宗像義恵氏が2009年を総括するとともに2010年の展望について語った。
宗像氏は、2009年の10大ニュースとして、Xeon 5500、UQによるモバイルWiMAX、LynnfieldコアのCore i7/i5といった新製品について振り返る形でプレゼンテーションを始めたが、その中でもっとも強調したのは、「Westmere」のコードネームで知られる32nmプロセスCPUの量産準備がすでに整っており、年明けにも出荷が開始されるという点だった。
昨今の世界不況によって打撃を被ったのはIntelとて例外ではなく、2009年第1四半期は大幅な減収減益となった。しかし、「厳しい不況にも必ず終わりが来る。不況時でも戦略的な投資を行なった企業が不況から抜け出したとき、さらに競争力を増す」という創業者であるアンディ・グローブ氏の言葉を社是とする同社は、これに従いこの2月に32nmプロセスの工場設立に70億ドルもの投資を行なった。その結果として、これまでのTICK-TOCKモデル通り、45nmプロセス投入から2年で32nmへの移行を実現する。
また、宗像氏は9月に行なわれたIntel Developer Forumでの、22nmプロセスを採用したSRAMの試作成功の発表についても言及。すでに量産技術が確立しており、2年後の量産の目処が立っていると述べた。加えて、22nm世代になると、より低消費電力でより小さなトランジスタを安価に製造できるようになり、PC以外の機器にもIA CPUが入り込んでいくとの展望を示した。
2010年に向けては、不況は第1四半期で底を打ち、回復基調にあり、いい方向でビジネスができるのではとの見通しを語った。
グローブ氏の不況時のルール | インテル2009年の10大ニュース。番号はやや強引なこじつけで、ランキングではない |
(2009年 12月 17日)
[Reported by 若杉 紀彦]