NECエレ、2009年度第1四半期は209億円の営業赤字を計上

代表取締役社長の山口純史氏

7月29日 発表



 NECエレクトロニクス株式会社は29日に記者会見を開催し、2009年度(2010年3月期)第1四半期(2009年4月~6月期)の業績(連結)を発表。代表取締役社長の山口純史氏が説明にあたった。

 2009年度第1四半期の売上高は前年同期比39%減の1,020億円、そのほとんどを占める半導体の売上高は同39%減の980億円。営業損益は209億円の赤字となった。前年同期は17億円の黒字、前期(2009年1~3月期)は533億円の赤字だったので、営業赤字の金額は前期の半分以下に減少したことになる。税引き前損益は208億円の赤字、純損益は207億円の赤字である。

 売上高を主要製品別にみると、SoC(system on a chip)製品が前年同期比36%減の408億円、MCU(マイコン)が同37%減の280億円、個別半導体が同43%減の292億円となった。なおNECエレクトロニクスの製品分類では、SoC製品は150nmプロセスや90nmプロセス、55nmプロセス、40nmプロセスによる高集積LSI(カスタム品や特定用途向け標準品など)、個別半導体製品は成熟したプロセスによるIC(ディスプレイドライバICやミクスドシグナルICなど)とディスクリート(パワーMOS FETや化合物半導体デバイスなど)を意味する。

四半期ごとの売上高と営業損益の推移第1四半期の主要製品別売上高営業損益の増減に寄与した主な要因

 主要な応用分野別の売上高では、民生用電子機器向けが同29%減の228億円、自動車および産業分野向けが同47%減の157億円、通信機器分野向けが同10%減の146億円、コンピュータおよび周辺機器分野向けが同55%減の135億円となっている。

 地域別の売上高は日本が前年同期比37%減の565億円、米国が同56%減の54億円、欧州が同37%減の141億円、アジア(日本を除く)が同39%減の259億円である。売上高比率は日本が55.4%、米国が5.4%、欧州が13.8%、アジア(日本を除く)が25.4%。営業損益は日本が186億円の赤字、米国が19億円の赤字、欧州が1.4億円の赤字、アジア(日本を除く)が2.3億円の赤字となった。

 2009年度(2010年3月期)通年の業績予想は当初と変わらず、半導体売上高が4,600億円、営業損益が収支均衡である。2009年度第2四半期(2009年7月~9月期)の見通しは売上高が1,070億円、営業赤字が40億円なので、上半期の営業赤字250億円を下半期の営業黒字250億円で埋め合わせるシナリオとなる。

2009年度(2010年3月期)通年の業績予想2009年度第2四半期(2009年7月~9月期)の売上高見通し半導体受注高の推移。2009年2月を底に回復しつつある

 質疑応答では、32bitマイコンおよび8bitマイコンで新しいCPUアーキテクチャを開発する予定は当面ないこと、英ARMの32bit CPUコア「Cortex」シリーズをMCUにライセンス導入するつもりはないことが明らかになった。

(2009年 7月 30日)

[Reported by 福田 昭]