インテル株式会社は4月14日、血圧計や歩数計といった健康管理機器やPCの相互運用を可能にする「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」に対応した機器を紹介する内覧会を開催した。
コンティニュア・ヘルス・アライアンスは、2006年6月に誕生したワールドワイドで行なわれている健康管理機器の相互運用のためのアライアンス。日本では14社が参加し、日本市場向けの機器やサービスを開発していくことが2009年2月に発表されている。
インテルの事業開発本部・デジタルヘルスケア事業部長であり、コンティニュア・ヘルス・アライアンスの日本地域委員会代表でもある石川真澄氏は、内覧会を開催した狙いを次のように説明した。
「異なるメーカー製の健康管理機器の相互運用性を確立することを目指し、今年1月に標準規格が出来上がった。日本では2月に日本企業を中心に14社が集まって日本向けの製品やサービスを開発していくことを発表したが、今回は開発されている試作品を紹介し、これらの機器を利用していく上でのメリットを皆さんにご説明したい。チップメーカーであるインテルは、中立的な立場で複数のメーカーの皆様とお付き合いできるため、この立場を活かして企業連携を進めるなど、先導的な役割を果たしていきたい」
健康管理機器では、個別にUSBやBluetoothに対応し、PCにデータを転送できる製品も登場している。しかし、メーカーが個別にデータ転送機能を開発しなければならないために、開発コストがかさむ上、同じ健康に関するデータであっても、ひとつのアプリケーションで一元管理することが難しいといった問題が起こる。
そこでコンティニュア・ヘルスケア・アライアンスでは、センサーと情報機器の物理層の通信方法としてBluetoothのSIGが策定したヘルスケア向けのプロファイル、USBのワーキンググループが策定したクラスの2つを選定。さらに、データプロファイルとしてISO/IEEE 11073を選定した。この規格に対応することで、異なるメーカー間の健康管理機器の相互運用や、デバイスメーカーが低価格の対応デバイスを開発することが可能となる。
Continua対応の血圧計を利用すれば、転送ボタンを押すだけでデータが対応PCに通信され、対応ソフトにデータが表示される。今回利用しているソフトは、イーストが開発した「めた簿」 |
自身が利用しているオムロン製の歩数計を手にしながらデモを行なうインテル技術本部ソフトウェア&サービス統括部アプリケーション・エンジニア 林浩史氏 |
インテル技術本部ソフトウェア&サービス統括部アプリケーション・エンジニアである林浩史氏は、「技術的な観点から言えば、PC側は対応製品を開発することは難しいことではない。しかし、健康管理機器は独自開発のBluetoothモジュールなどを搭載していたため、開発コスト及び通信がきちんと行なわれるのかといった検証作業がかかっていた。規格が策定されたことで、デバイスメーカーからモジュールが開発されているので、これらのモジュールは数が増えてくれば、製品のコストダウンなどプラス効果が見込める」と、今後登場するContinua対応機器への期待を説明した。
(2009年 4月 15日)
[Reported by 三浦 優子]