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AMD、フルメモリ暗号化対応のモバイル向け「Ryzen PRO 4000」

 米AMDは7日(現地時間)、企業のモバイルノートPC向けのプロセッサ「Ryzen PRO 4000」シリーズを発表した。

 ラインナップは、8コア/16スレッド、1.7~4.1GHz駆動、キャッシュ12MBの「Ryzen 7 PRO 4750U」、6コア/12スレッド、2.1~4GHz駆動、キャッシュ11MBの「Ryzen 5 PRO 4650U」、および4コア/8スレッド、2.5~3.7GHz駆動、キャッシュ6MBの「Ryzen 3 PRO 4450U」の3モデル。いずれもTDPは15W。

3モデルを用意し、従来モデルからの置き換えとなる

 7nmプロセスで製造されるZen2コアを採用したモバイルCPUで、旧世代と比較してCinebench R20計測によるCPUのシングルスレッド性能で29%、同マルチスレッド性能で132%、3DMark Time Spy計測によるグラフィックス性能で13%向上したという。

 ビジネス向けアプリケーションでも、その素の性能は遺憾なく発揮されており、旧世代と比較してPCMark 10で37%、Wordで19%、PowerPointで27%、Excelで77%、Microsoft Edgeで39%の性能向上が見込めるとしている。

 また、競合のCore i7-10710UとRyzen 7 PRO 4750Uを比較した場合、最大で33%の性能向上を果たしているほか、Core i5-10210UとRyzen 5 PRO 4650Uの比較では最大97%高速としている。

 7nmプロセスへの微細化およびIPCの向上、デザインの改善により、電力あたりの性能は2倍に向上。一部製品では20時間以上の駆動が可能としている。

従来モデルから2割から7割も高速化
Core i7-10710Uと比較しても最大で3割も性能が高い
ミドルレンジ向けのCore i5-10210UとRyzen 5 PRO 4650Uとで、コア数の違いによりさらに性能差が広がる
前世代と比較して電力性能比はじつに2倍に達した

 企業向けの機能としては、フルメモリ暗号化の「AMD Memory Guard」を搭載。サスペンド時は多くの情報がメモリ上に残っているため、PCが盗まれ高度な物理的な手段によって攻撃された場合にデータを抜き出されてしまう可能性があるが、フルメモリ暗号化によりこれを防げるとしている。加えて、Microsoftと共同で開発した各種セキュリティ技術や、HP/Lenovo独自のセキュリティ技術によって、プラットフォーム全体の安全性を高めたとしている。

フルメモリ暗号化により、サスペンド時の盗難と物理攻撃によるデータの流出を防げるという

 また、Microsoft Endpoint Managerによる管理性や、24カ月にわたる長期提供プラン、長期的な信頼性と性能への重視、エンタープライズグレードの品質プロセスなどを兼ね備える。

 搭載製品としては、HPの「HP ProBook x360 435 G7」、「HP ProBook 445/455 G7」、Lenovoの「ThinkPad T14 Gen1」、「ThinkPad T14s Gen1」、「ThinkPad X13 Gen1」、「ThinkPad L14/15 Gen1」などが登場予定としている。

HPやLenovoから搭載製品が登場予定