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富士通、10Gbps回線で最大40Gbpsの実効速度を実現するWAN高速化技術

~FPGAアクセラレータを利用

クラウド環境におけるWAN高速化技術の利用例

 株式会社富士通研究所は11日、FPGAを利用して、10Gbps回線で最大毎秒40Gbpsの転送速度を実現するWAN高速化技術を開発したと発表した。

 高速化技術は、クラウド間のWAN回線を流れるデータ量の爆発的な増加を想定し、クラウド間で大量のデータを高速に転送可能な、次世代のWAN高速化技術として開発されたもの。

 10Gbpsのネットワーク回線で、10Gbpsを超える高速データ転送を行なう場合、処理すべきデータ量が多く、サーバー内での圧縮・重複除去の処理速度がボトルネックとなっていた。

 開発された技術では、サーバに搭載したFPGAをアクセラレータとして活用し、圧縮や重複除去のうち、負荷が重くCPUでの処理速度向上が難しい一部の処理をFPGAで実行しつつ、CPUとFPGAアクセラレータを効率よく連携させることで、WAN高速化技術の効率的な動作を実現した。

 技術的な特徴の1つ目は、高並列専用演算器によるFPGA並列化技術で、データ分割、特徴量計算、可逆圧縮処理に特化した専用演算器をFPGAに高並列に実装。各演算の完了予測に基づいた、適切なタイミングでのデータ供給を行ない、演算器の高並列動作をを実現したことで、データの圧縮/重複除去処理に要する処理時間を大幅に削減できるとする。

FPGA搭載サーバーを活用したWAN高速化処理の実装

 2つ目がCPU - FPGA間の処理フロー最適化技術で、従来は、重複判定結果に基づいて可逆圧縮処理を行なうかどうかを決定するため、FPGA側で実行される重複判定の前後で2度データを読む必要があり、オーバーヘッドが大きく十分な性能が出ていなかった。

 今回、FPGAへの処理の切り替えを固定化し、FPGA側で重複判定前処理および圧縮処理を行なっておき、CPU側で重複判定結果に基づいて圧縮処理結果の反映を制御する処理手順とすることで、CPUとFPGA間での入力データの再ロード、制御のやりとりによるオーバーヘッドを低減。高効率な連携動作を実現したとする。

CPU - FPGA間のオーバーヘッド低減手法の概要

 同社では、サーバー間を10Gbps回線で接続した実験環境を用意し、大量データの転送速度を評価。文章や画像データなどの定期的なバックアップを模した実験で、業界最高となる最大40Gbpsの転送速度が確認されたとする。

実験データでの評価結果例

 富士通研究所では、本技術をクラウド環境で利用可能な仮想アプライアンスに搭載し、実環境での評価を進め、搭載製品を2018年度中に富士通から新規提供することを目指すとしている。

 技術の詳細は、12月11日~13日までオーストラリア メルボルンで開催予定の「FPT 2017 (The 2017 International Conference on Field-Programmable Technology)」にて発表される予定。