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AmazonとMicrosoft、オープンソースの深層学習インターフェイス「Gluon」を提供
2017年10月13日 19:45
米Amazon Web ServicesとMicrosoftは12日(現地時間)、オープンソースの深層学習インターフェイス「Gluon」を公開した。
ニューラルネットワークは、トレーニングデータ、モデル、アルゴリズムの3つの要素からなる。そのさい、データ量は大きく、モデルとアルゴリズムが複雑なため、モデルのトレーニングには数日~数週間かかってしまう。
現在ではApache MXNet、Microsoft Cognitive Toolkit、TensorFlowなどの深層学習エンジンは、トレーニングプロセスの最適化と高速化をアシストするようになったが、これらのエンジンでは、変更が困難な長くて複雑なコードを使用して、モデルやアルゴリズムを事前に定義する必要があった。
一方そのほかの深層学習ツールはモデルの構築が容易になっているが、代償として学習速度が犠牲にされている場合があるという。
Gluonインターフェイスでは、ニューラルネットワークモデルを素早く試作しテストを行なえることと、簡潔でわかりやすいプログラミングインターフェイス、基礎となるエンジンの速度に最小限の影響しか与えない学習方法という両要素を開発者に提供できるとする。
Gluonインターフェイスはその場でニューラルネットワークを作成し、サイズと形状を動的に変更できるほか、学習アルゴリズムとニューラルネットワークモデルがセットになっているため、開発者は一度に1ステップずつモデルトレーニングを実行できるという。そのためニューラルネットワークのデバッグ、更新、再利用がはるかに簡単であるとしている。
具体的には、単純なPython APIと最適化されたニューラルネットワークコンポーネントを使用して機械学習モデルを構築できるという。開発者のスキルレベルを問わず、性能を犠牲にせずに簡潔なコードを使用してニューラルネットワークを構築できるとする。
AWSとMicrosoftはGluonのリファレンス仕様を公開しており、そのほかの深層学習エンジンとインターフェースを統合することも可能。
現在は「Apache MXNet 0.11」で利用可能となっており、今後「Microsoft Cognitive Toolkit (CNTK)」もサポートされる予定。