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JDI、4辺ベゼルレスディスプレイを実現する「FULL ACTIVE」技術

~Xiaomi Mi MIX 2にも採用

左から株式会社ジャパンディスプレイ 上席執行役員 モバイルカンパニー社長 ​永岡一孝氏、同社代表取締役会長兼CEO 東入來信博氏、同社執行役員 チーフマーケティングオフィサー(CMO) 伊藤嘉明氏

 株式会社ジャパンディスプレイ(以下JDI)は、4辺ベゼルレスを実現するディスプレイ技術「FULL ACTIVE」を発表、記者会見を開催した。

 都内で開催された発表会には、同社代表取締役会長兼CEOの東入來信博氏、同社執行役員 チーフマーケティングオフィサー(CMO)の伊藤嘉明氏、上席執行役員 モバイルカンパニー社長の永岡一孝氏が登壇。

 FULL ACTIVEディスプレイについて、同社では2016年8月に開発開始を、2017年6月には量産開始を発表しているが、改めて記者会見を開催した形だ。

 FULL ACTIVEについての説明を行なった永岡氏は、今回のポイントは、「画素数やコントラスト比の向上」といった今までの技術的なアピールと少し異なると述べ、FULL ACTIVEでは、画面を極限まで広げた商品デザインを可能とすることで、UIの自由度を拡げて新たなUXの創造に貢献できるとした。

 FULL ACTIVEでは、「Borderless」、「Seamless」、「Expansion」の3つの要素を提供。0.5~0.6mm程度というベゼル幅により、限界まで画面を拡張することで筐体を小型化できる点、4辺ともにベゼルレスであることで、スマートフォンをかざして情報を見るといったAR(拡張現実)での利用、複数台を並べてもほぼ切れ目のない1枚のディスプレイとして使えるといった利点を挙げた。

 永岡氏は、スマートフォン向けのディスプレイはおよそ2~3年の周期で進化を繰り返していると述べ、2017年もちょうどその周期にあたる年で、今回のFULL ACTIVEがその進化の1つになるとした。

FULL ACTIVEの提供する価値
スマートフォン用ディスプレイの進化
FULL ACTIVE

 前述の通り、スマートフォン向けディスプレイはすでに量産体制に入っており、中国XiaomiのAndroidスマートフォン「Mi MIX 2」にも採用。Mi MIX 2は、5.99型2,160×1,440ドットのIPS液晶ディスプレイを搭載している。発表会場には実機の展示も行なわれていた。

 同社では、1月に折り曲げ可能な「FULL ACTIVE FLEX」の開発も発表しているが、こちらについては、まだ技術的障壁もあり、量産はまだとのことだ。

 同氏は、FULL ACTIVEでは一般的なアスペクト比16:9のディスプレイではなく、「18:9」の製品について引き合いが多いと語り、2018年には、18:9のスマートフォンがより増えるとの見込みを示した。実際、前述のMi MIX 2や、Samsung「Galaxy S8」などが同比率を採用している。

 単純に16:9の設計をもとに上下に伸ばせるというだけでなく、正方形のコンテンツを2つ表示できるため、Instagramの写真を比較したり、Androidに追加された画面分割によるマルチタスク機能などで有用だという。なお、さらに縦の比率を高めた19:9や20:9といったものについても問い合わせがあるという。

 同社では、スマートフォンでの採用のほかにも、バックミラーのディスプレイ化といった車載用、2in1 PC、VR/ARヘッドマウントディスプレイといったアプリケーションにも採用を見込んでおり、同社の基盤技術としていく。

Mi MIX 2
アスペクト比18:9の採用スマートフォンが増加
利用想定

 東入來氏は同社の経営改革について説明。10月1日付けでカンパニー制に移行するほか、マーケティング&イノベーション統括部とチーフマーケティングオフィサー(CMO)を新設する。

 CMOには米DellやLenovo(米国本社)、ハイアールアジアなどでの営業統括本部長や業務執行役員の経験を持つ伊藤嘉明氏が着任。伊藤氏は、JDIの“第二の創業”実現に向けて、意思決定と実行のスピードを改革していきたいと語った。

経営改革の基本方針
中期ロードマップ
概要
カンパニー制導入、マーケティング&イノベーション担当新設
事業執行体制と組織の概要
改革
デモ展示
マルチディスプレイ
3つ折り
メイン画面もキーボード部も液晶ディスプレイという2in1も登場するかもしれない