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NVIDIA、1台のPCで4台のHTC VIVEを動かすマルチユーザーVRシステム

 米NVIDIAは8日(現地時間)、米サンノゼにて開催中のGTC(GPU Technology Conference) 2017にて、1つのPCにVR HMDのHTC VIVEを4台つなげた、マルチユーザーVRシステムを展示している。

 同システムにはワークステーション向けGPUのQuadro P6000が4基実装されており、そのそれぞれに4台のビジネスエディションのVIVEが接続されている。ご存知のとおり、VIVEはポジショントラッキングを採用しており、トラッキング用の複数台のセンサーからVIVEの位置を特定する必要があるが、このシステムでは1つのトラッキングシステムを共有して4台のVIVEを使えるようになっている。

 通常の使い方であれば、1台のPCにつき1台のVR HMDを接続して使用されるが、複数ユーザーが利用できることにより、導入システムを小型化できるというメリットがある。これにより、持ち運びやセットアップが最小化され、アミューズメント施設などへの導入がしやすくなる。また、最近では軍事訓練にもVRシステムが用いられているが、軍艦内などスペースの限られた場所でも設置しやすいという。

 現状では複数人で同時に同じVRを楽しめるようなアプリはないと思われるが、そういったアプリが開発されれば今回のようなシステムを使うことで、新しいVR体験をもたらすことができる。NVIDIAは例としてドライビングVRであれば、一方のVRマシンではユーザーが運転を体験しつつ、もう一方VRマシンでユーザーが観客としてVRを体験するといった楽しみ方ができるとしている。

 Quadro P6000は3,840基のCUDAコアを備え、GDDR5X 24GBメモリを実装。単精度の浮動小数点演算では12TFLOPSの性能を発揮する。