ニュース

ファーウェイ、60℃環境下でも動作可能なリチウムイオン電池

 ファーウェイは12月1日、グラフェンを使用した世界初の耐高温/長寿命リチウムイオン電池を、東京・千葉にある幕張メッセで開かれた第57回電池討論会にて発表した。

 グラフェンベースの新たな耐熱技術によって、リチウムイオン電池の動作可能温度環境を、従来の上限より10℃高い60℃まで引き上げ、電池寿命も2倍に延びたという。

 今回、電解質内に特殊な添加剤を加え、電解質内に含まれる微量な水分を取り除くことで、高温環境での電解質の蒸発を回避。また、改良した大型結晶NMC(三元系)系材料をカソードに使用することで、カソードパウダーの熱安定性を向上させた。さらに、グラフェンを採用することによって、電池本体を効率的に冷却可能とした。

 高温環境下での充放電試験を実施した結果、動作パラメータが同一の場合、グラフェン使用耐高温リチウムイオン電池は、通常のリチウムイオン電池と比較して温度が5℃低くなったという。また、60℃環境で充電を2,000回繰り返した後でも70%以上の容量を保持し、200日間保管した後でも失われた電池容量は13%未満だったという。

 新型の電池は通信基地局の蓄電池システムを刷新するほか、電気自動車の走行距離向上や熱が発生するドローンの安全な運行を保証できる。

 なお、ファーウェイは2015年の第56回電池討論会で、3,000mAhの電池をわずか5分間で48%まで充電する急速充電技術を発表しているが、2016年12月下旬にはこの技術に対応したモバイル端末を発表するとしている。