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パナソニック、1,000回曲げられる「フレキシブルリチウムイオン電池」

~カード型デバイスやウェアラブルデバイスに好適

フレキシブルリチウムイオン電池

 パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズは9月29日、繰り返し曲げたり、ねじったりできるカード形状で厚み0.55mmの「フレキシブルリチウムイオン電池」を開発したと発表した。

 角形やパウチ型の一般的なリチウムイオン電池は曲げやねじりに対応できないが、本製品は新規に開発したラミネート外装体や内部構造により、過酷な曲げ/ねじり試験後も性能を維持可能できる性質を備えている。繰り返しの充放電性能も高いという。

 曲げ半径R25mmで1,000回、ねじり角±25度/100mmで1,000回の負荷の後でも、電池初期容量比で99%以上の容量を維持(品番CG-062939の場合)。また、変形による漏液が生じにくく、異常な温度上昇が起こりにくいため、繰り返し曲げやねじりが発生するカード型デバイスやスマートウェアに有効で、身体貼付型デバイスや腕時計型ウェアラブル端末などでの利用も想定されている。

フレキシブルリチウムイオン電池の種類
積層電極構造のイメージ図

 製品はサイズごとに3種類あり、主な仕様は下表の通り。

【表】フレキシブルリチウムイオン電池の仕様
品番CG-062939CG-063555CG-064065
サイズ(最大)
※端子除く
28.5mm x 39.0mm35.0mm x 55.0mm40.0mm x 65.0mm
質量約0.7g約1.4g約1.9g
厚み(最大)0.55mm
公称容量17.5mAh40mAh60mAh
公称電圧3.8V
最大充電電圧4.35V
最大充電電流17.5mA(1C)40mA(1C)60mA(1C)
曲げ性能(最大)曲げ半径 R25mm
ねじり性能(最大)ねじり角 ±25度/100mm

 フレキシブルリチウムイオン電池は、2016年10月下旬にサンプルを出荷予定。今後量産化に向けた開発を進めるとともに、さらなる薄型化も図る。