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自動開閉ギミックを備え、シンプルデザインと小型化を追求した新カラリオ「EP-879A」
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2016年9月1日 17:19
エプソンは9月1日、家庭用インクジェットプリンタ5機種を発表した。各機種ごとの詳細は別記事の「エプソン、5年ぶりのフルモデルチェンジとなる「カラリオ」などインクジェット7機種を発表」で紹介している。ここでは同日行なわれた、製品発表会の模様をお伝えする。
今までにないプリンタを求め、デザインや内部構造を一新したColorioを投入
ラインナップの説明で登壇したセイコーエプソンで取締役 常務執行役員 プリンター事業部長を務める久保田孝一氏は、コンシューマ市場における新たな取り組みとして、今年(2016年)の初頭から、インクジェットプリンタのシリーズを通常モデル「Colorio」、高画質印刷向けの「Colorio V-edition」、大容量インク搭載の「エコタンク」の3つに分けてきた経緯を語り、今回はこれに続き一層の小型化を突き進めたと述べた。
特にColorioシリーズのフラグシップである「EP-879A」については、今までとは一線を画すシンプルな筐体を追求。家庭内に溶け込むデザインを狙い、どの位置から見ても違和感が出ないようにし、表面処理は自然なマット調に仕上げられている。また、本体の横幅は2015年登場のEP-808Aよりも41mm短い349mmで、2011年モデルのEP-804Aと比較すると96mmもサイズダウンしており、設置の自由度が増している。
EP-879Aは幅を縮小するために内部構造をいちから見直している。給紙機構は下部に移され、キャリッジの干渉をなくすとともに、カートリッジを横方向に設置するという抜本的な配置変更が行なわれた。
このシンプルなデザインを貫くために、プリント時に自動的にカバーが開く仕掛けも組み込まれた。これにより、用紙カセットが本体からはみ出るという不格好な見た目を避けている。用紙はカセットを弾き出さずに補充可能で、給紙方向も液晶画面上でアイコンを使って分かりやすく見せるといった工夫がなされている。さらに、SDカードスロットを挿入するための前面インターフェイス部は、SDカードを挿入したままの状態でもカバーを閉じられるようにと徹底している。
使いやすさも考えられ、液晶のUI(ユーザーインターフェイス)を変更。操作時のステップ数削減を行なった。例えば、よく使う機能はタブにまとめられており、画面の切り替えが最小限で済むようになったほか、タップ操作で機能をオン/オフする機能、設定画面が自動的にスクロールし、ユーザー自身でスクロールして設定を変える手間を軽減。操作ボタンもアイコン化され、分かりやすくなっている。
インクの廃液をためるメンテナンスボックスをユーザーが交換できるようになり、メンテナンス性が向上。これまで修理センターに送る必要があったが、その分の手間がなくなった。ヘルプ機能も強化されており、動画による操作案内が加わり、ユーザーがトラブルに遭遇した際でもスムーズに誘導できるようにしている。
プリンタのモーター回転数の見直しとギアのかみ合わせの改善も行なわれたことで静音化しており、耳障りな高周波成分が低減されている。画質も向上しており、特に新インクによって緑の色域が拡大された。
このほか、スマートフォンやタブレットと連携させるための新しい専用アプリ「Epson Photo Library」を用意され、スマートフォンやデジカメで撮影した写真をプリンタに接続したUSBメモリ/SDカードなど、1つの場所に集約して保存し、アプリから日付別閲覧や整理ができるようになっている。
久保田氏は「今までのプリンタにない新しい発想をこの小型プリンタに搭載した。プリンタの新たな楽しみ方を感じて欲しい」と述べ締めくくり、EP-879Aの説明に大きく時間を割いた。
3つのビジネスモデルで印刷コストが気になるユーザーのニーズに応える
久保田氏の後は、エプソン販売株式会社 取締役 販売推進本部長の鈴村文徳氏が登壇。
鈴村氏は、コンシューマ市場におけるインクジェットプリンタの販売が低迷する中で、ユーザーが必要とするビジネスモデルを作っていくことが必要であると強調。ユーザーの思いとして、印刷はしたいがインクが高いといった不満が大きくあり、この点は通信費と通信可能量が見合わないといった不満が出がちなキャリアによるスマートフォン市場と似ており、その解決策として気兼ねなく使ってもらえるビジネスモデルが必要だと気付いたという。
そのため、冒頭で挙げた「Colorio」、「Colorio V-edition」、「エコタンク」の3つのコンセプトを展開。既に一定の評価を得られたと説明した。
ユーザー調査では高画質印刷用のColorio V-editionでは印刷枚数がこれまでの1.3倍になり、写真印刷は15%から29%に伸びたとし、エコタンクについてもこれまで使っていたプリンタよりも印刷枚数が1.4倍に増加したという。ただ、まだ課題も多く残されており、もっとユーザーのニーズに応えるべく、ラインナップの増強が必要であるとした。そのため、今回のV-editionとエコタンクのモデルは前回発表されたものと併売という形になっており、層が厚くなっている。
鈴村氏は、V-editionの「EP-30VA」に関して、毎月印刷を行なった場合にColorioの「EP-879A」よりもL判写真印刷で44枚以上、A4写真印刷なら9枚以上も得であるとし、高画質で作品を気兼ねなく印刷したいというユーザーに対してV-editionを推した。前モデルで批判があった価格の見直しも行なわれている。
一方、エコタンクについては2年間インクの追加費用がかからないというメリットを今回も押し出している。購入したいという声は多数あったが「本体の価格が高い」、」サイズが大きい」という意見があり、今回の「EP-M570T」ではコンパクトかつスタイリッシュに仕上げ設置面積を27%低減、本体価格を下げたという。なお、6色印刷機能や写真印刷を望む声もあったそうだが、これについてはV-editionを選んで欲しいとした。
Colorioの新イメージキャラクターは女優の吉田羊さんに
久保田氏はこういったエプソンの新しいビジネスモデルの展開に合わせ、イメージキャラクターとして新しく女優の吉田羊(よしだよう)さんを起用したことを発表。起用の理由として、エプソンが目指す「身近な存在」や「安心」といったイメージに合致するとのことだった。また、めざましい活躍を見せる吉田羊のように、同社プリンタもめざましく発展していきたいと述べた。
吉田羊さんは今回エプソンが特に力を入れている「EP-879A」のシンプルさを強調するように、全身ホワイトの衣装で登場。今度放映されるエプソンのTVコマーシャルと同じ出で立ちとのことで、リビングをイメージした場所でのCM撮影時には、エプソンのプリンタと色で統一された家具と一体となり、まるでイタリアのフィレンツェにいるような気分を味わえたという。ちなみに、吉田羊さんはイタリアに行ったことはないそうだ。
吉田羊さんは自身が撮影した写真をエプソンのプリンタで印刷したものを披露し、綺麗に印刷できることにご満悦な様子だった。
以下、展示会場で撮影した実機の写真を掲載している。