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Windows 10 MobileのContinuumでOffice文書を編集するにはOffice 365の契約が必要

 Windows 10 Mobileのウリの1つが、外部ディスプレイと接続すると、デスクトップ画面が現れ、デスクトップPCに近い操作感で使えるContinuumの機能だ(対応機のみ)。

 このContinuumの機能と、別売りのキーボードとマウスを組み合わせれば、デスクトップPC環境さながらの操作感で、WordやExcelといったビジネスアプリケーションが利用できる。これならば、大半の仕事はWindows 10 Mobileデバイス1つでこなせるわけだ。

 しかしこれにはいくつかの制限があることが明らかとなった。

1.Office 365サブスクリプション非契約の場合は商用利用が不可

 Windows 10 Mobileに付属するOffice Mobileのみならず、デスクトップ版Windows 10でも使えるUWP版Office Mobileでも共通だが、商用利用は不可である。

 商用利用する場合、Office Mobileを使うMicrosoftアカウントでOffice 365のいずれかの有償サービスと契約する必要がある。

 一方で、日本マイクロソフトと日本メーカーが独自にライセンス提供している「Office Mobile+Office 365サービス」では、商用利用が可能である。

2.ContinuumにおけるOfficeの編集はOffice 365サブスクリプションが必要

 筆者の周りでContinuum対応デバイスを買う熱心なユーザー達は、基本的にOffice 365サブスクリプションを契約していたので、これまでまったく問題として挙がっていなかったのだが、Windows 10 MobileのContinuumを使い、Office Mobileで文書を編集する場合は、商用利用時と同様Office 365サブスクリプションが必要である。

 Office 365サブスクリプションに契約していないMicrosoftアカウントの場合は、非Continuum時のみファイルの編集が可能で、Continuum時はビューワとしてのみしか動作しない。

3.Office Mobileは画面サイズを見て機能を解放している

 10.1型以下のWindows 10搭載デバイスにおいて、Office 365非契約の状態では、ファイルの基本的な編集機能しか提供しない。高度な編集作業やContinuumの活用には、Office 365サブスクリプション契約が必要である。

 実はOffice Mobileはデバイスの画面サイズの情報を取得しており、画面サイズが10.1型以下のデバイスに対して、基本的な編集機能のみを開放している。Windows 10を搭載したタブレットなどがこの類である。10.1型超のデバイスに関してはビューワとしてしか動作しない。

 10.1型以下のデバイスを外部ディスプレイに接続する場合だが、実は2016年3月31日までの間は外付けディスプレイでの編集を無料で利用できた。4月1日以降はOffice 365サブスクリプションがある場合のみ外部ディスプレイで編集できる。

 最後に簡潔まとめると、

・Office 365サブスクリプション非契約アカウントはOffice Mobileを商用利用できない(一部タブレットのOffice Mobile+Office 365サービスを除く)
・Office 365サブスクリプション非契約アカウントは、Continuumを使ってOffice文書を編集できない
・Office 365サブスクリプション非契約アカウントにおいて、10.1型超のデバイスでOffice Mobileを使うとビューワとしてしか動作しない

 というわけだ。とりわけ、Windows 10 MobileのContinuumでOffice文書を編集しようと予定していたユーザーは、注意して欲しいポイントである。

【9月2日訂正】記事初出時、ディスプレイサイズの制限を「10.1型未満」としておりましたが、これはMicrosoftの表記の誤りで、正しくは「10.1型以下」になります。お詫びして訂正します。