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Wi-Fi Alliance、無線デバイス/リッチコンテンツ増加で第2世代802.11ac「Wave 2」の必要性を説く

Wi-Fi Allianceのマーケティング担当 バイスプレジデントであるケビン・ロビンソン氏

 Wi-Fi関連機器の認定などを行なっている業界団体のWi-Fi Allianceは27日、都内で記者発表会を開催し、無線LAN「Wi-Fi CERTIFIED ac(広義のIEEE 802.11ac)」の「Wave 2」に関する説明を行なった。

 Wave 2は802.11acの第2世代規格で、前世代のWave 1から性能や利便性を向上させるための機能が付加されている。米国で今年(2016年)の6月29日より正式にWave 2の認定を発表したが、ドラフト段階の頃からWave 2機能を搭載したルーターが販売されており、既に対応製品は多い。なお、スマートフォンは対応製品の登場が遅れており、現状ではSamsung ElectronicsのGalaxy S7などが挙げられる。

 Wave 2の特徴は下記の通り。

  • MU-MIMO(Multi-User MIMO)
    これまで1台のルーターにつき、一度に1台の端末としか通信できなかったが、2台同時通信といったマルチタスク処理が可能になり、スループットが向上。
  • 160MHzまでのチャネルボンディングをサポート
    Wave 1では80MHzまでだったチャネルの帯域が拡張され、80MHzと80MHzを束ねた160MHzのチャネルボンディングにより通信速度が倍増。
  • 空間ストリーム数が4つに増加
    従来3つだった空間ストリーム数が4つに増加。4つのデバイスに1つの空間ストリームを割り当てたり、4つの空間ストリームを1デバイスで使ってより高速化を図れるようになった。
  • 5GHz帯のサポート拡大
    5GHz帯で利用できるチャネルが増え、隣接する周波数帯との干渉を緩和。

 Wi-Fi Allianceでマーケティング担当 バイスプレジデントを務めるケビン・ロビンソン氏は、現在の通信には2つのトレンドがあるとし、「接続デバイスの増加」と「リッチコンテンツの増加」を挙げ、アメリカの家庭では平均8台の無線LAN対応デバイスが使われており、4Kコンテンツ視聴といった大容量なストリーミングサービスの利用などが進んでいる状況であると説明。世界中で通信デバイスの所有が進むことで、2020年までにはネットワークに接続されるデバイスは300億台以上に上るだろうという予測を示した。

 こうした状況の中で、通信の快適さを担保するために802.11ac Wave 2の重要性を説き、ユーザーから止むことのない通信スピードと高精細コンテンツの要求に応えられるものだとアピールした。

Wi-Fi Allianceは「Wi-Fi CERTIFIED ac」を策定している。広く使われているIEEE 802.11acと書かれないのは、IEEE(米国電気電子学会)が定めたものと異なるため
通信の利用数とコンテンツの容量は年々増しており、2015年の段階では1秒間に82万4,270分の同型ストリーミングまたはダウンロードされた
現在のWi-Fiは5GHz帯が主流となっており、Wi-Fiデバイスの68%が5GHzと2.4GHzのデュアルバンドに対応。デュアルバンド対応は5年以内に100%に達するという
802.11ac Wave 2
Wi-Fi規格の今後の普及予想
Wave 2対応の通信モジュール