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V字回復のVAIO、PCと製造受託に続く第3のコア事業を展開
2016年7月26日 17:45
VAIO株式会社は26日、2016年度の経営方針ならびに新製品発表会を都内にて開催した。新製品に関しては、本日9時に発表された15.5型ノートPC「VAIO C15」がそれにあたり、製品の詳細や実機写真については下記記事を参照して欲しい。
ここでは、代表取締役社長の大田義実氏が語った2016年度におけるVAIOの経営方針について紹介する。なお、事業展開に関する説明は7月に実施された長野県安曇野市の本社施設の見学説明会でも行なわれており、本誌ライターの笠原氏が詳しい話を書いているので、そちらも参照されたい。
PC事業とEMS事業が好調で2015年度はV字回復
まず大田氏は、今年(2016年)7月1日でVAIO株式会社が設立2周年を迎えたことを述べ、2014年度で20億円の赤字だった同社の業績が、2015年度で倍以上の営業利益を出し、V字回復を達成できたことを告げた。
現在のVAIOの事業はPCとEMS(製造受託)を柱として成り立っており、PCではご存知の通り、「VAIO Z」や「VAIO S11」といったノートブックを展開、EMSでは富士ソフト株式会社のコミュニーケーションロボット「Palmi」、AKA LLCの英語学習AIロボット「Musio」といった他社向け製品の製造などを行なっている。
大田氏は2015年度の業績が上向きになった理由として、PC事業では11.6型および13.3型のVAIO S11とS13が大ヒットし、特に法人向けが好調だったことを明かした。これが2015年度のVAIOを牽引したという。また、EMS事業が予想外のスピードで成長したことも挙げ、PCに続く第2のコア事業が芽吹き、VAIOを支える事業として順調に成長しているとした。
大田氏はVAIOの好調を受け、2016年度ではPC事業とEMSをさらに安定させ、着実に発展させるとともに、VAIOを支えるもう1つの屋台骨として「第3のコア事業」を立ち上げることを発表。VAIOが培ってきた製造技術や、EMS事業で作り上げた開発サポート体制、顧客との繋がりを生かした事業展開を考えているという。
大田氏は第3のコア事業について、実際に何を行なうかは明言しなかったが、VAIOはもの作りの会社であり、販売も含めて全ての役割を担うには難しいということで、他社と協業あるいはジョイントベンチャーを設立し、もの作りの分野で展開していくという考えを示した。第3のコア事業に関しては、EMS事業とは異なり、仕事を受ける形ではなく、VAIOが主体的に関与していくこともあるという。
大田氏は「VAIOは単独で生き、事業幅を広げていく」と述べ、よほど事態が悪化しない限り、以前噂として持ち上がった他社との事業統合などがないことを明言。経済状況を確実に読むこと困難であり、将来的にどうなるかは分からないが、VAIOが未来永劫単独で生きていける企業を目指しているとした。
以下、会場に展示されていたVAIO製品を掲載している。