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HTC、フラッグシップスマホ「HTC 10」の魅力を解説
2016年6月2日 00:00
HTC NIPPON株式会社は1日、新フラッグシップスマートフォン「HTC 10」の発表会を行ない、同社社長の玉野浩氏が、その魅力を解説した。HTC 10は、日本ではauの2016年夏モデル「HTC 10 HTV32」として6月中旬に発売されることが、前日(2016年5月31日)に開催されたauの発表会で明らかにされていたが、本日、改めて端末の発表が行なわれた形である。
10点満点の端末を目指して作られたフラッグシップモデル
玉野氏はまず、「HTC 10の10は全てにおいて10点満点がとれる端末ということを意味しており、自信を持って送り出した製品である」と語った。全てというのは、筐体のデザイン、世界初の機能を搭載した革新的なカメラ、高いスペック、ハイレゾへの対応である。
筐体については、HTCが得意とする金属(メタル)素材を採用、メタルへのこだわりにさらに磨きをかけて誕生したのが、このHTC 10である。HTC 10の筐体は1枚の金属板を加工して作られた継ぎ目のないユニボディであり、光と影にこだわっている。筐体色は、カメリアレッド、カーボングレー、トパーズゴールドの3色が用意されているが、このうちカメリアレッドは日本向けの特別色であり、現時点では日本でのみ発売される。
操作性の面では、ディスプレイと独立した静電容量式のキーを復活。ディスプレイの下部をキーとして使う必要がなくなり、ディスプレイをより広く使うことができる。センターキーは、指紋センサーも兼ねており、約0.2秒という短時間で指紋認証を行なうことができる。
また、HTCはGoogleと共同で、Androidスマートフォンのユーザーエクスペリエンスの見直しを行なっており、その成果の一部がHTC 10にも採用されている。これまで、メールアプリやブラウザ、音楽プレーヤーなどは、Google純正アプリと端末メーカー製のものが両方搭載されていることが多く、混乱を招きがちであった。HTC 10では、思い切ってアプリの取捨選択を行ない、どちらか優れている方のアプリだけを搭載することにしたため、紛らわしいアイコンが減り、ユーザーエクスペリエンスが向上した。
そして、無駄なアプリを減らしたことで、性能も向上。前モデルのHTV31と比べて、タッチレスポンスは50%向上、アプリケーションの起動速度は約2倍に高速化されたとのことだ。
さらに、auから発売されるスマートフォンとして初めて、急速充電技術「Quick Charge 3.0」に対応したことも高く評価できる。同梱されているQuick Charge 3.0対応急速充電器とUSB Type-Cケーブルを利用することで、約30分で50%の充電が可能だ。
HTC 10のウリの1つが、世界初の機能を含むカメラ機能。まず、背面カメラには、最新の「新UltraPixel 2」を採用。1,200万画素だが、レンズのF値が1.8と明るく、ピクセルサイズが1.55μmと大きいため感度が高く、薄暗い場所でもノイズが少ない。もちろん、光学式手ブレ補正機能を搭載し、起動も約0.6秒と高速だ。
さらに、世界で初めて前面カメラにも光学式手ブレ補正機能を搭載。こちらは500万画素だが、やはりレンズのF値は1.8と明るいため、ぶれがちなセルフィー(自分撮り)でも、ぶれずにきれいな写真が撮れる。前面カメラのレンズは広角で、画角が86度と広いため、グループでセルフィーを撮る場合などに威力を発揮する。
カメラとレンズの画像品質測定を行なうベンチマークテスト「DxOMark」で、2016年4月現在、スマートフォンでは最高ランクとなる88を獲得するなど、フラッグシップモデルの名に恥じない性能を実現している。カメラ機能でプロモードを選択すれば、RAWフォーマットでの保存を選択できるので、より画質にこだわりたい人にも最適だ。さらに、こちらもスマートフォンとしては世界で初めて、4K動画撮影+24bitハイレゾ録音を実現している。
国内のスマートフォンとして初めてハイレゾ対応イヤホンが付属
サウンドにこだわっていることもHTC 10のウリだ。本体底部に重低音用のウーファーを、上部に高音用のツイーターを搭載しており、迫力のある高音質サウンドが楽しめる。また、24bit対応のDSPとDAC、スマートフォンでは最高レベルの高音質アナログアンプを搭載しており、日本オーディオ協会によるハイレゾオーディオ認定を取得している。
さらに、国内のスマートフォンとして初めて、ハイレゾ対応イヤホンが付属している。HTC 10を購入するだけで他に何も用意せずに、ハイレゾオーディオを楽しめる。ハイレゾ対応フォーマットは、FALC形式とWAV形式であり、それぞれ24bit/192kHzまで対応する。また、個人の耳にあわせて再生音を細かくチューニングできるパーソナルオーディオプロファイル機能も搭載しており、ハイレゾ音源の魅力をフルに引き出すことが可能だ。
新たにフリースタイルレイアウトという機能も搭載。アイコンを自由にレイアウトすることが可能になった。HTCテーマは数万以上が公開されており、その中から壁紙やアイコン、通知音、フォントなどを選んで組み合わせ、自分好みにカスタマイズできる。
もちろん、基本スペックも高く、SoCとしてSnapdragon 820を採用。RAMは4GBと大容量である。ストレージは32GBだが、microSDカードスロットが用意されており、最大200GBまでのmicroSDXCカードを利用できる。ディスプレイは5.2型IPSで、解像度は2,560×1,440ドットである。OSはAndorid 6.0で、4G LTE/WiMAX 2+をサポート、IP5Xの防塵機能を実現している。
HTC 10は、auの夏モデルとして販売され、今のところ他の販路での販売予定はないとのことだ。玉野社長の囲み取材において、HTCは、楽天モバイルなどに低価格なSIMロックフリー端末を提供しているが、HTC 10のようなフラッグシップモデルは価格も高くなるため、そうした販路には適していないというコメントが得られた。