Windows 10カウントダウン

史上最大のアップグレード大作戦に備えよう

 公開まで、いよいよあと1週間となったWindows 10。現時点ではBuild 10240が最新だ。このビルドが最終リリース相当としてOEM各社にわたっているという話も聞こえてくる。今回は、カウントダウンの最終回として、本番直前の留意事項についてまとめておこう。

本番秒読み段階に入ったWindows 10アップグレード

 Insider Preview Build 10240のデスクトップには、これまで右下に表示されていたビルド番号やInsider Prevewであることに表示が見当たらない。また、ISOの提供は保留されているほか、以前のビルドであるBuild 10162、Build 10166は、Windows Updateによる更新ではこのビルドが見つからなくなっている。さらに、Build 10162 のISOファイルはプロダクトキーが無効になっていてアクティベイトできない状態だ。そして、Microsoftのサイトでも、Insider Previewの入手ができなくなっている。まさに本番秒読み段階だ。

 今、Windows 7/Windows 8/8.1環境では、タスクバーの通知領域にWindowsアイコンが表示され、予約を促しているはずだ。これについては前回に紹介した通りだ。

 とにかく少しでも早くWindows 10環境を手に入れたいのなら、このアイコンを使って予約しておきたい。適用するしないは後で決めればいい。とにかく予約はしておこう。なお、アップグレードが可能なのは、Windows 7 SP1またはWindows 8.1 Update の両環境だ。それ以前のWindows環境は、最新の状態になるまでWindows Updateを繰り返して更新を適用しておこう。

Windows 10 Build 10240のデスクトップ右下には、Preview であることを示す表示がなくなった
スタートメニューはこんな感じに。とりあえずWindows 7のユーザーも大きなとまどいはないはず
winverによるバージョン表示にもプレビュー版であることの表示はない

アップグレードは段階的に

 正式リリース日は7月29日だ。Microsoftによれば、これは地域ごとのローカルタイムということで、世界中のWindowsが一斉にアップデートされるわけではない。時差の関係で日本でのアップグレード開始はかなり早いタイミングとなる。

 日本時間の7月29日午前0時になったところで、まずInsider Programの参加者に対してアップデートの配布が開始される。Insider ProgramはMicrosoftアカウントと紐付けされているが、そのアカウントで利用しているWindows環境全てというわけではなく、既にインストールされたInsider Preview環境に対してアップグレードが行われるようだ。

 一方、タスクバーのWindowsアイコンで予約を完了し、最新のWindowsを使っているユーザーに対しては、その環境を元に、互換性の確認作業が進行中で、それが完了次第、登録したメールアドレスに対して準備完了の通知が届き、アップグレードができるようになる。

 アップグレードのサイズは約3GBということで、それをストレスなくダウンロードできる環境を用意して待とう。3GBというのはモバイル環境ではちょっとつらいサイズだ。速度はともかく契約によっては利用上限に達してしまう点に留意したい。

 予約ユーザーに対するアップグレードのタイミングとしては、Insider Program参加者へのアップグレードに続いて、ということになっているが、どのくらい待たなければならないのかは明らかにされていない。翌日かもしれないし、1週間後かもしれない。

 そして、それらの環境のアップデートの後に、非予約者環境へのアップグレードがスタートする。

PCベンダー各社の対応はどうか

 いずれにしても、メーカー製のPCを使っているユーザーは、自分のPCがWindows 10との互換性があるかどうか、メーカーがアップグレードを保証しているかどうかを確かめておこう。自作ユーザーについても各デバイスメーカーのサポートページを確認したい。また、メーカー製PCの場合はアップグレードをする前に、必ず、データのバックアップや工場出荷状態に戻すためのリカバリディスクを作成しておこう。

 今後1年間、無償アップグレードの対象となるWindowsのタイムラインを見ると、次のようになっている。

・2011年2月 Windows 7 SP1 一般向け提供開始
・2012年10月 Windows 8 一般向け提供開始
・2013年10月 Windows 8.1 一般向け提供開始
・2014年4月 Windows 8.1 Update 一般向け提供開始

 現時点で表明されている各社の対応の様子を見ると、Windows 8プリインストール機ならOKとしているところと、Windows 8.1であればOKと用心深いところに分かれるようだ。おおむね2013年の春夏モデル以降の機種であれば動作確認がされているようだ。当然、各社としては新しい製品から以前の製品に遡るようにして動作確認をしているはずで、今後、対象機種は増えていく可能性も高い。場合によっては制限付きで動作が確認されたり、比較的新しい製品であっても対象外となるものもある。

 現時点(7月21日)での各社の対応は次のようになっている。主要な情報ページをリストアップしておきたい。

・NECパーソナルコンピュータ
http://121ware.com/psp/PA121/NECS_SUPPORT_SITE/ENTP/h/?tab=SUP_Z_WIN10
http://121ware.com/navigate/support/win10/upgrade/pclist/

・富士通
https://azby.fmworld.net/support/info/20150626/?supfrom=top_info
http://www.fmworld.net/fmv/windows10/upgrade/

・東芝(2014年5月以降)
http://dynabook.com/assistpc/osup/windows10/step/index_j.htm
http://dynabook.com/assistpc/osup/windows10/target/index_j.htm

・パナソニック
http://askpc.panasonic.co.jp/win10/up/

・エプソンダイレクト
http://shop.epson.jp/pc/other/win/win10/upgrade/

・日本HP
http://www8.hp.com/jp/ja/ad/windows-10/coming-soon.html
http://www8.hp.com/jp/ja/hp-news/press-release.html?id=2005844

・デル
http://www.dell.com/support/contents/jp/ja/jpdhs1/category/Product-Support/Self-support-Knowledgebase/Windows-Operating-Systems/windows-10-support/

・レノボ
http://support.lenovo.com/jp/ja/documents/ht103469
http://support.lenovo.com/jp/ja/documents/ht103535
http://support.lenovo.com/jp/ja/windows-support

・ASUS
なし

・日本エイサー
http://www.acer.com/windows10now/ja_JP/

・ソニー
http://www.sony.jp/support/vaio/windows/10/

・VAIO
https://support.vaio.com/windows/10/

複数のブランチでリリースされていく最新のWindows 10

 Microsoftでは、Windows 10が最後のメジャーアップデートとなるとしている。いっそのこと「10」も外してしまいたい心境なのだろう。いずれにしても、今後は、真新しいPCを買えばWindows 10搭載機となり、消費者が選択する際にどのビルドがプリインストールされているのか分からなくなってしまうだろう。

 おそらくはセットアップの段階でUpdateが走るなり、セットアップ完了後のWindows Updateで最新ビルド環境が構築されるのだろう。だから、いつPCを買ってもWindowsは最新というのが建前だ。逆に言うと、PCを出荷したベンダーは、プリインストールにもかかわらず、どのWindowsのビルドで使い始められるかが不定になってしまう可能性がある。そこで不具合が出たら致命的だ。

 だからこそ、カジュアルなアップデートで不具合が出ないように、ベンダーはビルドごとに既存機種での互換性をチェックして、どの段階までのUpdateを許可するかしないかを決める必要が出てくるはずだ。Updateの際のサポートをベンダー責任とするかMicrosoft責任とするかについても状況が変わってくる可能性がある。

 なお、Insider Programは今後も継続され、新しいビルドがリリースされるたびにWindows Updateを通じてアップデートされる。もちろん、セキュリティ更新や不具合の修正は定期的に提供される。

 今後のWindowsは、数百万人単位でのInsider Preview Branchと、数億単位でのCurrent Branch(CB)、企業向けのCurrent Buranch for Business(CBB)の3つのフェイズで新ビルドが提供されていく。

 一般ユーザーが受け取るCBについては、Windows Updateによる更新で年に2〜3回と、Insider Preview Branchより更新頻度は低い。そこには新機能や機能向上アップデートが含まれる。一方、企業向けのCBBはCBの約4カ月後のリリースとなり、CBを使って管理者が互換性などを検証することができる。

新連載に乞うご期待

 2014年10月からスタートしたこのカウントダウン連載だが、7月29日の公開を目前に、ここでいったん終了とする。次回からは、「Windows 10 ユーザーズワークベンチ」として新たな連載を開始することになった。

 既に書いたように、Windows 10のCBは年に2〜3回のリリースとされているが、それに先だってInsider Previewでの評価のために頻繁にビルドが更新されることになっている。その様子をレポートしながら最新の環境について紹介していくことにしたい。

 公開直前となって、さらに数回更新が適用され、これでほぼ完成という印象の強いBuild 10240だが、特に新アプリについては納得のいかない部分も少なくない。

 例えば新しい「Grooveミュージック」は、OneDriveとの統合でクラウドにあるiTunesのプレイリストや楽曲の再生ができることになったが、蓋を開けてみたらローカルストレージに同期したファイルしか対象とならない。タブレットのような貧弱なローカルストレージしか持たない環境でも、パーソナルクラウドからオンデマンドで楽曲をストリーミング再生できてこその統合だと思うが、今のOneDriveの仕様ではそれができない。同期を指定したファイル、フォルダしか見えなくなっているからだ。その制限を回避できてこその統合だと思うのだが、それができていない。8.1環境のXbox Musicでできていたことができなくなっている。

 いろいろな意味で先が楽しみ、そして不安なWindows 10。気長に付き合っていきたい。

直近のアップデート履歴。10240が公開された7月15日以降はセキュリティ関連のみの更新
納得がいかないGrooveミュージックの仕様。ちっともOneDriveと連携していない

(山田 祥平)