PC短評

ケーブル1本で動く極小デスクトップ、レノボ「ThinkCentre M90n-1 Nano」

ThinkCentre M90n-1 Nanoと付属マウス

 レノボ・ジャパン株式会社は7月、ビジネス向けの小型デスクトップPC「ThinkCentre M90n-1 Nano」を発売した。今回、同社より製品をお借りできたのでレビューを行なっていきたい。

 ThinkCentre M90n-1 Nanoは、ThinkCentreシリーズ史上最小の容積350mLという筐体サイズ(179×88×22mm/幅×奥行き×高さ)が特徴のデスクトップPC。重量は最大構成で約510g。別売のアクセサリとしてVESAマウントやDINマウント用のブラケットなども用意されている。

 小型筐体ながら、USB 3.1×6(2基Type-C)、DisplayPort、Gigabit Ethernet、Wi-Fi(アンテナ付属)、Bluetooth、音声入出力を備えるなど、デスクトップPC相応のインターフェイスを備える。

 付属の65W ACアダプタによる給電が標準だが、Type-CポートによるUSB PD動作にも対応。DisplayPort Alt-modeもサポートするため、USB PD給電対応ディスプレイと組み合わせれば、Type-Cケーブル1本で利用できる。USB接続のマウスと109A日本語フルサイズキーボードも付属する。

本体
前面
背面
底面
本体と付属マウス、キーボード
「Think」ロゴの赤LEDも健在
USB PDでも動作を確認した

 天面パネルと底面パネルともに着脱が可能で、天面はツールレス、底面はプラスネジ1本で固定されている。底面からはM.2スロット×2や無線モジュールにアクセスが可能。

 天面パネルについては、取り外しても金属フレームがむき出しになるのみで、とくにパーツにアクセスできる仕様にはなっていないようだ。ただし、稼働中にパネルを取り外してみると、フレームが相応の熱を持っていたため、ヒートシンクなどを別途設置すれば放熱性は向上しそうだ。

天面パネル取り外し時
底面パネル取り外し時

Whiskey Lake最上位CPUを選択可能

 今回借用したモデルでは、Whiskey Lake最上位SKUとなる4コア/8スレッドの「Core i7-8665U(1.9GHz/Intel UHD Graphics 620内蔵)」と、DDR4-2666メモリ16GBを搭載。ストレージにはSamsung製256GB NVMe SSD「MZVLB256HBHQ-000L7」が搭載されていた。OSはWindows 10 Proで、同構成の直販価格は10月時点で185,900円。

 総合ベンチマークソフトとして「PCMark10」を実行したところ、総合スコア4,326を記録。詳細スコアは、Essentialsが9,390、Productivityが7,258、Digital Content Creationが3,225となった。

 同CPUを搭載する14型2in1「ThinkPad X1 Yoga」は、弊誌レビューで総合スコア4,238を記録しており、M90n-1 Nanoが同等以上の性能を発揮していることがわかる。

 ベンチマーク実行中は、CPUクロックは全コア負荷時で2.4GHz前後、最大で4.68GHzと、仕様上の上限ブーストクロック(4.8GHz)付近まで上昇している。動作動作温度はCPUが94℃、GPUが92℃を記録し、ノートPCなどと同程度の温度となっていた。

 もう少し温度が低いと嬉しいところだが、人の話声や空調などの騒音があるオフィス環境での検証ではあるが、耳につく動作音もなかったため、騒音とのバランスを考えれば相応の冷却性能と言えるだろう。

PC Mark10の実行結果

 短期間の試用ではあったが、ThinkCentreブランドの製品として、「ハイエンドモバイルPCと同等の中身で可能な限り筐体を小さくしたデスクトップ機」というコンセプトを体現した製品になっていると感じた。

 小型PCでそれなりの性能がほしいというユーザーにオススメしたい。