西川和久の不定期コラム

日本HP「HP Officejet Pro 8620」

~FAX対応インクジェットA4複合機の最上位モデル

日本HP「HP Officejet Pro 8620」

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、ビジネス用のA4インクジェット複合機、「HP Officejet Pro 8620」と「HP Officejet Pro 8610」の2機種を6月26日から発売した。編集部から上位機種が送られてきたので、試用レポートをお届けする。古いモデルになるが、筆者は「HP Officejet Pro 8500A Plus」のユーザーなので、その違いも気になるところだ。

同社の最上位モデルとなるA4インクジェット複合機

 6月に発売されたのは「HP Officejet Pro 8620」と「HP Officejet Pro 8610」の2機種。違いは印刷速度、液晶サイズ(どちらもタッチ対応)、NFCの有無、ADFの両面対応となる。

 「HP Officejet Pro 8620」は、A4カラー約16.5枚ppm/モノクロ約21ppmで印刷可能で、4.3型液晶、NFC機能、両面対応ADFを搭載している。「HP Officejet Pro 8610」は、A4カラー約14.5ppm/モノクロ約19ppmとなり、液晶は2.65型。NFC、ADFの両面には非対応だ。

 印刷速度に関してはカラーもモノクロも2ppmの違いなので大量に印刷しない限りさほど気にならないものの、液晶パネルが4.3型か2.65型かは、どちらもタッチ対応なだけに操作性に影響しそうだ。またADFが両面に対応しているかどうかの差も大きいだろう。価格は32,900円(税別)と25,300円(同)。7,600円(同)の差額となる。今回試用するHP Officejet Pro 8620の仕様は以下の通り。

日本HP「HP Officejet Pro 8620」の仕様
最高解像度4,800×1,200dpi
インクインク4色(CMYK)、独立型インク/顔料系
ノズル各色1,376
印刷速度A4カラー約16.5枚ppm/モノクロ約21ppm
給紙容量A4:最大250枚(普通紙)
用紙サイズA4~A6、B5、封筒、はがき、往復はがき、写真(L判/2L判)など
液晶ディスプレイタッチ対応4.3型
ADF普通紙(60~105g)自動両面/50枚、A4/レター/リーガル、両面スキャン対応(2パス方式)
スキャナ部センサー:CIS、原稿サイズ:A4、リーガル、解像度:1,200×1,200dpi、カラー階調:最大24bit
インターフェイスUSB 2.0×2(PC接続用×1/ストレージ接続用×1)、10BASE-T/100BASE-TX、IEEE 802.11b/g/n
FAX機能Super G3対応
対応OSWindows XP/Vista/7/8/8.1、Mac OS X
サイズ499.3×468.9×314mm(幅×奥行き×高さ)/約12.9kg
直販価格32,900円(税別)

 プリンタ部は、最高解像度4,800×1,200dpi。インクは4色CMYK独立で湿気などに強くにじみにくい顔料系が使われている。ノズル数は各色1,376だ。対応インクは、「HP 950 インクカートリッジ 黒 CN049AA」、「HP 950XL インクカートリッジ 黒(増量) CN045AA」、「HP 951XL インクカートリッジ シアン(増量) CN046AA」、「HP 951XL インクカートリッジ マゼンタ(増量) CN047AA」、「HP 951XL インクカートリッジ イエロー(増量) CN048AA」となる。

 印刷コストはA4カラーで約6.2円。同社の説明によると、レーザープリンタと比較して最大50%ランニングコストを低減するとしている(用紙含まず)。

 給紙容量はA4普通紙で最大250枚。用紙サイズはA4~A6、B5、封筒、はがき、往復はがき、写真(L判/2L判)など。

 ADFは先に書いた通り両面対応。ただし少し前にご紹介したキヤノン「MAXIFY MB5330」とは違い、CISが1つなので、一般的な2パス式となる。対応サイズは、普通紙(60~105g)自動両面/50枚、A4/レター/リーガル。スキャナ部は、CIS×1で解像度1,200×1,200dpi。カラー階調は最大24bitだ。

 インターフェイスは、USB 2.0×2(ストレージ接続用/全×1、PC接続用/背面×1)、10BASE-T/100BASE-TX、IEEE 802.11b/g/n、Super G3対応。SDカードリーダがないのは、ビジネス向けと割り切った仕様ということだろう。

 サイズは499.3×468.9×314mm(幅×奥行き×高さ)、重量約12.9kg。このクラスの複合機としては大き過ぎず小さ過ぎずと言ったところ。

 ソフトウェア的には、ルーターを経由せず直接無線LAN接続して印刷する「ワイヤレスダイレクト」、プリンタに割り当てられたメールアドレスに対し端末からメールを送信して印刷できる「HP ePrint」、iOSデバイスからプリントできる「AirPrint」、NFC経由で印刷する「NFCタッチtoプリント」、そしてキヤノン、HP、サムスン電子、ゼロックスが主メンバーとなっているモバイル印刷規格の「Mopria」に対応している。

 「NFCタッチtoプリント」は、「HP Officejet Pro 8610」がNFC非対応のため、「HP Officejet Pro 8620」固有の機能だ。

 管理機能としては、デバイス管理機能、アラート機能、ファームウェア更新機能、レポート生成機能、HP Open Viewとの連携などを装備した「HP Web Jetadmin」にも対応している。同社のサイトからダウンロード可能であるが、かなり業務的なアプリなので今回は省略したい。

前面。左下に電源ボタンとUSBポート。右中央付近に操作パネル
背面。右側に電話ライン(イン/アウト)、Ethernet、USBポート、電源コネクタ
給紙トレイと排出トレイ。給紙トレイは1段(最大A4普通紙250枚)。上に排出トレイがありカバーの替りになっているためホコリが入りにくい。排出トレイは3段階に引っ張り出す
操作パネル。タッチに対応した4.3型。角度は変更可能(写真は最大角度)。左横にNFCマーク
パネルを開けたところ。パネルを開けると後ろにあるLEDが光り、内部が見やすいよう工夫されている
原稿台。左奥が原点となる

 つやありブラックとつやなしブラックでデザインされた筐体は、いかにも複合機らしいルックスだ。基本的にビジネスモデルであるが、パーソナルユースで自宅に設置しても違和感のないデザインだろう。筆者の所有する「HP Officejet Pro 8500A Plus」と比較すると一回り大きくなっている。

 前面左下に電源ボタンと、USBメモリなどストレージ用のUSBポート、右中央に操作パネルがある。上部はADF、下部に給紙トレイと排出トレイ。給紙トレイはそのままでA4が収納可能だ。排出トレイは引っ張り出すと3段階に延びる。ADFの下側が原稿台で左奥が原点となっている。

 ほぼ中央に「NFCタッチtoプリント」用のアイコン、またこの部分と左側、そして操作パネルの下側が1枚のパネルで構成され、開けるとインクカートリッジにアクセスできる。見やすいように奥にLEDが仕込まれているのは技ありと言えよう。

 背面は右側に、電話ライン(イン/アウト)、Ethernet、USBポート、電源コネクタ。中央下にある両面印刷ユニットは約5cmほど出っ張っている。左右の側面にはコネクタやポート類はない。

コピー/ファクス/スキャン/Apps
写真/セットアップ/ヒント
文字入力

 操作パネルはタッチ式で4.3型とサイズも大きいため扱いやすい。第1階層は、2ページで構成され、1ページ目はコピー/ファクス/スキャン/Apps、2ページ目は写真/セットアップ/ヒントとなっている。メニューの並びは一般的に使用頻度が高いものから並べると思うが、FAXが2番目に来ているところは興味深い。

 文字入力はQWERTY配列でタッチ式なので簡単だ。また、パネルの左側にホーム/“?(ヘルプ)”/戻るのボタンがあり、必要に応じて表示/非表示と切り替わる。

 下の6つのアイコンは、「Webサービスの概要」、「HPワイヤレスダイレクトの設定」、「ワイヤレスの概要」、「ECO設定」、「ファクスステータス」、「推定インクレベル」の各機能を配置している。

Webサービスの概要
HPワイヤレスダイレクトの設定
ワイヤレスの概要
ECO設定
ファクスステータス
推定インクレベル

単独使用/コピー

 コピーは、部数(ダイヤル式/ダイレクト入力式)、片面の原稿・片面コピー/片面の原稿・両面コピー/両面原稿・片面コピー/両面原稿・両面コピー、濃度 -4~+4の設定がコピーホームで設定できる。基本操作は、原稿台かADFへ原稿をセットし、[モノクロ]か[カラー]のボタンをタッチすればコピーが始まる。

 左下の歯車のアイコンは設定で、さらに詳細な設定(両面/用紙サイズ/用紙の種類/薄く・濃く/品質/強調/HP修正コピー/部単位で印刷/サイズ変更/余白の変更/新しいデフォルトに設定)に対応可能だ。虫眼鏡のアイコンはプレビュー表示。ただし原稿台にある場合のみ有効で、ADFにある原稿は非対応となっている。

 ADFを使ったA4片面カラーコピーの動画を掲載したので、興味のある方は速度やノイズなどを確認して欲しい。ノイズに関しては(個人差はあるだろうが)許容範囲内だ。横揺れが少し気になるところか。

 なお、以前にご紹介したキヤノン「MAXIFY MB5330」の動画も含め、本当はもっと引いて撮影したいのだが、これ以上引くと、バック紙の外側が映り込んでしまうので、このサイズになっている。肝心の原稿やプリントの動きが部分的にしかお伝えできないが、このような事情なのでご理解いただきたい。

コピー(ホーム)
コピー設定
プレビュー(ADFの原稿はプレビューできない)
ADFを使ったA4片面カラーコピー

単独使用/ファクス

 FAXは、番号を入力し、[モノクロ]か[カラー]ボタンをタッチすれば送信できる。右のアイコンは上から、[BS]キー/発着信履歴/短縮ダイヤルの選択となる。

 歯車のアイコンでは、解像度/薄く・濃く/ファクス送信原稿/トレイ/ファクス用紙サイズ/新しいデフォルトに設定/ブロードキャストファクス/後でファクスを送信/ポーリング受信/ファクス設定の設定が可能だ。

ファクス(ホーム)
ファクス設定
短縮ダイヤルの選択

単独使用/スキャン

 スキャンは、スキャンホームに相当する部分で、コンピュータ/メモリデバイス/ネットワークフォルダ/電子メールと、スキャンデータの送信先をまず指定する。コンピュータはドライバのインストール(後述するHP Smart Printに含まれる)、ネットワークフォルダは事前に登録、電子メールはHPダイレクトデジタルファイリングの設定が、それぞれ必要となる。

 スキャン自体の設定は、ドキュメントの種類(PDFカラー・圧縮/カラーPDF/モノクロPDF/JPEGカラー/JPEGグレースケール/モノクロTIFF)、解像度(600/300/200/75dpi)、ファイル名の指定が可能だ。なお解像度600dpiは原稿台からのスキャンに限られている。

スキャンの送信先
ネットワークフォルダを選択
ネットワークフォルダにスキャン

単独使用/Apps

 「Apps」はプリンタ用のアプリを実行する仕掛けだ。最近では他社の同クラスでもアプリが動く仕掛けはあるが、同社の採用はかなり早く、2010年のモデルで初めて搭載されたと記憶している。

 標準でインストールされているアプリは、「Disney」、「Weathernews」、「教材印刷」、「クイックフォーム」、「DreamWorks」、「Origami」。掲載した写真は「クイックフォーム/ノート用紙」のもの。

 このクイックフォームはいろいろな用紙をプリントでき便利だが、ほかのサービス系については、それほど使われていないのか、日本HPのサイトを見ると、「筆まめ Online」、「ぐるなび レシピ」、「ぐるなび」は、すでにサービス提供を終了している。

 あくまで推測であるものの、スマートフォンが一般化し、わざわざ離れた場所にあるプリンタの軽快に動くとは言えないアプリで操作するよりも、手元からAirPrintやHP ePrintを使ってサクッと印刷した方が手っ取り早いため、利用頻度が下がったのだと思われる。

Apps(ホーム)
クイックフォーム
クイックフォーム/ノート用紙

単独使用/写真

 「写真」は、前面左下にあるUSBポートへUSBストレージデバイスを接続し、その中にあるデータを印刷もしくはスキャンデータを保存する機能だ。オプションの選択で「写真の印刷」と「メモリデバイスにスキャン」と2つ表示される。

 写真を選択すると、表示と印刷/パスポートサイズのボタンが表示される。表示と印刷はメディア内にあるJPEGファイルのサムネイルを一覧表示し選択、その後、サイズや用紙、枚数を設定、プレビュー/印刷という流れになる。パスポートサイズは印刷サイズで、用紙はL判/はがき/2L判/A4の設定が可能だ。

 以前、「HP Officejet Pro 8500A Plus」のレビューでも書いたが、対応しているデータはJPEGのみであり、PDFなどの文書ファイルは扱えない(メニューが写真なので当たり前だが)。機能を拡張し、PDFなども直接印刷できれば便利だと思うのは筆者だけではないだろう。

メモリデバイスの挿入
オプションの選択
写真

単独使用/設定

 設定は、プリンタのセットアップ/ネットワークのセットアップ/Webサービス/ファクス設定/トレイのセットアップ/電源管理/ツールを第1階層に配置。第2階層は、それぞれ非常に多いため一部の画面キャプチャのみ掲載し詳細は省略している。細かい設定などは、後述する組み込みWebサーバーを利用して、Webブラウザから操作した方が簡単だ。

セットアップメニュー
プリンタのセットアップ
ネットワークのセットアップ/接続済み
Webサービスの設定
ファクス設定
トレイのセットアップ
電源管理
ツール

PCでの使い勝手

 付属のCD-ROMで対応しているOSは、WindowsはWindows XP/Vista/7/8/8.1。Mac OS Xに関しては具体的なバージョンを表記せず、システム要件として、PowerPC G4、G5、Intel Core プロセッサ、256MB以上のメモリ、500MB以上のHDDと書かれている。PowerPCにも対応しているので、かなり古い機種でも接続可能だ。

 今回は事前にWi-Fiでの接続を済ませ、インストーラを起動した。またソフトウェアの選択で、ベースとなる「HP Smart Print」だけをチェックし、ほかはインストールしていない。一通り画面キャプチャを掲載したので参考にして欲しが、特に難しい部分はない。

インストーラー/接続
ソフトウェアの選択
ソフトウェアの選択/HP Smart Printのみ
パートナーソフトウェアの選択
インストールに関する合意事項と設定
インストール中
接続オプション(今回はワイヤレス)
ネットワークのチェック
ネットワークプリンタのインストール

 ここで興味深いのは、FAXの設定にかなりの工数を割当てていることだ。音声電話もこの電話回線で受信するのか、留守番電話/ボイスメールの使用、ダイアルアップモデム/ADSLモデムを接続するのかなどのチェックが必要となる。特にダイアルアップモデム/ADSLモデムは、現在日本国内においてはほぼ使われていないと思われるが、他国では現役のところも多く、グローバルな製品であることが分かる(付属の簡易マニュアルにも各国語で詳細な接続図が掲載されている)。

ファクスセットアップウィザード/ステップ1:ファクス設定
ファクスセットアップウィザード/ステップ2:音声とインターネットオプション
ファクスセットアップウィザード/ステップ3:セットアップ構成
ファクスセットアップウィザード/ステップ4:追加オプション
ファクスセットアップウィザード/ステップ5:概要
ファクスセットアップウィザード/ステップ1:概要/保存のみ

 FAXの設定まで終わると、アンケート、アクティブ化、製品の登録で作業は終了する。製品の登録が英語になっているのが気になるところ。

プリンタに関する情報
インストーラー/アクティブ化
Register your product(オンラインで続行)

 インストール後、デスクトップには「HP Officejet Pro 8620」と「サプライ品の購入」のショートカットが配置される。前者は「HPプリンタアシスタント」のパネルが開く。ここで気になるのは第1階層のフォントサイズや高さが合わず一部表示が切れていることだ。この現象は、今回テストに使用したThinkPadに限らず、筆者のメイン環境でも発生しており(どちらもWindows 8.1 Update)、修正して欲しいところだ。

デスクトップに追加されたショートカットとHPプリンタアシスタント
デバイスとプリンタ
HP Officejet Pro 8620(ネットワーク)印刷設定/レイアウト
HP Officejet Pro 8620(ネットワーク)印刷設定/用紙・品質
HP Officejet Pro 8620(ネットワーク)印刷設定/印刷ショートカット
スキャナのプロパティ

 HPプリンタアシスタントの「プリンタをWebに接続」は後述する“組み込みWebサーバー/Webサービス”、「基本設定」は“HP Officejet Pro 8620(ネットワーク)印刷設定/印刷ショートカット”、「プリンタのカスタマイズ」は“HP Officejet Pro 8620(ネットワーク)のプロパティ”、「プリンタのホームページ」は“組み込みWebサーバー/ホーム”、「ファクスセットアップウィザード」は先のセットアップ時と同様のウィザードが起動する。それ以外は、画面キャプチャを掲載した。

HPプリンタアシスタント/プリンタのメンテナンス
HPプリンタアシスタント/お使いのモバイルデバイスからの印刷
HPプリンタアシスタント/ドキュメントまたは写真のスキャン
HPプリンタアシスタント/スキャンしてメールウィザード
HPプリンタアシスタント/ネットワークフォルダにスキャン
HPプリンタアシスタント/コンピュータにスキャンの管理
HPプリンタアシスタント/ファクス送信
HPプリンタアシスタント/ファクス設定の管理
HPプリンタアシスタント/デジタルファックスセットアップ
現在、Androidには未対応のようだ

 今回売りとなっている「タッチ to プリント (NFC)」を使ってみようと、「Nexus 7(2013)」でタッチしたところ右のような画面となった。同社のサイトにある「使用方法とトラブルシューティング方法(Windows 8)」を見る限り、Windows 8/8.1のみの対応で、手元に該当するPCがなく試用できなかった。

 残念と言えば残念だが、NFCはプリンタに接触するほど近距離で操作する必要があり、スマートフォンやタブレットからはAirPrintやHP ePrintを使った方が便利そうだ。

 組み込みWebサーバーは、名前通り本体にWebサーバーが組み込まれており、本体に割り当てられたIPアドレスにWebブラウザからアクセスすると表示される。

 ホーム/スキャン/ファクス/Webサービス/ネットワーク/ツール/設定のメニューがあり、それぞれの確認や設定などができる。またホームに並ぶタブはカスタマイズ可能だ。

 ここでの筆者のお気に入りは「ファクス/HPデジタルファクス」だ。指定フォルダだけでなく、受信したデータを指定のメールアドレスに送信もできるのだ。少し前にご紹介したCanon MB5330は、フォルダには保存できるもののメールで送信する機能はなかった。

 この機能のおかげで、出先でもメールでFAXを確認でき、DMなど迷惑ファクスは削除、必要なものは受信フォルダに残し、いつでもどこでもアクセス可能と、非常に便利に使っている。

組み込みWebサーバー/ホーム
組み込みWebサーバー/スキャン
組み込みWebサーバー/ファクス
組み込みWebサーバー/Webサービス
組み込みWebサーバー/ネットワーク
組み込みWebサーバー/ツール
組み込みWebサーバー/設定
組み込みWebサーバー/[ホーム]タブのカスタマイズ

 さて今回、「HP Officejet Pro 8620」を試用して思ったのは、筆者が所有する「HP Officejet Pro 8500A Plus」とあまり違いを感じなかったことだ。もちろん速度など、ハードウェア的なスペックはかなり向上しているものの、(普段よく使う)ソフトウェア的な部分は大差ない。逆に言えば、もし「HP Officejet Pro 8500A Plus」が壊れても、そのままの使い勝手で乗り換え可能な安心感がある。


 以上のように日本HP「HP Officejet Pro 8620」は、同社のビジネス向けA4インクジェット複合機の最上位モデルだ。特筆すべき機能はないものの、長年の技術の積み重ねによって、ハードウェア的にもソフトウェア的にも完成度は非常に高い。安心してお勧めできるモデルと言えよう。

(西川 和久http://www.iwh12.jp/blog/