西川和久の不定期コラム

マウス「NEXTGEAR i630GA2-W81」

~Windows 8.1を搭載したゲーミングPC

 株式会社マウスコンピューターは、Windows 8.1のリリースに伴い、ゲーミングPCブランド「NEXTGEAR」シリーズでもWindows 8.1搭載機の出荷を開始した。編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けする。筆者にとっても初のWindows 8.1搭載機。興味津々でテストした。

Windows 8.1を搭載したゲーミングPC

 NEXTGEAR i630シリーズは、Z87チップセットを採用したゲーミングPCだ。また「ブロンズ」から「プラチナ」までに例えてクラスを分けているのも分かりやすい。

 ブロンズモデルは「NEXTGEAR i630BA2」、「NEXTGEAR i630BA2-SP」、シルバーモデルは「NEXTGEAR i630SA3」、ゴールドモデルは「NEXTGEAR i630GA2」、「NEXTGEAR i630GA2-SP」、「NEXTGEAR i630GA2-SP-VL」、そしてプラチナモデルは「NEXTGEAR i630PA2」がラインナップされている。CPUやGPUが主な違いだ。

 今回ご紹介するNEXTGEAR i630GA2-W81は、ゴールドモデルに該当しGeForce GTX 770を搭載した「NEXTGEAR i630GA2」のWindows 8.1インストールモデルとなる。主な仕様は以下の通りだ。

【マウスコンピューター「NEXTGEAR i630GA2-W81」の仕様】
CPUCore i7-4770(4コア/8スレッド、クロック3.4GHz/Turbo Boost 3.9GHz、キャッシュ8MB、TDP 84W)
チップセットIntel Z87 Express
メモリ8GB×1(最大32GB)/PC3-12800 DDR3、4スロット(空3)
HDD2TB(7,200rpm)
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
OSWindows 8.1(64bit)
グラフィックスIntel HD Graphics 4600、GeForce GTX 770(2GB)/DisplayPort×1、DVI-I×1、DVI-D×1、HDMI×1
ネットワークGigabit Ethernet
その他USB 3.0×4(前面×2、背面×2)、USB 2.0×6(前面×2、背面×4)、PS/2×1、音声入出力、マルチカードリーダ×1
拡張スロットPCI Express x16×2(x16動作×1、x4動作×1)、同x1×2
拡張ベイ3.5インチベイ×5(オープン×1/空き×1、シャドウ×4/空き×3)、5インチベイ×2(空き1)
電源700W(80PLUS GOLD)
サイズ/重量190×543×450mm(幅×奥行き×高さ)/約10kg
価格154,350円(期間限定で5,250円オフ)

 プロセッサはCore i7-4770。4コア8スレッドでクロックは3.4GHz。Turbo Boost時3.9GHzまで上昇する。チップセットはIntel Z87 Express。Haswellに対応しているチップセットとしては最新型になる。メモリは8GB×1。1枚なのでシングルチャネル作動になるが、スロット自体は4つで最大8GB×4の計32GBまで対応している。

 ストレージは7,200rpmの2TB HDDと光学ドライブとしてDVDスーパーマルチドライブを搭載。OSは先日リリースされたばかりの64bit版Windows 8.1だ。

 グラフィックスは、プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4600と、KeplerアーキテクチャでGPU Boost 2.0に対応したGeForce GTX 770(2GB)。後者の出力はDisplayPort×1、DVI-I×1、DVI-D×1、HDMI×1を備えている。

 その他のインターフェイスは、Gigabit Ethernet、USB 3.0×4(前面×2、背面×2)、USB 2.0×6(前面×2、背面×4)、PS/2×1、音声入出力、マルチカードリーダ×1。前面のUSBポートはPoweredとなる。eSATAがないものの、特に困る事はないだろう。

 拡張スロットは、PCI Express x16×2(x16動作×1、x4動作×1)、同x1×2。拡張ベイは3.5インチベイ×5(オープン×1/空き×1、シャドウ×4/空き×3)、5インチベイ×2(空き×1)。

 電源は80PLUS GOLDに対応した700Wを搭載。サイズは190×543×450mm(幅×奥行き×高さ)、重量約10kg。今回の構成で154,350円。現在、期間限定の「今だけ5,250円オフの大幅値引き!! 秋のゲーマー応援キャンペーン!!」が実施中だ。

左側面に通気用のメッシュがある。右側には何もない
前面。ブラックを基本としてシルバーのアクセント。ゲーミングPCらしい雰囲気だ。電源をオンにするとシルバーの上側がブルーに光る
前面(パネルを開けたところ)。一番上にDVDスーパーマルチドライブ。また下から3段目のメッシュの部分に先のライトが仕込まれている
前面上にマルチカードリーダ、USB 3.0×2、USB 2.0×2、音声入出力。手前に電源ボタンもある
背面もブラック。マザーボードのバックパネルにあるコネクタは少な目
背面(アップ)。PS/2×1、USB 2.0×4、Ethernet、USB 3.0×2、音声入出力。GeForce GTX 770側の出力はDVI-D、DVI-I、HDMI、DisplayPort
内部(引き)。筐体がそれなりのサイズなので結構スッキリしている
内部(CPU周辺)。CPUの右側に4つのメモリスロット。内1つに8GBを装着。拡張スロットはPCI Express x16×2(x16動作×1、x4動作×1)、同x1×2
GeForce GTX 770(表)。巨大なファンが2つ
GeForce GTX 770(裏)。2レーン分を占有する
電源ユニットは80PLUS GOLDの700W
付属品。PS/2接続のキーボードと、USB接続のマウス

 サイズは190×543×450mm、重量約10kgのデスクトップPCなので、それなりに存在感があり、できれば机の下に設置したいところ。

 前面は光沢のあるブラック(一部シルバー)のパネルで覆われ、その後ろに光学ドライブなどがある。電源オンにすると、シルバーの上の部分がブルーに光り、雰囲気を盛り上げている。

 前面の上に、マルチカードリーダ、USB 3.0×2、USB 2.0×2、音声入出力。その手前に電源スイッチがある。この部分のUSBポートはPoweredタイプで、本体の電源がオフでもスマートフォンなどを充電可能だ。左側面には通気用のメッシュが、右側面には何もない。

 背面は、PS/2×1、USB 2.0×4、Ethernet、USB 3.0×2、音声入出力。GeForce GTX 770側の出力はDVI-D、DVI-I、HDMI、DisplayPort。マザーボードのバックパネルにあるディスプレイ関連のコネクタにキャップがされているものの、GeForce GTX 770と同時に使用可能だ。

 内部は、CPUの右側に4つのメモリスロット。内1つに8GBを装着済。拡張スロットはPCI Express x16×2(x16動作×1、x4動作×1)、同x1×2。PCI Express x1は3つ目のパターンが見えるが、スロット自体がないので使用できない。

 拡張ベイは、5インチが1つ、3.5インチが1つ使われている。まだ余裕があるので増設は容易だ。CPUやスロット周りも含め、内部的には極めて一般的なレイアウトであり、拡張性も高いと言えよう。電源ユニットは80PLUS GOLDの700W。

 ファンはCPU、背面、電源、そしてGeForce GTX 770に2つと、計5つあるため、結構煩いだろうと思っていたが、静音とまではいかないものの、意外と静か。これなら深夜自宅で起動しても全く問題にならないレベルだ。

HDD以外は高いレベルでバランスする高性能PC

 OSは64bit版のWindows 8.1。ストレージはHDDだが、Core i7とGeForce GTX 770の能力で極めて快適に作動する。

 初期起動時のスタート画面は、楽天gateway以降がプリインストールのソフトウェアとなる。最後のムービーメーカーとフォトギャラリーはデスクトップアプリだ。また、Windows 8.1から標準搭載のWindowsストアアプリは、メッセージングがなくなり、リーディングリストの追加など若干構成が変わっている。

 デスクトップは、同社の壁紙に変更、左側にショートカットが7つ追加されている。タスクバーのピン止めは特にない。

 HDDは、2TB/7,200rpm/64MBのTOSHIBA DT01ACA200が使われ、C:ドライブのみの1パーティション。約1.85TBが割り当てられ、空きは1.78TB。光学ドライブはHL-DT-ST DVDRAM GH24NS95、Gigabit EthernetはRealtek製となる。

 また先に書いた通り、デバイスマネージャのディスプレイアダプタでIntel HD Graphics 4600とGeForce GTX 770、2つの表示があることからも分かるように、同時に両方の使用が可能になっている。

スタート画面1。楽天gatewayまでがWindows 8.1標準
スタート画面2。ほとんどがWindowsストアアプリだが、最後の2つのみデスクトップアプリ
起動時のデスクトップ。CyberLink系、IntelとNVIDIA系のショートカットが並ぶ。Windows 8.1になってタスクバーの左端にWindowsボタンが追加された
デバイスマネージャ/主要なデバイス。光学ドライブはHL-DT-ST DVDRAM GH24NS95、HDDは2TB/7,200rpm/64MBのTOSHIBA DT01ACA200。Gigabit EthernetはRealtek製。ディスプレイアダプタはどちらも同時に使用可能
HDDのパーティション。C:ドライブのみの1パーティション。約1847GBが割り当てられている

 プリインストールのソフトウェアは、Windowsストアアプリは、「Fresh Paint」、「Hulu」、「NAVITIME」、「R25 for Windows 8」、「SUUMO」、「ヤフオク」、「クックパッド」、「じゃらん」、「ホットペッパー」、「ポンパレ」、「ムビチケ」など。Windows 8.1になったからといって、この辺りに特別変わったものは見られない。

アプリ画面1
アプリ画面2
ヤフオク
Hulu
ホットペッパーグルメ

 デスクトップアプリは、「CyberLink Media Suite」、「CyberLink PhotoDirector 4」、「Intel系ツール」、「NVIDIAツール」、「マカフィーセキュリティセンター」。CyberLinkのマルチメディア系と、各デバイスのツール系で構成され、特に本機専用のものはない。

NVIDIA コントロールパネル
CyberLink Media Suite
CyberLink PhotoDirector 4

 ベンチマークテストはWindows 8.1からWindows エクスペリエンス インデックスがなくなったため同等の結果が得られる、「winsat formal」コマンドを実行後、C:\Windows\Performance\WinSAT\DataStoreの下に収納されているxxxx-xx-xx xx.xx.xx.xxx Formal.Assessment (Recent).WinSATの情報を掲載する。

 PCMark 7は既にWindows 8.1にも対応したPCMark 8があるものの、スコアの互換性がないため、当面は7のまま様子をみたい。またCrystalMarkの結果も掲載した(今回は4コア8スレッドと条件的に問題があるので参考まで)。

 winsat formalの結果は、総合 5.9。プロセッサ 8.3、メモリ 8.3、グラフィックス 8.5、ゲーム用グラフィックス 8.5、プライマリハードディスク 5.9。PCMark 7は4134 PCMarks。CrystalMarkは、ALU 89688、FPU 79269、MEM 65953、HDD 17389、GDI 23132、D2D 25993、OGL 43644。

 メモリが8GB 1枚でシングルチャネル作動になっている割には高スコアになっている。グラフィック関連はさすがGeForce GTX 770の性能と言ったところ。

 PCMark 7のスコアが低めなのはストレージの性能が原因だ。いずれにしてもメインのストレージがHDDで全体と釣り合わないため、SSDにすれば全体のバランスが非常によくなる。

winsat formalコマンドの実行結果。総合 5.9。プロセッサ 8.3、メモリ 8.3、グラフィックス 8.5、ゲーム用グラフィックス 8.5、プライマリハードディスク 5.9
PCMark 7。4134 PCMarks
CrystalMark。ALU 89688、FPU 79269、MEM 65953、HDD 17389、GDI 23132、D2D 25993、OGL 43644

 以上のようにNEXTGEAR i630GA2-W81は、Core i7-4770とGeForce GTX 770、そしてWindows 8.1を搭載したゲーミングPCだ。これだけの性能があれば、ゲーム以外に画像処理はもちろん動画編集用としても快適に運用可能だろう。

 ただメモリが1枚で8GB、ストレージはHDDと、他のコンポーネントと比較して、性能的に足を引っ張る要素が含まれているので、できればBTOでメモリは2枚、ストレージはSSD+HDD構成にしたいところ。いずれにしても最新OS PCを多用途にガンガン使いたいユーザーにお勧めできる1台と言えよう。

(西川 和久http://www.iwh12.jp/blog/