西川和久の不定期コラム

日本エイサー「Chromebook CB3-111」

〜IEEE 802.11acに対応し、軽量・薄型化した11.6型Chromebook!

Chromebook CB3-111

 日本エイサーは2月12日、2014年11月より一般販売している「Chromebook C720」に続く2台目のChromebookとして、「Chromebook CB3-111」を発表した。2月25日からの販売に先駆け、編集部から実機が送られてきたので試用レポートをお届けしたい。

Bay Trail-Mを搭載しIEEE 802.11acに対応した新型Chromebook

 まだ一般販売していない2014年8月に同社のChromebook C720をご紹介しているが、その後、11月から他社も含めChromebookが一般販売開始になったのは皆さんご存知の通り。個人的には小型デスクトップタイプのChromeboxなども触る機会があり、Chrome OS自体の印象は悪くなく、結構好きな環境だ。

 ただ一昨年から盛り上がっている米国に対して、国内投入は消費税アップ、円安、Microsoftの0円Windows対策など時期がイマイチ。対Windowsとして考えた場合、ずば抜けて安いと言う印象が薄く、残念な部分だと思っている。

 このような状況の中、第二弾として同社から投入されたChromebook CB3-111の仕様は以下の通り。主にプロセッサの変更、IEEE 802.11ac対応、デザインの大幅な変更に加え、若干薄型・軽量になっている。

Chromebook CB3-111の仕様
プロセッサ Intel Celeron N2840(2コア/2スレッド、2.16Hz/バースト時2.58GHz、キャッシュ1MB、TDP 7.5W)
メモリ 4GB
ストレージ SSD 16GB
OS Google Chrome OS
ディスプレイ 11.6型(非光沢)、1,366×768ドット、タッチ非対応
グラフィックス プロセッサ内蔵Intel HD Graphics、HDMI×1
ネットワーク IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
その他 USB 2.0×1、USB 3.0×1、SDカードリーダ、Webカメラ、音声入出力
バッテリ駆動時間 約8.5時間
サイズ    重量 299×202×18.65mm(幅×奥行き×高さ)/約1.1kg
税別店頭予想価格 35,000円前後

 プロセッサはBay Trail-MのIntel Celeron N2840。2コア2スレッドで、クロックは2.16Hzから最大2.58GHz、キャッシュが1MBでTDPは15Wだ。Chromebook C720では、HaswellのIntel Celeron 2955U(2コア/2スレッド、クロック 1.4GHz、キャッシュ2MB、TDP 15W)だった。

 クロック的にはCeleron N2840の上だが、アーキテクチャが異なり、またキャッシュの容量や搭載可能なメモリ(DDR3L-1333かDDR3L-1333/1600、LPDDR3-1333/1600)などの違いなども関係し、性能は後述するGoogle Octaneの値が若干低い。メモリは4GB、ストレージはSSDで16GBを搭載している。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics。外部出力用としてHDMIを装備。ディスプレイは非光沢の11.6型、解像度は1,366×768ドットでタッチには非対応となる。

 インターフェイスは、IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0、USB 2.0×1、USB 3.0×1、SDカードリーダ、Webカメラ、音声入出力。冒頭に書いたようにIEEE 802.11acへの対応が強化部分だ。

 サイズは299×202×18.65mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.1kg。Chromebook C720が288×204×19.05mm(同)、約1.25kgだったので、若干薄く、また軽くなっているのが分かる。

 バッテリ駆動時間はどちらも約8.5時間。税別店頭予想価格は35,000円前後と、Chromebook C720より約5,000円高くなっている。Windowsの8型タブレットは3万円を切るものも出てきているが、11.6型ノートPCとしては安価な方となるだろう(ただし、HP Stream 11-d000は同じ11.6型でプロセッサもIntel Celeron N2840、2GB/32GB、約1.26kgで税別25,800円と例外的な機種もある)。

液晶パネル中央上にWebカメラ。正面側面などにステータスLEDは無くスッキリしている
底面は左右のメッシュにスピーカー。メモリなどにアクセスできる小さいパネルは無い
左側面にはUSB 3.0、SDカードリーダを備える。液晶パネルは結構傾けることができる
キーボードは10キー無しのアイソレーションタイプ。スペースキーの左右に「英数」と「かな」キーがあり、Macに近い。ただBSやEnterキーに隣接して「\」や「]」キーがあるのが個人的には不満
右側面にはロックポート、USB 2.0、音声入出力。結構薄いことが分かる
背面にはHDMI出力と電源入力。机の上などでデスクトップPC的に使う時、この位置なら邪魔にならない
キーピッチは実測で約19mm
重量は実測で1,087g。11.6型のノートPCとしては軽量級だ
ACアダプタのサイズは9.5×3.5×2.5cmで重量152g。コネクタはミッキータイプ

 筐体について、Chromebook C720はオーソドックスな(武骨な?)ノートPCと言う雰囲気だったが、Chromebook CB3-111は、全てプラスチックとは言え、ホワイトで薄く、また持った感じも軽く、全体的にスタイリッシュで好印象。作り自体も悪くない。

 液晶パネル中央上にWebカメラ、左側面にUSB 3.0、SDカードリーダー、右側面にロックポート、USB 2.0、音声入出力、そして背面にHDMI出力、電源入力を配置。特に背面にあるHDMI出力、電源入力は、机の上で作業する時など、ケーブル類が邪魔にならず扱いやすい。付属のACアダプタは、サイズ9.5×3.5×2.5cm、重量152gで特に小型・軽量ではない。

 11.6型の液晶パネルは、非光沢で映り込みが少なく長時間の作業でも眼が疲れにくい。明るさ・コントラストに関しては、以前Chromebook C720を見た時と変わらないが、若干色温度が低め(Chromebook C720は若干青みがかっており色温度が高かった)。ただIPS式液晶ではないので視野角が狭く、特に上下の見え方に差が出てしまう。見る位置に応じてパネルの角度を変更する必要がある。この点については価格相応といったところか。

 キーボードは10キー無しのアイソレーションタイプだ。たわみも無く、主なキーのキーピッチは19mmが確保されていので、入力しやすい。

 ファンクションキーは、Escキーの右横から11あり、順に、「戻る」、「進む」、「リロード」、「全画面切替え」、「ウィンドウ一覧」、「明るさ-」、「明るさ+」、「ミュート」、「音量-」、「音量+」、「電源」となっている。またCtrl+ウィンドウ一覧で画面キャプチャが可能だ。

 ただBSやEnterキーに隣接して「\」や「]」キーがあるのはどうにも気になる(右側が妙に密集している)。Chromebook C720の時にも同様の印象を持ったが、この部分に関しては何も変わっていない。個人の好き嫌いもあるだろうが、本機唯一のウイークポイントだ。

 タッチパッドは物理的なボタンが無い1枚プレートタイプとなっている。面積も広く、反応も良く、非常にスムーズに操作可能だ。

 ノイズや発熱、振動に関しては、試用した範囲では全く気にならないレベル。サウンドは左右のスピーカーの距離があるのでステレオ感もある。音質自体はカマボコレンジでそれなりだが、パワーは十分。動画や音楽はそこそこ楽しめる。

 約3.5万円と考えれば、全体的にうまくまとまっている印象だ。それだけにキーボード右側の密集度が惜しいところか。

Chrome中心ならWindowsと大差なく快適な環境

 Chromebook C720をご紹介した時、Chrome OSの特徴的な画面キャプチャを掲載しているので興味のある方は合わせてご覧頂きたい。基本的に同じなので、今回は(一部重複するが)それ以外の画面キャプチャを掲載している。

 ログイン後のデスクトップは、左端にスタートメニューに相当するアイコン、Chrome、Gmail、Google検索、Googleドキュメント、YouTubeのアイコンが並んでいる。右端には、コントロール系と通知系のパネルが閉じた状態で配置されており、ほとんどWindowsと変わらない雰囲気で、初めて操作する場合でも分かりやすい。

 標準搭載のアプリは、Chrome、ウェブストア、ヘルプ、Google検索、YouTube、Gmail、Googleカレンダー、Googleマップ、Googleドライブ、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleスライド、Google+、ハングアウト、ファイル、Google Play Books、Google Playムービー&TV、Google My Maps、Calculator、Google図形描画、カメラ、Google Keep、Chromeリモートデスクトップ、Google+フォト。

 一部 「Google Play Movies」が「Google Playムービー&TV」に表記が変わったり、Google図形描画が追加されたり、Gamesが削除されたりするなど、当時から少し変更されているものの、いずれも必要であればウェブストアから追加できる。

 拡張機能は、Calculator、Chromeリモートデスクトップ、Google Cast API、Google Keeps、Google Playムービー&TV、Googleスプレッドシート、Googleスライド、Googleドキュメント、Google+フォト、カメラ、ハングアウト通話が組込み済みだ。それぞれ有効/無効、削除(Google Cast APIを除く)が可能になっている。

 アプリにしても拡張機能にしても、Windows版やOS X版のChromeにもあるので、特に難しい部分は無い。

起動直後のデスクトップ
標準設定のメニュー1/2
標準設定のメニュー2/2
標準の拡張機能1/2
標準の拡張機能2/2

 Chromebook C720の時に掲載していない機能として、ウィンドウ一覧があげられる。これはF5キーに相当するキーを押すとご覧のように一覧表示になる。また「X」印をクリックするとアプリが終了する。ただWindowsやOS Xと違い、ほとんどはChromeの中だけで作業すると思われるので、それほど頻繁に使う機能ではないだろう。

 デスクトップ上で右クリックするとプロパティが表示され、その中に「壁紙を変更」の項目がある。デフォルトでも結構な枚数があり、加えてカメラで撮影した写真や任意の壁紙へ変更することが可能だ。

 もう1点、「ファイル」アプリは、クラウドにあるGoogleドライブと、ローカルのダウンロード、そしてUSBでマウントしたストレージを管理できるが、USBでマウントするファイルシステムはDOS以外にOS Xも可能だった。考えてみればベースがLinuxなので「なるほど!」と言ったところ。

ウィンドウ一覧(F5の位置にあるキー)
壁紙変更
USBメモリでマウントしたOSXのファイルシステムも認識している

 以前紹介したので書いていない部分では、Ctrl+Alt+Tで「crosh(shell)」が起動する。USB DAC/USB Ethernetやオフラインで作動可能なアプリなども、もちろん同様に機能する。

 Chrome OS関連で少し前に話題になったこととして「Chrome OSウィンドウ内でLinuxが動く」(このキーワードで検索すれば該当サイトは直ぐ見つかる)ハックが挙げられる。

 デバイスをデベロッパモードで起動した上でソフトウェアをインストールする必要があるが、今回はお借りしているマシンなので試すのを見送った。ウィンドウの中でUbuntuデスクトップ環境がそのまま動作する。こうなるとChrome OSを搭載したChromebookやChromeboxは、(特に開発者にとって)かなり魅力的な環境となる。実機を購入手したら是非試してみたいと思っている。

Google Octane 2.0の結果
標準搭載の動画再生アプリ(テストは全画面表示)

 ベンチマークテストは簡易なものになってしまうが、Google Octane 2.0を使用した。結果は8,052。Chromebook C720が11,431だったので若干遅い。ただ最近多く出回っているAtom Z3735F搭載の8型タブレットは3,500前後なので、倍以上速く、これだけ違うとJavaScriptを多く使っているサイトなどでは体感速度的にも差が分かる。

 バッテリ駆動時間に関しては、USB 3.0対応のUSBメモリへ動画データを入れてUSB3.0ポートへ接続、輝度50%、音量50%で、付属の動画再生アプリを使い全画面再生したところ、1時間で13%、3時間で40%減となった。「Chromebook C720」の10%減/時より若干短そうだ。

 以上のようにエイサーのChromebook CB3-111は、Intel Celeron N2840、4GB/16GB、そして非光沢の11.6型1,366×768ドットの液晶ディスプレイを搭載し、約1kgの薄型Chromebookだ。Chromeブラウザ内で使用する分には、Windows環境と大差なく、快適に操作できる。新たにIEEE 802.11acに対応したのも魅力的。

 唯一キーの並びが一部気になるものの、安価でネット中心用途のノートPC、もしくはChrome OSを試してみたいユーザーにお勧めできる1台と言えよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/