西川和久の不定期コラム

ソニーモバイル「Xperia Z2 Tablet」

〜10型以上のWi-Fi対応タブレットとして世界最薄/最軽量!

 ソニーモバイルコミュニケーションズは5月8日、「Xperia Z2 Tablet」を発表。5月31日に発売した。2013年4月から出荷されていた「Xperia Tablet Z」の後継モデルだ。編集部から本体とBluetoothスピーカードックが送られてきたので試用レポートをお届けしたい。

SoCにSnapdragon 801搭載

 冒頭でも触れたが、前モデルに相当するXperia Tablet Zが発表されたのは、2013年2月26日(出荷は4月13日から)。約1年でモデルチェンジしたことになる。前モデルは10.1型フルHDで厚み7mmを切り、重量500g未満の軽くて薄い筐体、搭載しているインターフェイスなど共通部分が多いものの、心臓部であるSoCはQualcomm Snapdragon S4 Pro(1.5GHz/クアッドコア、Krait/Adreno 320)だった。

 これ対してXperia Z2 Tabletは2世代違うSoC、2.3GHzでクアッドコアのSnapdragon 801を採用している。Krait 400(2.3GHz)とAdreno 330(550MHz)で構成され、メモリはLPDDR3-1866(14.9GB/sec)と、性能が大幅に向上した。

 ちなみに1世代前のSnapdragon 800は、最大CPUクロックこそ2.3GHzと同じだが、Adreno 330は450MHzと100MHz低く、メモリもLPDDR3-1600で12.8GB/secと帯域が狭かった。

 これだけ違うと、性能はかなりの違いがありそうだ。主な仕様は以下の通り。

【表】Xperia Z2 Tabletの仕様
SoC Snapdragon 801/2.3GHz(クアッドコア)
メモリ 3GB
ストレージ 16GB
OS Android 4.4
ディスプレイ 10.1型トリルミナスディスプレイ for mobile、
1,920×1,200ドット
ネットワーク IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0
その他 Micro USB(HML 3.0対応)、microSDカードスロット、
NFC、200万画素前面カメラ/810万画素背面カメラ、
音声出力、スピーカー、GPS
バッテリ 6,000mAh
その他 防水性能IPX5/8、防塵性能IP5X
サイズ/重量 約266×172×6.4mm(幅×奥行き×高さ)/約426g
直販価格 51,000円(税別)

 搭載メモリは3GB、ストレージは16GB。16GBモデルはソニーストア限定で販売される。Androidタブレットでメモリ3GBは現時点で最大級だ。また外部メディアとして、microSDカードにも対応する。ストレージは少ないものの、microSDカードが使えるので特に問題は無いだろう。

 OSはAndroid 4.4と最新版。マルチユーザーや制限付きユーザーに対応しているバージョンであり、例えば家族全員のアカウントを作り、リビングなどで共有したり、アプリやコンテンツを制限し子供と共有することもできる。この機能は現在iOSは非対応なので、Androidの優位性となる。

 インターフェイスは、IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0、Micro USB(MHL 3.0対応)、microSDカードスロット、NFC、200万画素前面カメラ/810万画素背面カメラ、音声出力、スピーカー、GPS。

 ディスプレイは、10.1型で高解像度/高輝度/広色域液晶と言った特徴を持つ、同社のトリルミナスディスプレイ for mobileを搭載。解像度はWUXGAの1,920×1,200ドットだ。Micro USBがMHLに対応しているため、MHL→HDMIケーブルを使えば、家庭用の液晶TVなどへ接続でき、大画面で楽しむことができる。

 サイズは約266×172×6.4mm(幅×奥行き×高さ)、重量約426gと、前モデルのXperia Tablet Zと比較して、0.5mm薄くなり、69g軽くなっている。防水性能IPX5/8(前モデルはIPX5/7)、防塵性能IP5Xにも対応する。バッテリは6,000mAhを搭載。

 カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色。ストレージ16GBモデルは直販限定で51,000円(税別)だ。

前面。中央上に前面カメラ、下の左右にある凹みにスピーカー
背面。向って右上に背面カメラ、その少し下にNFCマーク
下右側。下側面にヘッドフォン端子と、ドック端子。右側面には何も無い
上左側。上側面、カバーの下にMicro USBとmicroSDカードスロット。左側面に電源ボタンと、音声±ボタン
付属のUSB式ACアダプタ。約53×40×20mm(同)/39gと、かなりコンパクト
重量は実測で425g(iPad Airは475g)
iPad Airとの比較/フットプリント。奥行がほぼ同じで、幅はXperia Z2 Tabletの方が長い
iPad Airとの比較/厚み。ちょうどiPad Airの周囲にある銀色のフレーム分だけ厚みがある感じだ
オプションのBluetoothスピーカードックとACアダプタ。実測で281gと意外と軽い。手前に電源ボタン、電話ボタン、音量±、凹みにドックコネクタ、後ろに電源入力と音声入力、トップにペアリング用のNFC

 個人的には、iPad Airを初めて触った時、それほど軽いとも薄いとも思わなかったが、このXperia Z2 Tabletはとにかく薄くて軽い。数字の上では数mm/数十gの違いなのに、人の感覚とは不思議なものだ。掲載した比較写真からも分かるようにフットプリントの奥行はほぼ同じで幅が大きい(画面のアスペクト比は4:3と16:9)。

 前面は中央上に前面カメラ。下の左右にある凹みにスピーカーが埋め込まれているため音は前に出る形となる。背面は向って右上に背面カメラ、その少し下にNFCマーク。左側面は、左側面に電源ボタンと、音声±ボタン。右側面は何も無い。

 上側面には、カバーの下にMicro USBとmicroSDカードスロット。USBから充電する時、このカバーを開けるのが結構面倒なのだが、防水性能IPX5/8、防塵性能IP5Xのためなので、仕方ないところ。下側面にはヘッドホン端子と、ドック端子がある。厚みが6.4mmと言うこともあり、どのコネクタも結構ギリギリに収まっている感じだ。

 付属のUSB式ACアダプタは、約53×40×20mm(同)/39gと、かなりコンパクト。もちろん同種のACアダプタを使っても充電可能だ。ただし残量0%からのフル充電は結構な時間がかかる(4時間以上)。

 重量は実測で425g。iPad Airは実測で475gなので50gの違いとなる。大きさや厚みの違いは掲載した写真を参考にして欲しいが、確実にXperia Z2 Tabletの方が1レベル軽いとお分かり頂けるだろう。

 1,920×1,200ドットの10.1型トリルミナスディスプレイ for mobileは流石と言ったところ。明るさ、コントラスト、発色、視野角全てにおいて文句無し。タッチの反応も良好だ。特に原色系の彩度が高く、写真はもちろん、動画は見栄えが良い。

 振動やノイズが無いのはもちろんだが、発熱も試用した範囲では気にならないレベルに収まっている。サウンドはクオリティは高いものの、若干パワー不足。オプションのBluetoothスピーカードックなどと併用したいところだ。

 このBluetoothスピーカードック「BSX10」と本体とのペアリングはNFCを使って行なわれ、扱いやすい仕掛けになっている。281gと見た目より軽いものの、Xperia Z2 Tablet自体が超軽量級なので、安定して設置することが可能だ。充電器を兼ね、別途音声入力もある。実売価格は15,000円前後(税別)だ。

 他にもオプションとして、Bluetoothキーボードを備えるスタンド付きカバー「BKC50」、Bluetoothリモコン「BRH10」、スタンド機能付きブックレット風保護カバー「SCR12」などが用意されている。

 背面カメラは約810万画素の「Exmor RS for mobile」、前面カメラに約220万画素の「Exmor R for mobile」を搭載している。

 背面カメラを使い、明るいところと暗いところで撮影したサンプルをそれぞれ1枚掲載した。露出補正やホワイトバランス調整などは全く行なわずフルオートでの撮影だ。AFは結構速くタッチで思った位置にピタリと合わすことができる。

明るい場所。焦点距離 3mm、1,746×3,104ピクセル、F2.4、1/500秒、ISO40
暗い場所。焦点距離 3mm、1,746×3,104ピクセル、F2.4、1/16秒、ISO400

 ご覧のように今時のハイエンドスマートフォンと同レベルの写りだろうか。ただ筐体が大きいので、手ぶれしやすく、また写真に本体の影が写りこんでしまうこともある。この点は慣れの問題だが、個人的にはスマートフォンで撮影し、クラウド経由でデータを扱った方が楽だと思った。

ハイパフォーマンスに加えXperiaならではの使い易さ

 Androidのバージョンは4.4.2。少し前にNexus 7(2013)用に4.4.4が出たばかりなので、ほぼ最新版となる。4.4は本来ランタイムをARTへ切替え可能なのだが、Xperia Z2 Tabletで設定/端末情報/ビルド番号を7回連続タップで、開発者向けオプションメニューを表示できたものの、該当する項目(ランタイムを選択)は無かった。

 16GBのストレージは、初期起動時11.20GBが割り当てられ空きは10.51GB。音楽や動画など、容量を必要とするデータはmicrsoSDカードへ逃がしたいところか。

 5画面あるホーム画面で実際使われているのは3画面。ウィジェットとショートカットがうまく配置されている。なお、ウィジェットの追加は、ホーム画面の何もない部分を長押しするとメニューが現れる。

 画面右上辺りから下へスワイプで現れるクイック設定はカスタマイズに対応。設定/Wi-Fi/Bluetooth/位置情報/Throw/画面の自動回転/画面の明るさ/STAMINA/サウンド/機内モード/データの自動同期/NFC/スクリーンミラーリングといった項目をセットでき、ワンタッチでオン/オフ可能となる。セット可能な数は最大8つ。また別ウィンドで開くスモールアプリにも対応している。

ホーム画面1/3
ホーム画面2/3
ホーム画面3/3
ホーム/クイック設定/編集
ホーム/お気に入りバーとスモールアプリ
ホーム画面のカスタマイズ
ホーム画面のカスタマイズ/ウィジェット
ホーム画面のカスタマイズ/壁紙
ホーム画面のカスタマイズ/テーマ

 設定は、Wi-Fi/Bluetooth/データ使用/Xperia接続設定/その他設定(機内モード/NFC/Androidビーム/VPN)/個人設定/ホーム/音設定/画面設定/ストレージ/電源管理/アプリ/ユーザー/位置情報/セキュリティ/言語と入力/バックアップとリセット/セットアップガイド/自動同期/アカウントを追加/日付と時刻/ユーザー補助/印刷/タブレット情報……と、Xperia接続設定を除きほぼ標準のAndroidと同じだ。日本語用のIMEは「POBox Plus」を搭載している。

設定。システムの下に日付と時刻/ユーザー補助/印刷/タブレット情報の項目がある
設定/Xperia接続設定。Xperia固有の設定画面。ワンタッチ設定/Throw設定/スクリーンミラーリング/メディアサーバー設定/ワイヤレスコントローラ/MirrorLinkの開始/USB接続設定
設定/ホーム。シンプルホームとXperiaホームの2種類
設定/音設定。サウンドエフェクト/オーディオアクセサリー/USB経由のハイレゾオーディオ/音量、通知音/タッチ操作音/画面ロック解除時の音/操作時バイブレーション/起動音
設定/画面設定。X-Reality for mobile/画面の明るさ/ホワイトバランス/画面の自動回転/スリープ/スマートバックライト/スクリーンセーバー/フォントサイズ/タップして起動/通知LEDでお知らせ
設定/ストレージ。機器メモリー/SDカード/外部USBストレージ/その他(リモートシェア)
設定/電源管理。STAMINAモード/低バッテリーモード/バックグラウンドデータのキュー、電池使用量
設定/言語と入力。日本語として「POBox Plus」がセットされている
設定/タブレット情報。Androidのバージョンは4.4.2

 工場出荷時のアプリは」、「Chrome」、「Playストア」、「Eメール」、「WALKMAN」、「アルバム」、「ムービー」、「PlayStation Mobile」、「What's New」、「カメラ」、「Facebook」、「Socialife」、「YouTube」、「TrackID」、「カレンダー」、「連絡先」、「設定」、「アラームと時計」、「マップ」、「Video Unlimited」、「FMラジオ」、「スマートコネクト」、「リモコン」、「Gmail」、「Google+」、「写真」、「Google」、「音声検索」、「ハングアウト」、「ニュースと天気」、「ツール(電卓」、「バックアップと復元」、「ダウンロード)」、「Playムービー」、「Playブックス」、「Playニューススタンド」、「スケッチ」、「Xperia Link」、「PlayStation」、「OfficeSuite」、「TrackID TV」、「Sony Select」、「Wi-Fiチェッカー」、「更新センター」、「Playゲーム」、「Vine」、「テレビ番組表 TV SideView」、「Google設定」、「産経新聞」、「Skype」、「File Commander」、「電子書籍 Reader by Sony」、「Keep」、「Twitter」、「Pixlr Express」、「ドライブ」、「スポット便利帳」、「Box」。

 多過ぎず、少な過ぎず、Android標準アプリに加え、同社のオリジナル、そしてオフィス系とうまくまとめられている。

工場出荷時のアプリ1/2
工場出荷時のアプリ2/2

 先の設定では触れなかったが、設定の音設定ではサウンドエフェクト(ClearAudio+/サウンドエフェクト/ダイナミックノーマライザー)、画面設定ではX-Reality for mobile/ホワイトバランス、電源管理ではSTAMINAモードの追加と言った、同社ならではの拡張が行なわれている。ClearAudio+とサウンドエフェクトは排他式だ。

 音設定で注目したいのは「USB経由のハイレゾオーディオ」。USB接続の外部DACが必要となるが、ハイレゾオーディオにも対応している。この一点だけでも魅力的に思う人は多いのではないだろうか。

 バッテリに関しては各モードをオフにした状態でも待受け時間は結構長いが、加えてSTAMINAモードでは、画面オフ時にWi-Fiやアプリなどを停止し、バッテリを最大限持たす工夫がされている。この場合80日以上と「そこまでしなくても」的な日数が表示される。

サウンドエフェクト
ホワイトバランス
STAMINAモード

 アプリケーションもXperia固有のものを搭載している。スマートフォンのXperiaも含め共通になっているものが多く、Xperiaらしい楽しみ方使い方ができる。

 ミュージックプレーヤーのWALKMANはもちろん、個人的に気に入っているのはムービーだ。標準でDTCP-IPに対応しているため、別途Twonky Beamなどを購入する必要無く、nasneのライブチューナや録画した地デジをそのまま再生可能。動作も安定しており、安心して観ることができる。

 これらの独自アプリはGoogle Play経由ではなく、更新センターを使ってアップデートが配信されている。

WALKMANアプリ。表示も美しく、再生中も楽しめる
アルバム。ローカルの写真だけでなく、nasneなどLAN上の写真にも対応する
ムービー。標準でDTCP-IP対応
Playstation Mobile。同社独自のストア
What's New。音楽/映画/Playstationゲームの新着情報
TrackID。今聴いている曲のタイトルやアーティストを調べることができる
Video Unlimited。同社のプレミアムビデオ配信サービス
スマートコネクト。NFCやヘッドフォン、Bluetooth、充電器などを接続したときに、どのようなアクションをするかを設定できる
リモコン。赤外線で操作するリモコンになる。同社以外にもいろいろなメーカー/機器に対応する
スケッチ。タッチを活かしたお絵かきアプリ
更新センター。WALKMANなど、独自のアプリはGoogle Playではなく、ここから更新する
Xperia Link。Xperia同士の自動テザリング機能

 ベンチマークテストは、AnTuTuベンチマークとMOBILE GPUMARKを使用した。AnTuTuベンチマークの結果は(カッコ内はNexus 7(2013))、総合 34459(19943)。Multitask 6805(3349)、Runtime 3512(1135/ART)、RAM Operation 1653(1120)、RAM Speed 3152(1478)、CPU Int 3396(2280)、CPU Float 3733(2044)、2D 1609(1633/1280x1824)、3D 8358(5103/1280x1824)、Storage I/O 1606(1171)、 Database I/O 635(630)。ほぼ全ての項目でNexus 7(2013)と比較していかなり高いスコアとなっている。

 MOBILE GPUMARKはSCORE 5918。Fill Test 1045、High Polygon Model 308、Many Models 110、Per Vertex Lighting 1077、Per Vertex Lighting & Specular 1031、Per Pixel Lighting & Specular 814、Per Pixel Lighting & Specular & Normal Map 619、YEBIS Resolution 420x234 451、YEBIS Resolution 800x450 255、YEBIS Resolution 1,280x720 208。

 これからもわかるように、Facebookなど一般的なアプリはもちろんだが(逆にこの範囲であればNexus 7(2013)でも十分か)、3Dを使ったゲーム系に、そのパフォーマンスを発揮できそうだ。

AnTuTu 安兎兎ベンチマーク1/3。総合 34459。Multitask 6805、Runtime 3512、RAM Operation 1653、RAM Speed 3152、CPU Int 3396、CPU Float 3733、2D 1609、3D 8358、Storage I/O 1606、 Database I/O 635
AnTuTu 安兎兎ベンチマーク2/3。チャートでは4番目とかなり速いことが分かる
MOBILE GPUMARK。SCORE 5918。Fill Test 1045、High Polygon Model 308、Many Models 110、Per Vertex Lighting 1077、Per Vertex Lighting & Specular 1031、Per Pixel Lighting & Specular 814、Per Pixel Lighting & Specular & Normal Map 619、YEBIS Resolution 420x234 451、YEBIS Resolution 800x450 255、YEBIS Resolution 1280x720 208

 バッテリ駆動時間は、標準設定で、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オフ、輝度50%音量50%に設定、ローカルのHD動画を繰り返し再生したところ、残1%で13時間。かなり長時間再生可能だ。これだけ動けば用途的には十分と思われる。


 以上のようにXperia Z2 Tabletは、10.1型フルHDのAndroidタブレットだ。SoCにSnapdragon 801を採用しているため高性能。非常に美しいトリルミナスディスプレイ for mobile、動画の連続再生であれば12時間以上と、トップクラスのタブレットに仕上がっている。

 さらにサイズ約266×172×6.4mm(同)、重量約426gという軽量な筐体にも関わらず、防水性能IPX5/8、防塵性能IP5Xに対応。欠点らしい欠点も無く、全てにこだわった逸品だ。ハイエンドのAndroidタブレットを探しているユーザーにお勧めしたい1台と言えよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/