西川和久の不定期コラム

iiyama「14P1000t-C-TR」

〜5万円を切るタッチ対応14型2スピンドルノートPC

 株式会社ユニットコムは、新たなPCブランドとして「iiyama PC」を10月18日より展開を開始した。いろいろな機種がこのiiyama PCとして登場しているが、その中から、5万円を切ってタッチに対応した14型2スピンドルノートPCが編集部から送られて来たので、試用レポートをお届けする。

タッチ対応2スピンドルで5万円を切る価格

 現在、iiyama PCノートPCのラインナップは、11.6型/14型/15.6型5モデル/17.3型と、プロセッサやパネルサイズに応じて何機種か用意されている。価格も11.6型(Windows 7/Celeron 1037U/4GB/500GB)であれば39,980円からと非常に安い。

 ただし、多くはWindows 7を搭載しタッチ非対応のモデルであり、この記事を書いているタイミングでWindows 8.1を搭載しタッチ対応なのは、今回ご紹介する14型1台のみだ。主な仕様は以下の通り。

【表】iiyama「14P1000t-C-TR」の仕様
プロセッサ Celeron 1037U(2コア、クロック 1.8GHz、キャッシュ2MB、TDP 17W)
チップセット Intel NM70 Express
メモリ 4GB
ストレージ HDD 500GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
OS Windows 8.1 (64bit)
ディスプレイ 14型液晶ディスプレイ(光沢)、10点タッチ対応、1,366×768ドット
グラフィックス プロセッサ内蔵Intel HD Graphics、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力
ネットワーク Ethernet、IEEE 802.11b/g/n
その他 USB 2.0×3、100万画素Webカメラ、メモリーカードスロット、音声入出力、内蔵ステレオスピーカー
サイズ/重量 340×241×11〜27.4mm(幅×奥行き×高さ)/約2.1kg
バッテリ駆動時間 約4時間
価格 49,980円から

 プロセッサはCeleron 1037U。2コアでクロックは1.8GHz。キャッシュ2MB、TDPは17Wだ。チップセットはIntel NM70 Express。これからも分かるように、一世代前のIvy Bridgeアーキテクチャとなる。メモリは4GB、500GBのHDDとDVDスーパーマルチドライブを搭載する。OSは64bit版のWindows 8.1。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics。外部出力用として、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力を装備する。ディスプレイは、10点タッチ対応の14型を搭載。解像度は1,366×768ドットとなる。

 ネットワークは、有線LANはEthernet、無線LANはIEEE 802.11b/g/n。価格的に仕方ないかも知れないが、11acはまだしも、Gigabit EthernetやBluetoothに非対応なのは残念なところ。

 そのほかのインターフェイスは、USB 2.0×3、100万画素Webカメラ、メモリーカードスロット、音声入出力、内蔵ステレオスピーカー。今時のノートPCとして、USB 3.0が無いのは結構痛い。

 サイズは340×241×11〜27.4mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.1kg。フットプリントは14型なので平均的なサイズだが、高さ11〜27.4mmは薄い方だ。バッテリ駆動時間は約4時間となる。

 価格は49,980円からと、10型前後のタブレット並みに安く、タッチに対応したWindows 8.1搭載機としては最大の特徴と言える。その分、スペック的に削られた部分もあるが、2スピンドルでこの価格は魅力的だ。

フロント。液晶パネル上中央にWebカメラ、前側面に各種ステータスLEDとメモリーカードスロット
トップカバー。ヘアライン仕上げに見えるが金属ではない
斜め後ろから。バッテリを内蔵しているため後ろも比較的薄くスッキリしている
底面。パネル1枚で覆われ、メモリやストレージにアクセスできる小さいパネルは無い
左側面。電源入力、Ethernet、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、USB 2.0×2
キーボードはアイソレーションタイプ。テンキーが無いのでゆったりしている
右側面。ロックポート、DVDスーパーマルチドライブ、USB 2.0×1、音声入出力
キーピッチは実測で約19mm
ACアダプタのサイズは約85×35×25mm/重量150gと小型だ

 筐体はデザイン自体は悪くないものの、質感はトップカバーも含め価格なりだ。液晶パネル上中央にWebカメラ、前側面に各種ステータスLEDとメモリーカードスロット。左側面は電源入力、Ethernet、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、USB 2.0×2。右側面はロックポート、DVDスーパーマルチドライブ、USB 2.0×1、音声入出力を配置している。裏は1枚の大きいパネルで覆われ、メモリやストレージにアクセスできる小さいパネルは無い。

 バッテリは内蔵タイプで着脱ができない分、後ろはスッキリしている。また最厚部でも27.4mmはそれなりに薄く、各コネクタがギリギリに収まっている。ACアダプタは、サイズ約85×35×25mm、重量150gと小型だ。

 14型のタッチ対応液晶パネルは、IPS式ではないので視野角は狭い。また最大輝度は明るいものの、コントラストは浅く、発色も少し色温度が高いだろうか。サイズの割りに1,366×768ドットなのでドットも目立つ。価格的に無理できない部分なので割り切りが必要だ。10点タッチ自体は問題無くWindows 8.1を操作できる。

 キーボードはアイソレーションタイプでたわみも無く、またフットプリントの割りに10キーが無いのでゆったりしたレイアウトだ。ファンクションキーは[Fn]キーとのコンビネーションで機能キーとなる。タッチパッドは物理的なボタンが2つあり反応も良い。

 ノイズや振動、発熱に関しては、TDP 17WのCeleronを搭載し、筐体も大きいため、うまく処理できているのだろう。試用した範囲では特に問題なかった。サウンドは若干パワー不足で低音も弱い。付属のHD VDeckで調整は可能だが、それでもバランスはあまり良くない。

 安価な分、全体的に妥協しなければならなかった部分が多く見受けられるが、その制限の中でタッチ対応、2スピンドルとして無難にまとめた感じに仕上がっている。

パワー的にはBay Trail-Tのワンランク上

 OSは64bit版のWindows 8.1。安価ながらも10点タッチに対応しているので、Windows 8.xらしい使い方ができる。

 初期起動時のスタート画面は、アプリの追加は無く、Windows 8.1そのもの。逆にデスクトップは、いろいろなショートカットが置かれている。なお、Zoner Photo Studio 15に関しては、試用する場合にもメールアドレスの登録が必要で、今回は試していない。

 HDDは500GB/5,400rpm/キャッシュ8MBのSeagate「ST500LM012」。C:ドライブのみの1パーティションで約455GBが割り当てられ空きは440GB。DVDスーパーマルチドライブは「TSSTcorp CDDVDW SU-208DB」が使われていた。Wi-FiとEthernetはRealtek製だ。

スタート画面。Windows 8.1標準そのもので何も追加されていない
起動時のデスクトップ。壁紙を変更し、左側に大目のショートカットが並ぶ。Huluはサイトへのリンク
デバイスマネージャ/主要なデバイス。HDDは500GB/5,400rpm/8MBキャッシュのSeagate「ST500LM012」、DVDスーパーマルチドライブは「TSSTcorp CDDVDW SU-208DB」。Wi-FiとEthernetはRealtek製
C:ドライブのみの1パーティションで約455GB割り当てられている

 プリインストール済のソフトウェアは、Windowsストアアプリは1本も無く、これまで多くのノートPCを試用したが、結構珍しいケースだ。個人的には固有のアプリでもない限り、この方がスッキリして好感が持てる。

 またWindows 8.1から「タイルを縮小して表示」するオプションが追加されたが、この機能はメニューになかった。

アプリ画面1
アプリ画面2
「タイルを縮小して表示」のオプションが無い

 デスクトップアプリは、「Kingsoft Office」、「Norton Internet Security」、「HD VDeck」、「Zoner Photo Studio 15」、「ムービーメーカー/フォトギャラリー」、Intel系ツール、「Control Center」などがインストールされている。

 Control Centerは本機固有のもので、掲載した画面キャプチャからも分かるように、動作モード、明るさや音量などを調整できるパネルとなる。

HD VDeck
Kingsoft Office
Control Center

 ベンチマークテストはWindows 8.1からWindows エクスペリエンス インデックスが無くなったため同等の結果が得られる、「winsat formal」コマンドを実行後、C:\Windows\Performance\WinSAT\DataStoreの下に収納されているxxxx-xx-xx xx.xx.xx.xxx Formal.Assessment (Recent).WinSATの情報を掲載する。

 PCMark 7は既にWindows 8.1にも対応したPCMark 8があるものの、スコアの互換性が無いため、当面は7のまま様子をみたい。バッテリ駆動時間テストは従来通りとBBench。またCrystalMarkの結果も掲載した(今回は2コア2スレッドと条件的には問題ない)。

 winsat formalの結果は、総合 4.7。プロセッサ 5.9、メモリ 5.9、グラフィックス 4.9、ゲーム用グラフィックス 4.7、プライマリハードディスク 5.9。

 余談になるがAtom Z3740(Bay Trail-T)を搭載したASUS「TransBook T100TA」は、総合 4.1。プロセッサ 6.3、メモリ 5.5、グラフィックス 4.3、ゲーム用グラフィックス 4.1、プライマリハードディスク 6.1。多少上下があるものの、Celeron 1037Uの方がワンランク上と言えそうだ。

 PCMark 7は2133 PCMarks。CrystalMarkは、ALU 21136、FPU 18363、MEM 25817、HDD 12153、GDI 9571、D2D 5437、OGL 5961。Core iプロセッサ搭載機とは比較にならないが、ライトな用途であれば大丈夫だろう。

 BBenchは、省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オンでの結果だ。バッテリの残5%で18,362秒/5.1時間。仕様上の約4時間を大幅に超えた。ただし、バックライト最小では暗いので、実際はもう少し短くなると思われる。

「winsat formal」コマンド結果は総合 4.7。プロセッサ 5.9、メモリ 5.9、グラフィックス 4.9、ゲーム用グラフィックス 4.7、プライマリハードディスク 5.9
PCMark 7。2133 PCMarks
BBench。省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オンでの結果だ。バッテリの残5%で18,362秒/5.1時間
CrystalMarkはALU 21136、FPU 18363、MEM 25817、HDD 12153、GDI 9571、D2D 5437、OGL 5961

 以上のようにiiyama「14P1000t-C-TR」は、5万円を切った価格にも関わらず、10点タッチに対応したWindows 8.1搭載2スピンドルノートPCだ。安価なため、Gigabit EthernetやBluetooth、そしてUSB 3.0が無いなど、マイナスポイントもあるにはあるが、10型前後のタブレットと同価格帯でフルのWindows 8.1が使えるのは魅力的。

 安価でWindows 8.1を搭載したノートPCを探しているユーザーの候補になりえる1台と言えよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/