西川和久の不定期コラム

Intel「Celeron G1610」

〜Ivy Bridge最安モデルの実力を試す!

 1月20日、秋葉原でIvy Bridgeの新たな下位モデルが一斉に販売開始となった。Core i3が1種類、Pentiumが4種類、Celeronが3種類ある中、最安モデルとなるCeleron G1610(2.6GHz)を購入、気になるパフォーマンスをチェックした。

B75のマザーボードと合わせても1万円未満

 今回秋葉原に並んだ新しいIvy Bridgeは、Core i3-3210(3.2GHz)、Pentium G2130(3.2GHz)/G2020T(2.5GHz)/G2020(2.9GHz)/Pentium G2010(2.8GHz)、Celeron G1620(2.7GHz)/G1610T(2.3GHz)/G1610(2.6GHz)だ。

 後ろにTが付くSKUはTDPが35W、他は55W。キャッシュはCore i3とPentiumが3MB、Celeronが2MB。全て2コアだが、Core i3だけHyper-Threadingに対応し、4スレッドとなる。また、いずれもTurbo Boostには対応していない。

 AKIBA PC Hotline!によると実売価格は、Core i3-3210が11,480円、Pentiumが5,480〜8,780円、Celeronが3,980〜4,980円。今回はこの中で最も安価なCeleron G1610を購入した。Celeronを購入するのは、大昔はやったCeleron 300A(オーバークロックで450MHz、デュアルCPU構成にして遊ぶ)以来だ(笑)。

 手持ちで7シリーズのチップセットを搭載したマザーボードが無かったこともあり、合わせてGIGABYTE製のIntel B75 Expressチップセット搭載microATXマザーボード「GA-B75M-D2V(rev. 1.0)」も購入した。

 このマザーボードは、メモリは2スロット、PCI Express x16×1、PCI Express x1×2、SATA 6Gbpsなどに対応し、実売価格5,500円前後。Celeron G1610と合わせて1万円を切るため、コストパフォーマンスは抜群だと言えよう。

 ストレージとメモリは、(ちょっと古いが)手持ちのIntel製SSD「X25-M Mainstream (80GB)/SSDSA2MJ080G2C1」と、DDR3-1333の2GBメモリ×2を使い、ケースはMac miniがメインマシンになるまでの間使っていたものを流用した。このPCはCore 2 Quad Q9550を搭載し、Windows エクスペリエンス インデックスのプロセッサとメモリは7.3と、値だけ見るとまだまだ行けそうだが、既にアーキテクチャが何世代も古く、システムの消費電力も大きいため、入れ替えの対象となった。

BOX版Celeron G1610と付属のCPUクーラー。20日に秋葉原を見た範囲だと3,980円から4,200円程度で売られていた。既に結構売り切れている
一緒に購入したGIGABYTE GA-B75M-D2V(rev. 1.0)。Intel B75 Expressを搭載したmicroATXマザーボード。2012年11月発売と比較的新しい。5,500円前後の価格でCeleron G1610と一緒に購入しても1万円を切る
手元にあったSSD(SSDSA2MJ080G2C1)とDDR3-1333/2GBメモリ×2。SSDは旧タイプだが、HDDよりは高速だろう
マザーボード本体。メモリは2スロット、PCI Express x16×1、PCI Express x1×2、SATA 6Gbpsに対応
リアパネルインターフェイス。PS/2マウス/キーボード、ミニD-Sub15ピン、DVI-D、USB 2.0×4、USB 3.0×2、Gigabit Ethernet、音声入出力などを装備
Celeron G1610を取付けるところ。凹みがあるので間違った向きには入らない
旧メインマシンのケースへセット。メインマシンがMac miniになるまで使っていたCore 2 Quad Q9550のケースを流用。microATXなので問題無く入るが中はスカスカだ

 LGA775以来、この手のマザーボードでPCを組立てていないが、作業自体は非常に簡単。古いマザーボードを撤去する方が面倒なほどだ。Celeronの装着もソケットに凹みがあり、間違った方向へは絶対に入らない。手持ちのケースがATX対応で大きめなので、microATXだと内部はスカスカになる。

 SATAは白いコネクタのみSATA 6Gbpsに対応。ブルーの5基はSATA 3Gbpsとなる。中央上側にUSB 3.0のピンヘッダがあるが、今回用意したケースが古く、USB 3.0コネクタが無いため今回は未実装となった。

 笑い話としては、ケースから出ているスピーカーケーブルと、USB 2.0ケーブルが短くてマザーボードのコネクタに届かなかったことだ(一番奥にあるHDオーディオは届いたのに)。特に無くて困るものでもないので未結線のままにしている。

 またTDP 55WのCPUで、SSDのみ、ビデオカードなしと、プロセッサ以外熱くなる要因が少ないため、ケースのフロントとリアにあるファンは使っていない。季節も季節なのでCPU側のクーラーだけで十分冷えているようだ。

普段使いには十分なパワーに驚き

 OSはライセンスが余っていた64bit版Windows 7 Home Premiumを先にインストール、作動確認後、オンラインでWindows 8 アップグレード アシスタントからWindows 8 Proを購入した。

 今月末まで3,300円と安いが、2月1日からは27,090円と信じられない値上げとなる。Windows 7からアップグレードせずに、Windows 8プリンストール済みのPCを購入して欲しいという、日本マイクロソフトからのメッセージだろうか。なお、DSP版は価格変わらず、Windows 8で1万円程度、Windows 8 Proで15,000円前後となる。

 インストール自体は問題無く終了。初期起動時はグラフィックスやネットワークなど、多くのデバイスを認識しないが、マザーボード付属のCD-ROMからドライバーやツール類を一括インストールして完了となる。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics、Gigabit EthernetはRealtek製だ。2コア2スレッドなので、プロセッサには2つのCPUが見えている。

Windows 7初期起動時のデスクトップ
デバイスマネージャー/主要なデバイス

 もともとWindows 7で使う予定は無かったので、後述するベンチマークテストだけを動かし、即Windows 8 Proへアップグレードした。しかし、オンラインでアップグレード版のWindows 8 Proを購入するには、「Windows 8 アップグレード アシスタント」をダウンロード/実行して、環境をチェックしたのち決済するのだが、ここでちょっとしたトラブルに遭遇した。

 当初から購入価格が「39.99ドル」表記になっているのでおかしいなと思いつつ、「よくある話だな」とそのまま続けた。住所などを入力する画面で普通に漢字を使い名前などを入力。都道府県もなぜかUSの一覧になっていたが、これも適当に設定し、郵便番号を入れ、次へを押すと……ここで入力エラーとなった。すべて半角英数にし、郵便番号も通常のものでなく、エラーにならないよう適当に数字を入力したが、これでは当然決済するカードやPayPalの住所と合わずハネられる。他のWindows 7マシンで作業をしても結果は同じだった。

 ネットでいろいろ検索すると、どうやらWindows 8 アップグレード アシスタントは接続するネットワークの経路で国を判断しているようだ。筆者が使っている回線はUSENの光で、これがUSと認識されてしまったらしい。仕方なく別途管理している回線へVPNで接続、同じ作業を行なったところ、正常に入力が行なえた。この件、たまたま当たってしまうと、ある程度知識がないと解決は不可能だ。国の判別に他のロジックを使うなど、もう少し何とかならないのだろうか。

Windows 8 アップグレード アシスタント/価格が39.99ドルに
半角英数しか入らず、都道府県はUS
回線を切り替えて再度トライ。価格が3,300円。こちらが正解
Windows 8 アップグレード アシスタント/名前・住所など普通に全角でOK

 こうして無事Windows 8 Proが起動した。数時間この状態で触ったところ思った以上に作動が速い。先にWindows 7でベンチマークテストを行なっているので、ある程度の数値は分かっていたものの、使った感じがここのところレビューしたWindows 8搭載のノートPCと変わらないのだ。そこでベンチマークテストを実行したところ意外な結果となった。

Windows 8初期起動時のデスクトップ
デバイスマネージャー/主要なデバイス
EasyTune6。CPUなど各ステータスの表示及びチューンナップができる
@BIOS。ここからBIOSのアップデートを行なう
Windows Phone SDK 8.0。Hyper-Vを使ってWindows Phone 8 Emulatorが動く。Windows Phone 8 Emulatorを動かすにはWindows 8 Pro以上でSecond Level Address Translation(SLAT)をサポートするプロセッサが必要

 ベンチマークテストはWindows 7とWindows 8双方で、Windows エクスペリエンス インデックスとCrystalMarkの結果を見たい。

 Windows 7のWindows エクスペリエンス インデックスは、総合 4.9。プロセッサ 6.7、メモリ 5.9、グラフィックス 4.9、ゲーム用グラフィックス 6.3、プライマリハードディスク 6.4。CrystalMarkは、ALU 30350、FPU 24294、MEM 39106、HDD 26035、GDI 15135、D2D 2078、OGL 6763。

 Windows 8のWindows エクスペリエンス インデックスは、総合 5.1。プロセッサ 6.7、メモリ 5.9、グラフィックス 5.1、ゲーム用グラフィックス 6.2、プライマリハードディスク 7.4。CrystalMarkは、ALU 30344、FPU 26828、MEM 38662、HDD 25099、GDI 13604、D2D 1689、OGL 4831。

 CPU内蔵のIntel HD Graphicsなので、グラフィックスが低いのはいつものことだが、プロセッサは6越え、全体のバランスも悪くない。

 最近同じような値を見たな……っと思い調べたところ、Core i5-3317Uを搭載したデルの「XPS 12」は、Windows エクスペリエンス インデックスは、総合 5.4。プロセッサ 6.9、メモリ 5.9、グラフィックス 5.4、ゲーム用グラフィックス 6.4、プライマリハードディスク 8.1。CrystalMarkは、ALU 35636、FPU 33668、MEM 35459、HDD 38495、GDI 11628、D2D 1621、OGL 4313と、ストレージ以外酷似している。XPS 12はTurbo Boost対応で2コア4スレッドなので、使うソフトウェアなどによってベンチマークテスト以上の差があるだろうが、この2つの結果だけ比較する限り非常に近い感じだ。

Windows エクスペリエンス インデックス(Windows 7は最大7.9)。総合 4.9。プロセッサ 6.7、メモリ 5.9、グラフィックス 4.9、ゲーム用グラフィックス 6.3、プライマリハードディスク 6.4
Windows 7でのCrystalMarkは、ALU 30350、FPU 24294、MEM 39106、HDD 26035、GDI 15135、D2D 2078、OGL 6763
Windows エクスペリエンス インデックス(Windows 8から最大9.9へ変更)。総合 5.1。プロセッサ 6.7、メモリ 5.9、グラフィックス 5.1、ゲーム用グラフィックス 6.2、プライマリハードディスク 7.4
Windows 8でのCrystalMarkは、ALU 30344、FPU 26828、MEM 38662、HDD 25099、GDI 13604、D2D 1689、OGL 4831

 以上のようにIntel Celeron G1610は、約4千円とIvy Bridgeの中では最安値にも関わらず、ベンチマークテスト上はノートPC用Core i5-3317Uに匹敵するCPUパワーを持っていることがわかる。CPU性能について言えば、コストパフォーマンス抜群のプロセッサだと言える。

 Intel Quick Sync VideoやHyper-Threadingなど、絶対性能やグラフィックス回りの機能や性能などでは、上位のCoreシリーズに劣る部分もあるが、Core 2 Duoクラスのマシンと比較すると低消費電力で、最新のチップセットと組み合わせれば、SATA 6GbpsやUSB 3.0など、足回りも強化されている。少し古いアーキテクチャのPCのステップアップとして検討してみると良いだろう。

【お詫びと訂正】初出時に本CPUが「PCI Express 3.0対応」としておりましたが、正しくはPCI Express 2.0までとなります。お詫びして訂正させて頂きます。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/