西川和久の不定期コラム

デル「XPS 15」
〜抜群の質感で15.6型フルHD液晶パネル搭載2スピンドル



製品写真

 前回、14型の液晶パネルを搭載したUltrabook「XPS 14」の記事を掲載したが、今回は15.6型フルHD液晶パネル搭載の「XPS 15」をご紹介する。XPS 14と瓜二つのデザイン/質感の洗練されたノートPCだ。


●高性能でお洒落な2スピンドル

 6月26日に発表された「XPS」ブランドのノートPCは、前回ご紹介した14型液晶パネル搭載Ultrabookの「XPS 14」、そして今回ご紹介する15.6型フルHD液晶パネルを搭載した「XPS 15」の2機種。

 後者は、規格上Ultrabookでは無いものの、XPS 14と同じデザインで2スピンドルの割りに薄型。XPS 14よりサイズ的に余裕のある分、高性能/高機能となっている。

 モデルやBTOにより、プロセッサ、メモリ、ストレージ、光学メディア、ディスクリートGPUの構成は異なるが、今回届いたマシンの仕様は以下の通り。

【表】デル「XPS 15」の仕様
CPU Core i7-3612QM
(4コア/8スレッド、2.1GHz/Turbo Boost 3.1GHz、キャッシュ6MB、TDP 35W)
チップセット Intel HM77 Express
メモリ 4GB(DDR3 1,600MHz)
HDD 750GB+キャッシュSSD 32GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(スロットローディング)
OS Windows 7 Home Premium(64bit)SP1
ディスプレイ 15.6型液晶ディスプレイ(光沢)、1,980×1,080ドット(フルHD)
グラフィックス Intel HD Graphics 4000、GeForce GT 630M(1GB)、
HDMI出力、Mini DisplayPort
ネットワーク IEEE 802.11a/g/n、Gigabit Ethernet、Bluetooth 4.0
その他 USB 3.0×3(内1つがPowered USB)、SDカードスロット、
音声入出力、130万画素Webカメラ
サイズ/重量 371×249×23.2mm(幅×奥行き×高さ)/約2.6kg
バッテリ 65Whバッテリ/9セルリチウムポリマー
価格 149,980円

 プロセッサはCore i7-3612QM。4コア8スレッドでクロックは2.1GHz。Turbo Boost時3.1GHzまで上昇する。キャッシュは6MB。XPS 14に搭載していたIntel Core i7-3517Uとは違って、同じi7でも4コアとなる。ただしTDPは17Wに対して35W。液晶パネルのサイズも一回り大きくなっているので消費電力はXPS 14より大きそうだ。チップセットはIntel HM77 Express。メモリは4GB。最大16GBにまで対応する。OSは64bit版Windows 7 Home Premium SP1。

 ストレージは、Intel SRTによってRAIDが構成され、HDDは7,200rpmの750GB、SSDはキャッシュ用として32GB。またスロットローディングのDVDスーパーマルチドライブも搭載する。用途によっては、まだまだ光学メディアを必要とするケースもあるので、このクラスならあっても邪魔にならないだろう。

 グラフィックスは、CPU内蔵のIntel HD Graphics 4000に加え、GeForce GT 630M(1GB)を搭載。NVIDIA Optimusによりシームレスに切り換る。Intel HD Graphics 4000は全体的に性能が上がったとは言え、3D性能はディスクリートGPUと比較して低く、作動するソフトウェアに応じて切替わるこの仕掛けはなかなか有効だ。

 液晶パネルは光沢タイプの15.6型。解像度はフルHDの1,920×1,080ドットとなる。XPS 14は14型で1,600×900ドットだったので、サイズも解像度も一回りアップとなる。ただしXPS 14では400cd/平方mの明るさに対して350cd/平方mと若干暗い。出力はHDMIとMini DisplayPortの2系統。

 ネットワークは有線LANがGigabit Ethernet、無線LANがIEEE 802.11a/b/g/n。Bluetooth 4.0も搭載する。

 その他のインターフェイスは、USB 3.0×3(内1つがPowered USB)、SDカードスロット、音声入出力、130万画素Webカメラ。XPS 14と比較してUSB 3.0が1つ増えている。

 サイズは371×249×23.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.6kg。バッテリはビルトインの65Wh/9セルリチウムポリマーバッテリ。交換は非対応となる。

 価格は今回の構成で149,980円。直販サイトでは下から2番目の構成だ。一番安価なモデルはプロセッサがCore i5-3210Mとなり129,980円。その他、ストレージが512GB SSDや1TB HDD+32GB SSD、ディスクリートGPUとしてGeForce GT 640M(2GB)、BDドライブ搭載などの上位モデルも用意されている。

トップカバー。XPS 14と瓜二つ。14型か15.6型かの違いで写真からはわからないだろう 正面。パネルは高輝度350cd/平方mの明るさ。コントラストが高く発色も非常に綺麗だ 底面。メモリやHDDに簡単にアクセスできるようなパネルは無く、全面を1枚で覆っている
左側面。電源入力、Gigabit Ethernet、HDMI出力、Mini DisplayPort、USB 3.0×3(手前がPowered USB) キーボードはアイソレーションタイプ。3段階に明るさが変わるキーボードバックライト 右側面。DVDスーパーマルチドライブ、SDカードスロット、ロックポート、ヘッドセット、ヘッドフォン
キーピッチは実測で約19mm トップカバー&背面。バッテリは内蔵タイプで交換できない。規格上Ultrabookでは無いがそれでもスリム ACアダプタ。コネクタはミッキータイプ。サイズはそれなりに大きい

 今回XPS 14と同時に届いたが、一回りパッケージが大きい以外は瓜二つ。削り出しのアルミ素材のボディやマットブラックのパームレスト、そしてキーボードなど仕上げは全く同じで高級感がある。パネルサイズ以外では、右側にスロットローディングのDVDスーパーマルチドライブ、左側にUSB 3.0×3と1ポート増えているのが違いとなる。ライバルはMacBook Proとなるだろうか。

 左側には電源入力、Gigabit Ethernet、HDMI出力、Mini DisplayPort、USB 3.0×3(手前がpowered)。右側にはDVDスーパーマルチドライブ、SDカードスロット、ロックポート、ヘッドセット、ヘッドフォンと、レイアウトはXPS 14とほぼ同じだが、DVDスーパーマルチドライブが増えた分、ロックポートが中央より少し手前へになっているのが気になるところ。

 Gorilla Glassを採用した15.6型の液晶パネルは光沢タイプで映り込みはあるものの、とにかく明るく、コントラストが高く、そして赤など原色はもちろん、白と黒が非常に綺麗だ。写真を観ても動画を観ても気持ち良く鑑賞することができる。

 キーボードはアイソレーションタイプで、3段階に明るさが変わるキーボードバックライト付だ。XPS 14で指摘した「[\]と[BackSpace]キーのバックライトが他のキーより光の漏れている量が多い」点は、このXPS 15でも同様。もしかすると意図的なのかも知れない。たわみは全く無く、筆者的には合格点だ。

 パームレストも十分広く、ガラスプレートのタッチパッドも操作感は抜群。ただし、XPS 14よりボタン替りの手前左右の傾きが若干軽い感じがした。

 ノイズや振動、発熱に関しては、TDP 35WのCPU、そして光学ドライブを搭載しているだけあって、XPS 14よりはいずれも大きめ。特に発熱に関してはパームレスト左側手前が温かくなる。

 サウンドに関しては、全体的な傾向は同じであるが、筐体が大きくなった分、XPS 14よりゆったり鳴り、こもった感じも低減、最大出力も十分あり楽しめる。後述する「Waves MAXXAudio」(デル Audio)を搭載し、好みの音色に設定できるのも魅力的だ。

●4コア8スレッドのCore i7でハイパワー

 OSは64bit版Windows Home Premium SP1。BTOでProfessonalとUltimateそして英語版のProfessionalも選択できる(いずれも64bit版でSP1)。今回届いた構成ではメモリ4GBだったので、せっかくCore i7プロセッサ搭載機を使うなら、少なくとも8GBにしたいところ。

 初期起動時のデスクトップはゴミ箱1つと非常にシンプル。筆者のようなパワーユーザーが好みそうな設定と言えよう。

 ストレージは実質C:ドライブのみの1パーティション。約687GBが割当てられ、空きは660GBとなる。またこのドライブは冒頭で触れたように、Intel SRTのRAIDで、実際は、750GB/7,200rpm/キャッシュ16MBの「ST9750420AS」と、「SAMSUNG PM830 mSATA 32GB」が使われている。後者のSSDに関してはXPS 14と同じものだ。

 Wi-FiとBluetoothモジュールは「Intel Centrino Advanced-N 6235 802.11a/g/n+Bluetooth 4.0」を内蔵する。 これもXPS 14と同等となる。

起動時のデスクトップ。フルHDなので広々としたデスクトップ。初期起動時、ゴミ箱のみとすっきりしている デバイスマネージャ/主要なデバイス。HDDは750GB/7,200rpm/キャッシュ16MBの「ST9750420AS」。Intel SRT構成時キャッシュ用となるSSDは「SAMSUNG PM830 mSATA 32GB」 実質C:ドライブのみの1パーティション。約687GBが割当てられている

 インストール済みのソフトウェアはXPS 14とほぼ同じで、アプリケーション的なものは「マカフィーセキュリティセンター」と「Skype」。他はドライバやユーティリティ類となる。掲載した「デル Audio」など画面キャプチャの6つ中、5つまではXPS 14と同じなので、それぞれ違うメニューなどを選んで表示内容を変えている。

デル Audio インテル ラピッド・ストレージテクノロジー Dell DataSafe Local Backup ベーシックエディション
Dell WebCam Central デル ポインティングデバイス MediaSharing

 ベンチマークテストはWindows エクスペリエンス インデックスとCrystalMark、BBenchの結果を見たい。

 Windows エクスペリエンス インデックスは、総合 5.2。プロセッサ 7.5、メモリ 5.9、グラフィックス 5.2、ゲーム用グラフィックス 6.7、プライマリハードディスク 5.9。XPS 14と比較して、メモリのみ落ち込んでいるが、プロセッサとグラフィックのスコアは向上している。

 CrystalMarkは、ALU 60454、FPU 51663、MEM 34964、HDD 23631、GDI 13755、D2D n/a、OGL 28612。NVIDIA Optimusドライバの関係でD2Dはブラックアウトしているので正確な値は測れていない。全ての項目でXPS 14より上の値となった。プロセッサの違いはもちろん、Intel SRTでキャッシュが利いているとは言え、5,400rpmか7,200rpmかの差もあるようだ。

 BBenchは、省電力、バックライト最小(キーボード込み)、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、Wi-Fi/ON、Bluetooth/ONでの結果。バッテリの残0%で14,864秒/約4.1時間。プロセッサのTDPが35W、そしてパネルサイズが一回り大きいにも関わらず、XPS 14とほぼ同等の結果となった。用途を考えれば特に問題無いと思われる。

Windows エクスペリエンス インデックスは総合 5.2。プロセッサ 7.5、メモリ 5.9、グラフィックス 5.2、ゲーム用グラフィックス 6.7、プライマリハードディスク 5.9 CrystalMarkはALU 60454、FPU 51663、MEM 34964、HDD 23631、GDI 13755、D2D n/a、OGL 28612 BBench。省電力、バックライト最小(キーボード込み)、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、Wi-Fi/ON、Bluetooth/ONでの結果。バッテリの残0%で14,864秒/約4.1時間

 以上のようにデル「XPS 15」は、高輝度350cd/平方mの明るい15.6型フルHD液晶パネルを搭載した2スピンドルノートPCだ。4コア8スレッドのCore i7と、GeForce GT 630M(1GB)でパワーも十分、加えてデザインや質感も抜群だ。

 XPS 14より大きく重たくなっているものの、その分色々使い勝手は向上している。ちょっとお洒落で高性能なノートPCを探しているユーザーにお勧めの逸品と言えよう。