西川和久の不定期コラム

デュアルコアAthlon II Neo搭載ミニノート! デル「Inspiron M101z」



 デルは10月5日、Athlon II Neoを搭載した11.6型ノートPC「Inspiron M101z」2モデルを発売した。カスタマイズは無く、シングルコアでメモリ2GB、もしくはデュアルコアでメモリ4GBとなる。今回後者が届いたので早速レポートをお届けする。

●デュアルコアAthlon II NeoとATI Mobility Radeon HD 4200搭載

 11型前後の液晶パネルを搭載したノートPCは、カテゴリ的にネットブック、またはミニノートPCとなるのだが、その多くは、CPUにIntelのAtomプロセッサを搭載している。この場合、チップセットはIntel NM10 Express、グラフィックスはCPU内蔵GMA 3150と、多少搭載しているインターフェイスは違うものの、使用するAtomプロセッサのランクでほぼパフォーマンスが確定し、どのメーカーのマシンを触っても極端に言えば、デザインが違う程度の差しかない。

 このような状況の中、AMDが対抗馬として開発したCPUがAthlon II Neoとなる。モデルナンバーとしては、K125(1コア/1.7GHz/TDP 12W)、K325(2コア/1.3GHz/TDP 15W)の2種類。キャッシュは1コア1MB、AMD-Vに対応している。上位プロセッサがある関係から、性能を抑えているIntelに対して、なかなか意欲的なラインナップだ。

 今回ご紹介する「Inspiron M101z」は、冒頭に書いたように、シングルコアのK125とデュアルコアのK325を採用。主なスペックは以下の通り。

デル Inspiron M101z仕様
CPU AMD Athlon II Neo K325(2コア/1.3GHz/キャッシュ2MB)
チップセット AMD RS880M + SB820M
メモリ 4GB/DDR3-800、2スロット(空き0)
HDD 320GB(7,200rpm)
OS Windows 7 Home Premium 64bit版
ディスプレイ 11.6型 TFT TrueLife WXGA 光沢液晶ディスプレイ、1,366×768ドット
GPU 内蔵ATI Mobility Radeon HD 4200、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力
ネットワーク Ethernet(10BASE-T/100BASE-TX)、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 3.0
その他 USB 2.0×3(内1つはPowerShare USB)、7in1メディアリーダー、Webカメラ、マイク入力/ヘッドフォン出力、SRS Premium Sound対応スピーカー 1.5W×2
サイズ/重量 292×205×24.3-35mm(幅×奥行き×高さ)/約1.56kg(6セル)
バッテリ駆動時間 最長約6.36時間(6セル)
価格 59,980円(税込/直販のみ)

 CPUはAMD Athlon II Neo K325。2コア、クロック1.3GHz、キャッシュ2MBで、64bitやAMD-Vにも対応している。ただし、IntelのHyper-Threading相当の機能は無く、2スレッドとなる。

 チップセットはAMD RS880M + SB820M。RS880Mは、ATI Mobility Radeon HD 4200を内蔵し、DirectX 10.1、UVD(Universal Video Decoder)2に対応している。SB820Mはサウスブリッジだ。11.6型液晶パネルの解像度は1,366×768ドット、出力はミニD-Sub15ピンに加え、HDMIもある。メモリは、2GB/DDR3-800を2枚の計4GB搭載済みで、この価格帯としては珍しい。OSは64bit版のWindows 7 Home Premium。そしてHDDは7,200rpmの320GBを搭載している。

 ネットワークは、有線LANは10BASE-T/100BASE-TX、無線LANはIEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 3.0にも対応。残念なのはハードウェアスペックがなかなか良いにも関わらず、有線LANがGbEに対応していないことだろうか。

 その他のインターフェイスは、USB 2.0×3、7in1メディアリーダー、Webカメラ、マイク入力/ヘッドフォン出力、1.5W×2の出力を持つステレオスピーカーなどとなる。3ポートあるUSBの内1つが本体の電源OFFでも電源を供給する「PowerShare USB」になっている。iPhoneなどUSB経由で充電するデバイスが利用でき便利だ。

 カラーバリエーションは4色。ブラック(模様なし)、ピーコック・ブルーとトマト・レッドカラーはジャックス・パターン(模様あり)、ロータス・ピンクはディズ・バイス・パターン(模様あり)と色以外にも模様の有無で若干変わる。またロータス・ピンクは、パームレスト右側にも模様が入る。

 バッテリは標準で6セルだ。駆動時間は約6.6時間。この時重量は1.56kg。オプションで9セル(駆動時間/10時間40分)も用意され、この場合の重量は1.74kgとなる。

 なおシングルコアのAMD Athlon II Neo K125(1コア/1.7GHz/キャッシュ2MB)、メモリ2GBを搭載した下位モデルが、49,980円となっている。

天板は模様なしのブラック、後ろ手前にミニD-Sub15ピン、奥にロックポート 正面の左右にSRS Premium Sound対応スピーカー 裏面中央のパネルを開けるとメモリスロットにアクセスできるが、既に4GB実装済みなので、特に開ける必要は無いだろう
左側面。Ethernet、HDMI出力、USB 2.0×1、7in1メディアリーダー キーボードはアイソレーションタイプ。AMD VISIONのロゴが見える 右側面。電源入力、USB 2.0×2(手前がPowerShare USB対応)、マイク入力、ヘッドフォン出力
キーピッチは実測で18mm 6セルのバッテリ。ACアダプタのコネクタはメガネタイプ 重量は実測で1,568g

 サイズは292×205×24.3〜35mm(幅×奥行き×高さ)と、このクラスとしては平均的だが、6セルバッテリ時は約1.56kgと、重量は少し重めだ。特にバッテリが重いのか、持ち上げるとバランスは後ろ側に引っ張られる。日頃持ち歩くには軽いに越したことは無いが、1.5kg台なら許容範囲だろう。

 今回届いたブラックは、天板やパームレストに模様は無く、加えてパームレストはソリッドな深めのシルバーで落ち着いた感じだ。ただ裏以外は全て光沢なので指紋あとは結構目立つ。

 11.6型の液晶パネルはグレアタイプ(光沢)だ。視野角は上下左右共あまり広くないものの、正面から使う限り問題ないレベルとなっている。また発色は割りと薄めで少し青っぽい。さらに写真などのハイライトが白飛びして見えるのが少し気になった。ビデオドライバのCatalyst Control Centerを使って調整するなど工夫が必要かも知れない。

 キーボードはアイソレーションタイプだ。中央を強く押すと若干たわむが、通常使用時は問題無い。クリック感もしっかりしていて、割と良い部類に入る。ファンクションキーは[Fn]キーとのコンビネーション。そのままファンクションキーを押すと、明るさ、音量など機能キーとなる。これ以外のレイアウトは普通で、キーピッチが約18mmあるため、入力し辛い印象は無い。

 タッチパッドはパームレストと段差があり、11.6型のボディと言うこともあり、面積はそれなりだ。ボタンは物理的に2つ。ストロークは深いものの、軽いため指に負担はかからず、逆に使いやすい印象を受ける。パームレスト左側を中心に振動があり、筆者的には気になった。

 SRS Premium Sound対応した1.5w×2の出力を持つスピーカーは、最大出力時、結構な音量となる。音質はナローレンジで荒く、渋めのJazzやクラッシックなどにはあまり向いていないが、ロックなどはプラスとなるだろう。

●抜群のコストパフォーマンス

 起動してまず驚くのが、中央に見えるドックにその機能を集約させているため、デスクトップにショートカットが何も無いこと。これだけスッキリしていると気持ち良い。OSは64bit版のWindows 7 Home Premiumだ。標準搭載の4GBのメモリ空間をフルに使うことができ、その関係もあるのか動きはかなりスムーズだ。

 11.6型で1,366×768ドットは、文字が小さ過ぎず、大き過ぎず、縦768ドットなのでWebなども狭く感じずアクセスできる。先の動きも含め全体的な操作感は、ネットブックの雰囲気では無く、明らかにワンランク上と言えよう。

 HDDは7,200rpmのSEAGATE ST9320423ASが使われている。ユーザーが使えるパーティションは、C:ドライブのみのワンパーティション。約283GBが割当てられている。

起動時のデスクトップはショートカットが全く無い。中央上に独自のドックがみえる デバイスドライバ/主要なデバイス。HDDはSeagate ST9320423AS(320GB/7,200rpm/キャッシュ16MB)、CPUはデュアルコアの2スレッド HDDのパーテーション。ユーザーが使えるパーティションはC:ドライブのみのワンパーティション。約283GBが割当てられている

 プリインストールのアプリケーションは、同社製として「Dell DataSafe Local Backup」、先にあげた「ドック」、「Dell Webcam Central」、「Dell Support Center」、「Dell DataSafe Online」など、主に管理系だ。サードパーティ製としては「マカフィー セキュリティセンター」(15カ月間更新サービス)、デスクトップPCとデータを同期する「syncables desktop」となる。カスタマイズ時に、Microsoft Office 2010や、キングソフトOffice 2010 Standardなども選択できる。

syncables desktop Dell DataSafe Local Backup Catalyst Control Center

 ベンチマークテストは、Windows エクスペリエンス インデックス、CrystalMark、そしてBBenchの結果を見たい。カッコ内は、デュアルコアAtom N550を使った日本HP「Mini 210-2000」の値を参考までに掲載している。

 まずWindows エクスペリエンス インデックスの総合は3.7(2.9)。内訳は、プロセッサ3.9(3.1)、メモリ5.7(4.5)、グラフィックス3.7(2.9)、ゲーム用グラフィックス5.0(3.0)、プライマリハードディスク5.9(5.9)。特にメモリとグラフィックスの向上が著しい。メモリに関してはデュアルメモリアクセスの効果、グラフィックスに関してはATI Mobility Radeon HD 4200の威力と言える。

 CrystalMarkは、総合 55,503(38,042)、ALU 10,356(9,068)、FPU 9,532(7,448)、MEM 10,885(6,584)、HDD 10,225(11,766)、GDI 4,729(1,765)、D2D 2,119(979)、OGL 7,657(432)。全般的にWindows エクスペリエンス インデックスと同じ傾向になっているのが分かる。またこれまでFPUに関しては、AMDはIntelと比較して弱いと思っていたものの、クロック数が低いにも関わらず、少なくともAtomプロセッサと比較する限り上となる。

 BBenchは、バックライト/OFF、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ON、Bluetooth/OFFでの結果だ。バッテリの残3%で20,694秒(5.74時間)だった。6セルの最長約6.6時間には届かなかったが、公称値に近い値が出た。

 試しにYouTubeの720p/1080pを再生したところ、前者は30fps、後者は20fps前後となった。少なくともHD解像度までは問題無く表示できたことになる。ただし、標準でプリインストールされているFlash Playerは、ハードウェア・アクセラレーションに非対応の10.0系だったので、10.1系へアップデートしてテストしている。

Windows エクスペリエンス インデックス。総合は3.7。プロセッサ3.9、メモリ5.7、グラフィックス3.7、ゲーム用グラフィックス5.0、プライマリハードディスク5.9 CrystalMark。総合 55,503。ALU 10,356、FPU 9,532、MEM 10,885、HDD 10,225、GDI 4,729、D2D 2,119、OGL 7,657 BBench。バックライト/OFF、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ON、Bluetooth/OFFでのBBenchの結果だ。バッテリの残3%で20,694秒(5.74時間)


 以上のように、デル「Inspiron M101z」の上位モデルは、デュアルコアのAMD Athlon II Neo K325搭載、標準で4GBメモリ、GPUは内蔵ATI Mobility Radeon HD 4200、そしてOSは64bit版Windows 7 Home Premium、バッテリ駆動時間5時間以上と、何も我慢するところが無いにも関わらず、価格帯としてはネットブックと同等。特にグラフィックスの性能は桁違いだ。

 GbEが無く、6セル時で約1.56kgと若干重いものの、コストパフォーマンスが高く、ストレス無く常に持ち運んで使えるミニノートPCを探しているユーザーにお勧めの1台と言えよう。