西川和久の不定期コラム

デュアルコアに15.6型液晶でサンキュキュから!
HP「ProBook 4510s/CT」



ProBook 4510s/CT

 前回「15.6型ワイド液晶とCore 2 Duoでナナキュッパ!」のノートPCをご紹介したが、今回は更にその上を行く「デュアルコアに15.6型液晶でサンキュキュから! 」の激安ノートPC、HP「ProBook 4510s/CT」をご紹介する。サイズや重さを考えなければネットブックと同レベルの価格帯。どの様な構成なのか非常に興味のあるところだ。早速レポートをお届けする。


●サンキュキュの中身とは

 この「ProBook 4510s/CT」は法人向けのモデルだが、もちろん個人でも購入可能。パーソナル用途としても十分活用できる。ただこの39,900円は1つ前提があって2,000台限定の「10周年記念キャンペーン・モデル」。通常だとスタンダード・モデルは64,890円となる。

 この前提の上、基本的にBTOなのでサンキュキュがベースラインとなり、パーツの組み合わせで価格が変動する。唯一法人用を意識しているのは、Vista BusinessがBTOメニューにあることだ。組み合わせの肝となるのは、CPU、OS、HDD容量、メモリ容量、オプティカルドライブ、無線LAN、Bluetooth。まず気になるサンキュキュ=最小構成は以下の通り。

・CPU:Celeron T1600(1MB L2キャッシュ、1.66GHz、667MHz FSB)
・OS:Windows Vista Home Basic with Service Pack 1
・チップセット:モバイル Intel GL40 Express チップセット
・グラフィックス:GMA 4500MHD(チップセット内蔵)
・メモリ:1GB×1(2スロット最大8GB)
・HDD:160GB(5,400rpm)
・オプティカルドライブ:無し
・ネットワーク:Gigabit Ethernet、無線LAN無し、Bluetooth無し
・ディスプレイ:15.6型WXGA(1,366×768ドット)、LEDバックライト方液晶パネル、アナログRGB、HDMI
・拡張カードスロット:ExpressCard/34×1
・I/O:USB 2.0×4、オーディオIN/OUT、6in1メディアスロット、内蔵ステレオスピーカー/マイク
・キーボード:キーピッチ19×19mm、キーストローク3mm
・バッテリ:6セル、47Whr、約350g(バッテリ駆動時間最大5.75時間)
・ボディカラー:ブラック(黒)/メルロー(赤)
・サイズ/重量:372×250×32〜40mm(幅×奥行き×高さ)/約2.5kg

 この仕様をよく見ると、ちょっと乱暴であるが、ネットブックに比べてプラス、引き分け、マイナスの各部分がある。

 まずCPUは、Celeron プロセッサ T1600(1.66GHz/FSB 667MHz、cache 1MB)。このCPUはデュアルコアだ。対してAtomプロセッサだと一番近いのはN280(1.66GHz/FSB 667MHz、cache 512MB)となる。ただしデュアルコアでは無くhyper-threading。2次キャッシュもT1600の方が大きいので性能的にはN280より上となるだろう。チップセットはIntel GL40 Express/GMA 4500HMDに対してIntel 945GSE/GMA 950。最大メモリ8GB、グラフィックスも動画再生支援に対応している。15.6型WXGAの液晶パネルにネットワークはGbEだ。サイズが大きい分キーボードにも余裕があり、キーピッチは19mm。ここまではプラスの部分。

 引き分けはHDDが160GB、メモリは1GB。I/O周りもほぼ同じだ。更に多くのネットブック同様光学ドライブが無い。OSがWindows Vista Home BasicかWindows XPかは軽さから言えばXPだろうか。逆にマイナス部分はサイズ、重量、無線LANとBluetooth、Webカメラは無しとなる。

 つまり、このマイナスの部分が気にならず、液晶パネルの大きさなどプラスの部分が魅力的であればネットブックよりこのProBook 4510s/CT方がピッタリの選択となる。無線LAN無しが気になるのであれば1,050円でIEEE 802.11b/g、3,150円でa/b/g/nが選択できる。

本体上面。HPのロゴとメルロー(赤)がよく似合う。この赤は落ち着いた感じで好感が持てる 本体底面。HDDやメモリへ簡単にアクセスできるパネルは見当たらず、ちょっと残念な部分だ 本体左側面。USB 2.0×2、HDMI、ミニD-Sub15ピン、Ethernet、USB 2.0×2の上にExpressCard/34×1がある
右側面。USB 2.0×2、光学ドライブ、電源入力 正面。無線LANのON/OFF、6in1メディアスロット、音声入出力 アイソレーション・タイプのキーボード。テンキーが少し離れているので間違って押してしまうことはない
ボディのサイズに余裕があるため19mm確保されている バッテリは10.8v/47Wh。ACアダプタはミッキータイプだ。DC側のプラグはストレート

 箱から取り出して一番に気が付いたのは、液晶パネルがノングレア(非光沢)なことだ。最近の液晶はグレア(光沢)タイプが多いため、映り込みは半ば当たり前だと思っていたが、久々にノングレアパネルを見るとやはり落ち着く。15.6型のサイズにWXGAの解像度は少し文字など全体的に大きめに感じる。明るさやコントラストは十分あり、パネルのクオリティは悪くない。ただ少し赤味が足らないので、調整した方がいいだろう。

 キーボードはアイソレーション・タイプだ。ボディが大きい分、キー幅も19mm確保され余裕がある。またテンキーの間も少し離れているので間違って押してしまう事もない。軽めのキータッチだがたわむこと無くしっかりしているのは好印象。同社のノートPCはネットブックも含めキーボードに関しては割りと優秀だ。

 パームレストは十分広く手が置き易い。タッチパッドも広くて滑りもいいのだが、パームレストとの段差が結構あり、気になる人は気になるだろう。更にボタンはちょっと表現し辛いのだが、手前がガクンと落ち込むタイプだ。多くの機種ではストロークが浅く、カチッと止まるものが多いのだが、このボタンは余計な力を必要とせず扱い易いものの、ストロークが深くかなり下まで押しても止まらず何となく違和感がある。なおドライバはSynaptics TouchPadが使われている。

 振動やノイズに関しては全く気にならないレベルだ。最近思うのは小型化したネットブックより、この手の大柄のノートPCの方がいろいろな面で余裕があるのか、振動やノイズに関しては優秀なものが多い。

 ステレオスピーカーはキーボード上側のメッシュのある空間に埋め込まれている。音楽やDVDビデオを再生したところ、ボディサイズの割には欲求不満気味。ただ全く駄目でもなく筆者的にはギリギリ許容範囲だ。もともとビジネス用なので、音量や音質をあまり重視していないのだろう。

 その他、USB 2.0が左右に2つずつ配置していたり、6in1メディアスロットと音声入出力が正面にあったり、ゆったりした空間をうまく使っているのが印象的だ。ただし、裏側にはHDDやメモリへ簡単にアクセスできるパネルが無い。BTOなのではじめから必要な容量を搭載しておけばいいのだろうが、とは言え、せっかく最大8GBも使えるメモリ空間に対して必要に応じて簡単に増設できないのは残念だ。

 手元に届いたのはボディカラーが「メルロー(赤)」。渋めの赤で派手でも地味でもないちょうどいい感じの色だ。デザインは少し角張った感じ、質感も安っぽいイメージは無い。ビジネスモデルとしては黒が多いと思われるが、これなら個人用途でも洒落ているし、ビジネス用途でも浮くこともないだろう。余談になるが、このメルロー=Merlot。フランスのボルドーを発祥地とする赤ワイン用ぶどう品種の名前だ。どうりで何処かで見覚えのある色だと思ったら、毎晩飲んでいるテーブルワインと同じ色だった(笑)。

●届いたのはCore 2 Duo、Windows Vista Businessモデル

 さて今回のレビュー機はサンキュキュモデルではなく、Core 2 Duoを搭載しているBTOの構成でもう少し高価な仕様だった。

 構成的にはCPUはCore 2 Duo P8600(2.40GHz)、メモリ2GB、HDD 320GB(5,400rpm/cache 8MB)、DVD-ROMドライブ、Intel WiFi Link 5100(IEEE 802.11a/b/g/n)、Bluetooth無しのWindows Vista Business搭載モデルだ。差額は、OS+8,400円、CPU+21,000円、メモリ+5,250円、HDD+5,250円、DVD-ROM+3,150円、無線LAN+3,150円をベースモデルに加え、計86,100円。ネットブックよりは高価になってしまうものの、内容的には十分安価なモデルとなる。

 このBTOは選択肢が多く、容量でHDDを選べるのはもちろんであるが、160GB/5,400rpmまたは7,200rpm、320GB/5,400rpmまたは7,200rpmと、回転数でも選べる。

 プリインストール・アプリケーションの主要なものは、「McAfee Total Protection 60日試用版」と「InterVideo WinDVD 8」、そして「HP Update」や「HP ProtectTools」など同社のツール。ただし、WinDVDはDVDビデオの再生が主な用途であり、H.264などには対応していない。

起動時のデスクトップ。画面上のProtectToolsは同社独自のもの。いろいろなアプリケーションが常駐しているので、メモリをそれなりに使用している デバイスドライバ/主要なデバイス。このモデルは、DVD-ROMにHL-DT-ST GDR-D20N、HDDは富士通MJA2320BH。Intel GL40 Express チップセットとしては標準的なデバイス構成だ Windows以外のパーテーションへ1GB+10GBが使われている

 320GBのHDDは富士通MJA2320BHが使われ、約1GBのHP_TOOLS、約10GBのHP_RECOVERY、そしてWindows用の約287GB、3パーテーションに分かれている。ベンチマークは流石にCPUがCore 2 Duo P8600にもなると結構速い。ただWindows エクスペリエンス インデックスのグラフィックスが3.4/3.6とイマイチなのが気になるものの、GMA 4500MHDなので妥当な線だ。とは言え、3を超えているのでゲームなどは厳しいが、普通に使うのであれば特に問題は無い。

 サンキュキュモデルのCPUがCeleron T1600、メモリ1GBになるとどの程度パフォーマンスが落ちるかは不明であるが、経験上、速度的には多分クロック比分ダウン、またWindows Vistaでメモリ1GBは少し不利……と言ったところだろうか。OSがWindows Vista Business(+8,400円)ならダウングレード権を使いWindows XP Professionalにすればメモリ1GBでもそれなりに動くと思われるが、その分OS代が高くなる。

 効果を考えるとメモリ2GB(+5,250円)もしくは、いっそ4GB(+10,500円)とした方がコストパフォーマンス的には良いだろう。また、出荷時にWindows Vista Businessのダウングレード権を利用してWindows XP Professionalを11,500円でインストールするサービスもあある。XPが好きな人にはこれが大きなメリットだろう。

Windows エクスペリエンス インデックス。チップセット内蔵のグラフィックス、GMA 4500MHDのパフォーマンスが今ひとつ。ただ、このグラフィックスを使っているノートPCは多く、ゲーム以外であれば特にパフォーマンス的に問題は無い CrystalMark。さすがにCPUがCore 2 Duo P8600だけあって、ネットブックとは比較にならないパフォーマンスだ
□その他のベンチマーク
PCMark Vantage Build 1.0.0
PCMark Suite 3057
Memories Suite 1865
TV and Movies Suite 1149
Gaming Suite 1956
Music Suite 3391
Communications Suite 3564
Productivity Suite 3196
HDD Test Suite 3560
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score 4864
CPU Score 5881
Memory Score 4808
Graphics Score 2256
HDD Score 5140
3DMark06 (Build 1.1.0)
3DMark Score 869
SM2.0 Score 245
HDR/SM3.0 Score 361
CPU Score 2049
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
Low 3223
High 2035

 前回のエプソン「F52A-SX004E」もそうだが、ネットブックだけが特別安くなったのではなく、今年になってPCが全体的に安くなってきた。特に5〜10万円のレンジはいろいろなPCが揃っており、用途を見極め機種を選べばお買い得感は高い。HP「ProBook 4510s/CT」は10周年記念キャンペーン・モデルならベースがサンキュキュと激安! 無線LANやメモリを足してもまだネットブックと変わらない。一度同社のBTOメニューでいろいろ見積もってみると面白いだろう。

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