三浦優子のIT業界通信

大PCゲームイベント「秋葉原PCゲームフェスタ」を独自開催するドスパラの狙い



 PCショップ「ドスパラ」を運営するサードウェーブによる、PCゲーム総合イベント「秋葉原PCゲームフェスタ」が4月29日から5月9日までの11日間に渡って開催される。11日間という長期間の大イベントで、しかも場所は「ベルサール秋葉原」だ。

 PCショップが独自でイベントを開催することも珍しいが、販売が目的ではなく、入場料や登録も必要とせず「秋葉原に遊びに来た人でも気軽に立ち寄って欲しい」という。CPUメーカーやPCメーカーではなく、PCショップが単体で、これほど力の入ったイベントを独自開催する狙いはどこにあるのか。その狙いを聞いた。

●PCゲーム未体験者こそ入場して欲しい
植草光正取締役

 「我々PCショップがPCゲーム市場を盛り上げるために何ができるのか。そう考えて開催するのが今回のイベントなんです」−−サードウェーブのPC本部 本部長・植草光正取締役はイベント開催の狙いをこう説明する。

 「ゲームソフトメーカーの皆さんであれば、面白いPCゲームを作ることで、市場を盛り上げることが出来ます。我々サードウェーブは、安心してPCゲームをプレイしてもらうために、『ゲーム推奨モデル』を提供し、ゲームを安心してプレイできる環境を作っています。しかし、PCゲームをプレイしたことがない、そもそもPCゲームに触れたこともないという方にPCゲームの面白さを知ってもらうにはどうすればいいのか。それを考えた末に、秋葉原が最も盛り上がるゴールデンウィーク(GW)の期間、イベントを開催し、1人でも多くの方にPCゲームに触れてもらうことが出来ないかと考えたのです」。

 「特定のゲームタイトルが動く、推奨モデルの販売は、当社をはじめ、何社からも出されています。当社はその中でも草分け的存在だったこともあって、協力させていただいているゲームソフトメーカーの数も多いのです。その結果、イベントでは90台のPCを並べて、30社、77タイトルのゲームソフトのタッチ&トライコーナーを設ける予定です。この規模になってしまうと、店頭でお見せするのはなかなか難しくなってしまうんですよ」と植草取締役も苦笑する。

 社内でも、さまざま協議が行なわれ、インターネットカフェを開くことなどが提案されたという。しかし、インターネットカフェを運営するノウハウの有無、さらに多くのタイトルを触れる機会を作るという観点から、来場者が一挙に多くのタイトルに触れる機会となるイベントを開催することを決定した。

 会場であるベルサール秋葉原は、メインストリートである中央通りに面し、駅からも近い好立地で、Windows 7の発売イベントが行なわれるなど秋葉原のイベントスペースの筆頭格といえる存在だ。

 「会場についても、秋葉原以外の地域での開催も検討しました。より多くの人に集まってもらうために、新宿や渋谷での開催も検討しました。しかし、秋葉原はゲーム好きな人が訪れる街であり、開催期間のGWはアニメファン、アイドルファン、ゲームはプレイしないがPC好きな人など、いろいろな目的を持った人が集まります。ゲーム好きな人も、ゲームが好きではない人も、気軽に立ち寄ってもらえる秋葉原での開催が最適だと判断しました」。

 会場入口には、特に入場用ゲートを設ける予定はない。1階はオープンスペースとなるため道を通りかかった人がちょっと立ち寄る−−といった来場者にも期待しているという。

中央通りに面した「ベルサール秋葉原」 秋葉原のメインイベントスペースとして定着している 4月27日現在、すでに準備が進んでいる

 会場ではイベントも目白押し。休日はなんらかのイベントが開催されている。イベント情報はどんどんアップデートされていくので、イベント専用サイトを見ながら、お気に入りのイベントに合わせて来場する手もある。

●「Prime Galleriaシリーズ」は安心して質の高いゲーム体験ができる
ゲームPC「Prime Galleria」は、ノートからハイエンドのデスクトップPCまで、幅広い機種が用意されている

 サードウェーブがここまで熱心に、「PCゲームに触れる機会を!」と呼びかけるには理由がある。日常的にPCを利用しているものの、PCゲームは全くプレイしないという人が相当数存在するのだ。

 「日本のゲームユーザーといえば、ゲーム専用機のユーザーを指しています。ゲーム専用機でゲームをプレイする人の数は国内で4,000万人と言われています。ところが、PCゲームのユーザーは500万人から600万人。PCユーザーは1,500万人から1,600万人と言われていますので、PCユーザーの3分の1程度の人しか、PCゲームを触っていないということになります」。

 この数からわかるように、ゲーム専用機のユーザーやPCを触りながらゲームをプレイしていない人の一部が、PCゲームをプレイするようになるだけでPCゲーム市場は大きく拡大する可能性を持っている。

 ゲーム専用機は日本で開発されたものが多いため、「日本はゲーム先進国」と認識されているが、PCゲームに限るとその状況は異なる。優秀なプレイヤーが、スポーツ選手同様高く評価されている米国や韓国、台湾といった国に比べ、日本ではゲームプレイヤーの評価は低い。海外での実績から見ても、日本でもPCゲームがもっと広く認知されるようになれば、市場が大きく広がる可能性があるというのがサードウェーブ側の見方である。

 PCゲームの普及を阻む大きな要因となっているのは、「PS3用ソフト」といえばどのPS3でも動くゲーム専用機と異なり、「どんなゲームも、どんなPCでも動く」とはいかない点にある。タイトルごとに、必要なCPU、グラフィック、サウンドのスペックが異なり、推奨スペック通りにパーツを揃え組み立てても、思うようにタイトルが動作しない場合もある。

 「PCゲームに興味はあるが、実際にプレイしていない人の中には、自分がやりたいゲームのスペックを揃えるのが大変と考えている人がいると思います。当社が提供する『Prime Galleria』シリーズであれば、推奨モデルは必ずそのタイトルが動くことを保証しています。自分でスペックを揃えるのが面倒という人にはオススメです」。

 快適に動作する推奨モデルでプレイすると、あらためてタイトルのクオリティの高さに驚かされることも多いそうだ。

 「最近のタイトルは本当に質が高い物が増えています。すでにPCゲームをプレイしている方でも、快適な環境で利用することで、これまでにはない新しい発見をする可能性もあると思います。私自身も、スペックが足りていなかったことで、本来のそのゲームタイトルの面白さが実感できていなかったんだと実感することがありますから。PCゲームを知らない人はもちろん、PCゲームをある程度楽しんでいる人にとっても、今回のイベントが新たな発見をする機会になればと思います」。

 PCゲームタイトルも、ハイスペックマシンと時間をかけてプレイするオンラインゲームもあれば、気軽にプレイできるボードゲームタイプのものもある。イベントにはさまざまなタイプのタイトルが揃うので、PCゲームの世界がどこまで広がっているのか、確認する場にもなる。

●イベント会場は話題の3Dを体験できる場に

 最近、テレビをはじめとしたAVの世界で注目が集まっている3D体験ができることも今回のイベントの注目ポイントとなっている。会場には3D展示コーナーが設置され、3Dゲームを体感できる。

 体験した植草取締役は、「ワイヤレス眼鏡『NVIDIA 3D Visionキット』、3D Vision対応ディスプレイ、GeForce GPUとWindows VistaもしくはWindows 7マシンを揃えれば、3D体験ができるわけです。Windows PCとGeForce GPUを持っているのであれば、眼鏡と液晶はセットで、6万円程度で揃えられますから、テレビに比べてかなり安上がりに3D環境が揃うことになります。本格的な対応タイトルはこれから登場するので、ようやく、PCゲームの3D環境の土台が整ったというところだと思いますが、デモを見るだけでもかなり面白かったですね」と自らの体験をアピールする。

 この3D体験のように、PCゲームはPCテクノロジーを活かす機会ともなるが、「いや、実際に体感してみると、スペックを見ていたのだけでは実感できなかった凄さを感じるのです。あれ、こんなことができるのか。こんな表現も可能になったのかと、ゲームのクオリティに驚かされることが多いのですよ」と植草取締役は話す。

 スペックの数字を超えたクオリティというのは、確かに古いPCでは体感できないものに違いない。

 最後に、このイベントは、今後どう育てていくつもりなのだろう。「今回のイベントが1回目となるので、今後とも、単発イベントではなく、PCゲームを盛り上げる定番イベントに育てていきたいというのが当社の考えです。ともかく、最初のイベントなので私どもに不慣れな点もあるかもしれませんが、全力を投じていますので、ぜひお立ち寄りください。来場いただいた皆さんの声が次のイベントにつながって行きます」と呼びかけている。