ソニー「VAIO S VPCSA2ASJ」
~1,600×900ドット液晶搭載の高性能モバイルノート



ソニー「VAIO S VPCSA2AJ」

発売中

直販価格:134,800円~



 2011年春モデル第2弾として発表された「VAIO S」シリーズは、13.3型ワイド液晶を搭載したモバイルノートであり、プレミアムモバイルの「VAIO Z」で培った技術を取り入れ、より手頃な価格帯の製品に位置づけられる製品だ。

 今回、VAIO Sシリーズも夏モデルが登場した。店頭モデルのVAIO S(SB)シリーズは、HDD容量が増えた程度のマイナーチェンジモデルであるが、直販のVAIOオーナーメード専用モデルとしてVAIO S(SA)シリーズが新たに登場した。VAIO S(SA)では、春モデルで不満だった液晶の解像度が1,366×768ドットから、1,600×900ドットに強化されたことで、より魅力的な製品へと進化している。

 今回は、そのVAIO S(SA)を試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。なお、今回試用したのは試作機であり、細部やパフォーマンスなどが製品版とは異なる可能性があるので、注意してほしい。

●店頭モデルよりも薄い厚さ23.3mmのスリムボディを実現

 VAIO S(SA)のボディは、春モデルや店頭モデルのVAIO S(SB)シリーズと基本的には同じ設計で、マグネシウム合金を上下に組み合わせ、側面からは六角形のように見える「ヘキサシェル」デザインを採用している。ただし、VAIO S(SA)では、搭載する液晶パネルが変わったことで、厚さが春モデルや店頭モデルの23.9mmから23.3mmへと0.6mm薄くなっている。また、重量も約1.54~1.75kg(構成により異なる)と、VAIO S(SB)の約1.76kgに比べて軽量化されている。厚さの違いはわずかだが、最軽量時の重量は200g以上軽減されており、携帯性はより向上している。

 ボディカラーも夏モデルでは変更されており、VAIO S(SA)では、グロッシーブラウン、オールブラック、ライトシルバーの3色から選択できる。グロッシーブラウンは、プレミアムカラーとされており、選択すると価格が5,000円アップする。

 VAIO S(SA)はVAIOオーナーメードモデルであり、CPUやメモリ、ストレージなどの仕様をカスタマイズできる。CPUは、Core i7-2620M(2.70GHz)/Core i5-2520M(2.50GHz)/Core i5-2410M(2.30GHz)から選択できるが、試用機には現在の選択肢にはないCore i5-2540M(2.6GHz)が搭載されていた。また、メモリは4GB/6GB/8GBから選択でき、試用機には8GBのメモリが実装されていた。なお、チップセットは春モデルや店頭モデルのVAIO S(SB)では、Intel HM65 Expressだが、VAIO S(SA)は上位のIntel HM67 Expressに変更されている。

 VAIO Sは単体GPUを搭載し、パフォーマンス・スイッチによって単体GPUの有効/無効を切り替えられることが特徴である。店頭モデルでは、単体GPUとしてRadeon HD 6470Mを搭載しているが、VAIOオーナーメードモデルのVAIO S(SA)では、より描画性能が高いRadeon HD 6630Mが搭載されている。

VAIO S(SA)の上面。ボディカラーは全部で3色用意されているが、今回はライトシルバーを試用した「DOS/V POWER REPORT」誌とVAIO S(SA)とのサイズ比較。VAIO S(SA)のほうが、奥行きで14.5mm、横幅で54mmほど大きい
VAIO S(SA)の底面。バッテリもカバーで覆われている底面のカバーを外すと、メモリスロットやSSD、バッテリにアクセスできるメモリスロットとしてSO-DIMMスロットが1基用意されている。オンボードで4GBのメモリが実装されており、SO-DIMMスロットに4GB SO-DIMMを装着することで、最大8GBまでメモリを増設可能。試用機には8GBメモリが搭載されていた

●最大1TBのクアッドSSDを搭載可能

 ストレージの選択肢も充実しており、SSDは1TB/512GB/256GB/128GBから、HDDは750GB/640GB/500GBから選べる。128GB SSDはシングルのSSDだが、256GB以上のSSDは、4基のSSDによるRAID 0構成(クアッドSSD)になっており、非常に高いパフォーマンスを実現する。なお、HDDは500GBのみ7,200rpmで、他は5,400rpmである。光学ドライブは、DVDスーパーマルチドライブまたはBlu-ray Discドライブから選択できる。なお、今回の試用機には、256GB SSDとBlu-ray Discドライブが搭載されていた。

 OSは、Windows 7 Ultimate/Professional/Home Premiumから選択でき(すべて64bit、SP1適用済み)、今回の試用機にはWindows 7 Ultimate 64bitが搭載されていた。

ストレージはHDDやSSDを選択できる。試用機には256GB SSD(64GB×4のクアッド構成)が搭載されていた光学ドライブとして、トレイ式のBlu-ray Discドライブを搭載

●液晶解像度が1,600×900ドットに向上、カメラ画素数もアップ

 VAIO Zの場合は、オーナーメードモデルなら1,920×1,080ドットのフルHD液晶まで選択できたのに対し、春モデルのVAIO Sでは、液晶解像度が1,366×768ドットのみで、高解像度液晶を選べないことが不満であった。夏モデルでも店頭モデルのVAIO S(SB)の液晶は1,366×768ドット固定だが、VAIO S(SA)の液晶解像度は1,600×900ドットに向上しており、一度に表示できる情報量は、約1.37倍に増加した。光沢(グレア)タイプの液晶だが、表面に低反射コートが施されているため、映り込みはかなり少ない。発色も優秀で、優れた液晶だ。液晶上部に搭載されているWebカメラも、春モデルや店頭モデルのVAIO S(SB)の有効画素数約31万画素CMOSセンサーから約131万画素の裏面照射型Exmorセンサーに変更され、画質が向上している。

 キーボードはVAIO Zでもお馴染みのアイソレーションタイプで、キーピッチは約19mm、キーストロークは約2mmと余裕がある。キー配列も標準的で、キーピッチも均等なので、タイピングも快適だ。キーボードにはバックライトが搭載されている。このバックライトはキーボード左上の照度センサーと連動し、自動的に点灯する。ポインティングデバイスとしては、タッチパッドを採用。左右クリックボタンの中央には指紋センサーが搭載されており、セキュリティも十分に確保されている。

 キーボードの左上には、光学ドライブのイジェクトボタンとグラフィックス機能の切り替えを行なうパフォーマンス・スイッチが用意されている。パフォーマンス・スイッチを左側のSTAMINAにすると、CPU統合のグラフィックス機能を利用し、右側のSPEEDにすると、単体GPUのRadeon HD 6630Mが利用される。キーボードの右上には、ASSISTボタン、WEBボタン、VAIOボタン、パワーボタンが用意されており、Windowsを起動せずに、Webブラウズが可能な「Quick Web Access」機能も利用できる。

13.3型ワイド液晶を搭載。解像度が1,600×900ドットに向上したことが嬉しい。低反射コートが施されており、一般的な光沢液晶に比べて映り込みが少ない液晶上部に有効画素数131万画素カメラを搭載。Exmorセンサーを採用キーボードはアイソレーションタイプで、バックライトを搭載。キーピッチは約19mm、キーストロークは約2mmだ
ポインティングデバイスとして、タッチパッドを搭載。左右クリックボタンの間には、指紋センサーが搭載されているキーボード左上には、光学ドライブのイジェクトボタンとパフォーマンス・スイッチが用意されている。パフォーマンス・スイッチにより、単体GPUの有効/無効を切り替えられるキーボード右上には、ASSISTボタンとWEBボタン、VAIOボタン、電源ボタンが用意されている

●USB 3.0やHDMI出力などインターフェイスも充実

 インターフェイスも充実しており、USB 3.0×1とUSB 2.0×2、アナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)、HDMI出力端子、有線LAN(Gigabit Ethernet)などのほか、メモリカードスロットとして、メモリースティックデュオスロットとSDメモリーカードスロットを搭載。ワイヤレス機能として、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LANとBluetooth 2.1+EDRをサポートするほか、WiMAXもサポートしている。また、正面左側にワイヤレススイッチが用意されているので、素早く確実にワイヤレス機能のON/OFFを行なえるのも便利だ。

 バッテリは薄型のリチウムポリマー電池が採用されており、公称約8~9.5時間の駆動が可能だ。さらに底面に拡張バッテリを装着することで、駆動時間は約15.5~19時間へと約2倍に延びる。

左側面には、ヘッドフォン出力とBlu-ray Discドライブが用意されている右側面には、メモリースティックデュオスロット、SDメモリーカードスロット、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 3.0、USB 2.0×2、有線LANが用意されている正面左側には、ワイヤレススイッチが用意されており、ワイヤレス機能のON/OFFを行なえるので便利だ
VAIO S(SA)の標準バッテリ。薄型のリチウムポリマー電池を採用標準バッテリの仕様は11.1V/4,400mAhであるCDケース(左)とバッテリのサイズ比較
ACアダプタのサイズは標準的だCDケース(左)とACアダプタのサイズ比較

●拡張バッテリとドッキングステーションを同時に装着可能

 VAIO Sは、オプションが充実していることも魅力だ。今回は、オプションの拡張バッテリとドッキングステーションも試用することができたので、そちらもあわせて紹介したい。

 底面には、拡張バッテリ接続用とドッキングステーション接続用のコネクタが用意されているが、どちらも柔らかい樹脂製カバーで覆われている。拡張バッテリやドッキングステーションを接続する際にには、カバーを外す必要があるが、カバーを紛失してしまう恐れがある。

 拡張バッテリは、標準バッテリと同じ容量で、座布団のように本体の下に装着される。拡張バッテリには充電アダプタが付属しており、本体に付属するACアダプタを接続することで、拡張バッテリ単体での充電が可能だ。拡張バッテリ装着時の充放電の順序もよく考えられており、標準バッテリと拡張バッテリの両方が十分に充電されている場合は、拡張バッテリから電力が優先して供給され、標準バッテリの消費を抑制できる。拡張バッテリの電力をすべて使い切ったら、標準バッテリから電力が供給されるので、拡張バッテリを外して単体充電できる。反対に充電は、拡張バッテリを装着していても、内蔵バッテリが優先され、内蔵バッテリが80%まで急速充電されると、拡張バッテリへの急速充電が開始される。拡張バッテリが80%まで急速充電されると、内蔵バッテリの残りの20%の充電が行なわれ、最後に拡張バッテリの残りの20%が充電されるという順番だ。

 実際に、バッテリベンチマークソフトの「BBench」(海人氏作)を利用し、1分ごとに無線LAN経由でのWebサイトへのアクセス、10秒ごとにキー入力を行なう設定でバッテリ駆動時間を計測したところ、標準バッテリのみ搭載時は、STAMINAモード(CPU内蔵グラフィックス機能利用時)で5時間52分、SPEEDモード(Radeon HD 6630M利用時)で4時間9分という結果になった。拡張バッテリを装着すると、STAMINAモードで12時間4分、SPEEDモードで7時間38分という結果になり、2倍程度駆動時間が延びている。拡張バッテリを装着すれば、1日フルに使う場合でも、電池残量を気にする必要はなさそうだ。

 ドッキングステーションも本体底面に装着する機器だが、ドッキングステーションにはUSB 2.0×4や有線LAN×2、アナログRGB出力、HDMI出力が用意されており、VAIO S(SA)をデスクトップPC代わりに使うときに便利だ。ドッキングステーションを装着すると、本体に傾斜が付き、タイピングしやすくなる。

 拡張バッテリとドッキングステーションを同時に装着できるようなギミックが採用されていることも面白い。同時に装着する場合は、まず拡張バッテリを本体底面に装着し、その下にドッキングステーションを装着するのだが、当然、そのままではコネクタが届かない。しかし、ドッキングステーションの右側面のレバーを左に動かすことで、ドッキングステーションのコネクタ部分が上にせり上がり、拡張バッテリを装着したVAIO S本体のコネクタに届くようになるのだ。拡張バッテリとドッキングステーションを同時に装着すると、かなり見た目がごつくなるが、オフィスでは両方を装着したまま使い、外出の際には、外での利用時間に応じて本体のみ、あるいは本体+拡張バッテリを持ち出すといった使い方が考えられる。

底面には、拡張バッテリ接続用とドッキングステーション接続用のコネクタが用意されている各コネクタは、柔らかい樹脂製カバーで覆われており、使うときにはカバーを外す必要がある
オプションの拡張バッテリ。本体の底面に装着する。拡張バッテリも、標準バッテリと同じ11.1V/4,400mAhという仕様だ拡張バッテリを底面に装着したところ拡張バッテリにはロック機構があり、勝手に外れないようになっている
拡張バッテリには、充電アダプタが付属する充電アダプタの背面
拡張バッテリに充電アダプタを装着したところ充電アダプタに本体付属のACアダプタの電源ケーブルを接続することで、拡張バッテリを単体で充電できる
オプションのドッキングステーション上面ドッキングステーションの背面には、USB 2.0×4、有線LAN×2、HDMI出力、アナログRGB出力が用意されているドッキングステーションにVAIO S(SA)を装着したところの上面
ドッキングステーションにVAIO S(SA)を装着したところの右側面。このように傾斜が付き、タイピングしやすくなるドッキングステーションにVAIO S(SA)を装着したところの背面ドッキングステーションの右側面には、レバーが用意されており、拡張バッテリ装着時には左側に動かす必要がある
レバーを左側に動かすと、接続コネクタが上にせり上がるこれは通常利用時の状態レバーを左側に動かすと、コネクタ部分が上にせり上がる
拡張バッテリとドッキングステーションを同時に装着したところの上面拡張バッテリとドッキングステーションを同時に装着したところの左側面拡張バッテリとドッキングステーションを同時に装着したところの右側面

●クアッドSSD搭載で非常に快適な環境を実現

 参考のためにベンチマークテストを行なってみた。利用したベンチマークプログラムは、「PCMark05」、「PCMark Vantage」、「3DMark03」、「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」、「ストリーム出力テスト for 地デジ」、「CrystalDiskMark」で、比較用として、NECの「LaVie S」、富士通の「LIFEBOOK SH76/C」、ソニーの「VAIO S」(春モデルの店頭モデル)の値も掲載した。VAIO S(SA)および春モデルのVAIO Sについては、SPEEDモードとSTAMINAモードの両方で計測を行なった。

 第2世代Core iシリーズを搭載したLaVie SやLIFEBOOK SH76/C、春モデル(店頭モデル)のVAIO Sなどと比べても、VAIO S(SA)の結果は優秀だ。特にクアッドSSDの威力は大きく、ディスク系ベンチマークテストでは、HDD搭載モデルの5倍程度のスコアを叩き出している。Windowsエクスペリエンスインデックスでも、プライマリハードディスクは最高の7.9となっており、ディスク性能は非常に高いといえる。


VAIO S(SA) (SPEEDモード)VAIO S(SA) (STAMINAモード)LaVie S LS550/ESLIFEBOOK SH76/CVAIO S春 (SPEEDモード)VAIO S春 (STAMINAモード)
CPUCore i5-2540M (2.60GHz)Core i5-2540M (2.60GHz)Core i5-2410M (2.30GHz)Core i5-2520M (2.50GHz)Core i5-2410M (2.30GHz)Core i5-2410M (2.30GHz)
ビデオチップRadeon HD 6630MCPU内蔵コアCPU内蔵コアCPU内蔵コアRadeon HD 6470MCPU内蔵コア
PCMark05
PCMarksN/AN/AN/A7584N/AN/A
CPU Score959496087709921181608163
Memory Score10256102558588984679208060
Graphics Score760851224580528860224067
HDD Score34742339095616567653725324
PCMark Vantage 64bit
PCMark Score10239100195736718857695343
Memories Score617354834088426339743424
TV and Movie Score476749374271459438393813
Gaming Score1037080274409486446483884
Music Score12876129966394678458395726
Communications Score12045122896305961554385388
Productivity Score820181343117524146354556
HDD Score17903176493669359332433239
PCMark Vantage 32bit
PCMark Score992193415317686454384905
Memories Score594352273902408137593455
TV and Movie Score474649004297450937643593
Gaming Score860273824121407840683385
Music Score12005121935884630856705177
Communications Score11255112126218884050854773
Productivity Score779776092901480742094144
HDD Score17788177803662365832423262
3DMark03
1,024×768ドット32bitカラー(3Dmarks)2044111117932511005121157450
CPU Score257317251533140221261355
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
HIGH771540093586385068783428
LOW1051957665273556898935112
ストリーム出力テスト for 地デジ
DP99.9799.9710010099.9799.97
HP99.9710010010099.9799.97
SP/LP10099.9799.9799.9799.97100
LLP99.9799.9710099.9799.9799.97
DP(CPU負荷)121214131720
HP(CPU負荷)568679
SP/LP(CPU負荷)345446
LLP(CPU負荷)334335
CrystalDiskMark 2.2
シーケンシャルリード673.2MB/s665.5MB/s88.69MB/s71.50MB/s81.37MB/s78.12MB/s
シーケンシャルライト652.6MB/s644.2MB/s89.30MB/s72.73MB/s80.86MB/s77.74MB/s
512Kランダムリード431.1MB/s418.7MB/s35.77MB/s36.46MB/s31.90MB/s31.53MB/s
512Kランダムライト636.1MB/s644.6MB/s55.99MB/s63.73MB/s33.41MB/s32.22MB/s
4Kランダムリード13.95MB/s13.89MB/s0.456MB/s0.558MB/s0.415MB/s0.409MB/s
4Kランダムライト31.67MB/s31.64MB/s0.847MB/s1.149MB/s1.143MB/s1.103MB/s
BBench
Sバッテリ(標準バッテリ)4時間9分5時間52分2時間10分5時間57分3時間37分5時間36分
Lバッテリ7時間38分12時間4分なし未計測未計測未計測
Xバッテリなしなしなしなしなしなし

SPEEDモードでのWindowsエクスペリエンスインデックスの値。一番低いグラフィックスでも、スコアは6.7と優秀だSTAMINAモードでのWindowsエクスペリエンスインデックスの値。グラフィックスのスコアが1下がっている

 グラフィックス性能に関しても、CPU内蔵グラフィックス機能を利用する製品はもちろんのこと、Radeon HD 6470Mを搭載する春モデルのVAIO Sと比べても、かなり高いスコアとなっている。そこで、SPEEDモードで、「ストリートファイターIVベンチマーク」と「バイオハザード5ベンチマークテスト」を実行したところ(解像度は1,280×720ドットモード)、前者が92.47fps、後者が44.1fpsという結果になった。ちなみに、春モデル(店頭モデル)のVAIO Sで同じテストを行なったところ、前者は62.74fps、後者が30.1fpsという結果であり、かなり描画性能が向上しているといえる。ストリートファイターIVのような、比較的軽めのゲームはもちろん、バイオハザード5クラスのやや重いゲームでも、解像度を落とせば十分遊べるパフォーマンスだ。

●解像度が向上し、弱点がなくなったハイパフォーマンスモバイル

 夏モデルで新たに追加されたVAIO S(SA)は、気軽に持ち歩けるサイズと重量を実現したモバイルノートでありながら、単体GPUやクアッドSSDの搭載により、一般的なA4ノートを上回るパフォーマンスを実現していることが最大のウリだ。拡張バッテリやドッキングステーションなどが用意されており、用途やシーンに応じて拡張できることも魅力だ。春モデルのVAIO Sもバランスがとれたマシンであったが、やはりVAIO Zと比較すると、解像度が低いことが気になっていた。しかし、VAIO S(SA)は、その唯一ともいえる弱点が解消されたことにより、メインマシンとしても快適に使える高性能モバイルノートとして、幅広い層にお勧めできる。

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(2011年 6月 17日)

[Text by 石井 英男]