Hothotレビュー

ワコム「Cintiq Companion 2」

〜RAW現像・動画編集もこなすクリエイティブ系タブレットPC

ワコム「Cintiq Companion 2」

 ワコムはWindows 8.1搭載タブレットPC「Cintiq Companion 2」の最上位モデル「DTH-W1310H/K0」を5月15日に発売した。

 BroadwellアーキテクチャのCore i7-5557Uを搭載した本モデルは、1月6日に発表、2月20日に発売された下位ラインナップより大幅に遅れて登場したことになる。今回、DTH-W1310H/K0の製品版を短期間ではあるが試用する機会を得たので、タブレットPCとして見た立場からのレビューをお届けしたい。

描くことに特化した豊富な同梱品

 本製品は正確には単なる「タブレットPC」ではなく「ペンタブレットPC」であり、絵を描くために特化した道具として世に送り出された製品だ。そのためパッケージには、本体、スタンド、ACアダプタ、プロペン(デジタルスタイラス)、カラーペンリング、ペンケース、替え芯、芯抜き、ソフトケース、クリーニングクロス、Cintiq Connextケーブル(PC、Mac接続用ケーブル)、そしてクイックスタートガイドと、通常のタブレットPCには含まれない付属品も多く同梱されている。

パッケージ。ワールドワイドに製品を展開しているワコムだけに、売り文句が羅列しないシンプルなデザインだ
ACアダプタ。重量はケーブルと合わせて実測440g
プロペン(デジタルスタイラス)。ペン先を保護するために未使用時はケースに収納しておくことが推奨されている。替え芯が9本も同梱されているのはプロ向けならではの配慮だろう
カラーペンリング。黒、赤、青、緑の4色が用意されている
芯抜き。専用工具が用意されているのはペンタブレットの老舗であるワコムならでは
クリーニングクロス。細かい繊維を束ねて突起させた独特のテクスチャ加工が施されており、タッチパネルディスプレイ表面の汚れを手早く落とせる
スタンド。3段階の調節機構がついている
Cintiq Connextケーブル(PC、Mac接続用ケーブル)。本体側は専用端子1つのみ。PCやMacと接続する側はHDMI端子とUSB端子に分岐している
ソフトケース。ポケットが用意されているが、ACアダプタ、ペンケース、PC接続用ケーブル全てを入れられるほどの容積はない

常時携帯するのは厳しい重量

 DTH-W1310H/K0を始めCintiq Companion 2の外観は共通で、サイズ、重量も同じだ。サイズは374.1×247.7×17.0mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.7kgとなっており、タブレットPCとして常時携帯するのは少々厳しい。

 とは言え13.3型(293.76×165.24mm)の描画面積を確保したためのサイズと重量なのだから、マイナスポイントとして見なすのは酷というものだろう。

 インターフェイスはUSB 3.0×3、Mini DisplayPort、SDカードスロット、microSDカードスロット、ヘッドフォン端子、電源端子を用意。SDカードだけでなくmicroSDカードもすぐ挿せるので、スマートフォンなどのmicroSDカード内の画像データもすぐに読み込める。なおSDカードは挿入時に頭が少し飛び出す仕様となっているが、本製品を持ち運ぶ機会は少ないと思われる上、MacBook Proなども同じ仕様なので、むしろ抜き差ししやすい利点と筆者は感じた。

 本体正面には、Windowsボタン、リングキー、そして6つのファンクションキーが用意されている。これらのキーには、専用ユーティリティー「ワコムデスクトップセンター」で、各種機能を割り当てることが可能。

 電源端子が側面中央に配置されているのはタブレットPCとしては珍しい。利き手に合わせて左右を逆に置いた際に、電源端子が高い位置からぶら下がらないので、理にかなった構造だ。

本体正面。向かって左にはWindowsボタン、リングキー、ファンクションキーを配置。画面左上には調光センサー、画面中央には前面カメラ(200万画素)、画面下にはステレオスピーカーが配置されている
本体背面。上下中央に設けられているのはスタンド用のスリット。本体下部右には背面カメラ(800万画素)が用意されている。上下、左の側面近くにあるのは冷却用通気口
本体上面
本体底面
本体左側面。左からボリュームボタン、電源スイッチ、マイク×2、自動回転切り替えスイッチ、セキュリティースロット
本体右側面。左からヘッドフォン端子、USB 3.0×1、Cintiq Connextケーブル(PC、Mac接続用ケーブル)用端子、Mini DisplayPort、SDカードスロット、電源ランプ、電源端子、USB 3.0×2、microSDカードスロット
SDカードスロットにはプッシュロック・プッシュイジェクト機構は備えられていない
重量は公称約1.7kgのところ、実測でわずかに軽い1,694gだった
Cintiq Companionではファンクションキーが4つだったが、Cintiq Companion 2では6つに増やされた
端子側を左右どちら向きに置いても、電源ケーブルが高い位置から垂れ下がらないように、電源端子は中央に配置されていると思われる

3段階調節のスタンドは強い筆圧でもずれない

 DTH-W1310H/K0に標準で同梱されているスタンドは22度、35度、50度の3段階調節式。Surface Pro 3やVAIO Z Canvasのような無段階調節式ではないが、本体背面のスタンドスロットに、スタンド側のタブをしっかりはめ込むので、どんなに強い筆圧でもずれることがない。

 直近でVAIO Z Canvasを試用した筆者の正直な感想としては、強い筆圧でダイナミックな線を描くのであれば、本製品のような固定式スタンドのほうが向いているように思う。もちろん理想は、どちらの製品においても、本体に無段階調節式のスタンドが備わっており、同梱品として3段階調節式の固定スタンドが用意されていることだ。

スタンド底面。上下にすべり止めとなる黒いラバーが貼られている
角度調節は3段階。使用するスタンドのみを引き上げる仕組みだ
設定されている角度は22度、35度、50度。筆者が一番筆記しやすかったのは22度だった
手の根本で強く押しても、ずれたり、スタンドがはずれてしまうことはなかった

前モデルよりディスプレイ解像度が向上

 Cintiq Companion 2が搭載するディスプレイは、13.3型WQHD(2,560×1,440ドット)のIPS液晶。Cintiq Companionが搭載していた13.3型フルHD(1,920×1,080ドット)と比べると、165dpiから220dpiへと、約1.3倍解像度が向上している。ディスプレイサイズが13.3型と大きいが、ドットは肉眼で視認できるレベルではない。プロ仕様のクリエイティブワークに十分応える解像度ではないだろうか。

 コントラスト比が700:1から720:1に向上しているが、最大輝度が210cd/平方mから150cd/平方mに、視野角が水平/垂直ともに178度から、水平/垂直ともに170度へスペックダウンしている。ただし、筆者が室内光下での利用で輝度に不満を感じなかったことは強調しておこう。

 Cintiq Companion 2とCintiq Companionの主な仕様は下記の通り。


Cintiq Companion 2 Cintiq Companion
表示サイズ/アスペクト比 13.3型(293.76×165.24 mm)/16:9 13.3型(293.76×165.24mm)/16:9
最大表示解像度 WQHD(2,560×1,440ドット) フルHD(1,920×1,080ドット)
液晶方式 IPS方式 IPS方式
画素ピッチ 0.11475×0.11475 mm 0.15×0.15 mm
解像度 220dpi 165dpi
最大表示色/色域 1,677万色/AdobeRGBカバー率75% 1,677万色/AdobeRGBカバー率75%
応答速度 25 ms 25 ms
最大輝度 150 cd/平方m 210 cd/平方m
コントラスト比 720:1 700:1
視野角 水平170度、垂直170度 水平178度、垂直178度

【お詫びと訂正】初出時に、「Cintiq Companion」の仕様を1,677万色/256階調としておりましたが、1,677万色/AdobeRGBカバー率75%の誤りです。お詫びして訂正させていただきます。

13.3型WQHD(2,560×1,440ドット、16:9)を搭載。解像度は220dpiと、15インチのMacBook Pro Retinaディスプレイモデル(2,880×1,800ドット)と同等だ※リンク先1,500万画素
色域はAdobeRGBカバー率75%。プロがスタジオクオリティーの写真などを現像する際には物足りないかもしれない※リンク先1,500万画素

スタイラスは前シリーズと同等品

 Cintiq Companion 2に同梱されているプロペン(デジタルスタイラス)は、読み取り方式が電磁誘導方式、読み取り分解能が最高0.005mmで、読み取り精度±0.5mm、読み取り可能高さ5mm、傾き検出レベル±60レベル、筆圧レベル2,048レベルと、前シリーズのCintiq Companionと同等品。静電結合方式のタッチに対応するのも同様だ。

 それを踏まえて書き味をお伝えすると、とにかく滑らかの一言に尽きる。ペン先とタッチパネルディスプレイ表面の摩擦係数のチューニングがよほど絶妙なのか、自分のイメージしたとおりに線を描けた。デジタルスタイラスを採用したペンタブレットやスマートフォンをこれまでもいくつか使ってきたが、もっとも書き味がよかったということは断言できる。

プロペンには、2つのサイドスイッチとテールスイッチにも機能が割り当てられている。消しゴム機能に対応しているアプリケーションであれば、テールスイッチを消しゴム代わりに使える
特定のファンクションキーにポップアップメニューを登録しておけば、ペン先の正面にポップアップメニューがワンタッチで表示し、すぐコマンドを実行できる
ペンの感触は、クリック圧、筆圧感度、最大筆圧の3つのパラメーターを調整することで自由に変更でき、すぐ試し描きで書き味を確認可能
ペンの感触を標準設定に戻して、書き味を試してみた。筆者の場合は少し筆圧感度を弱めた方が、書き終わりのハネを解消できそうだ
どんなに早く描いても描線が追従する。なお、後ろで流れる環境音はエアコンの音だ

ペンタブレットとしてだけ使うのは惜しいハイスペック

 DTH-W1310H/K0はCintiq Companion 2の最上位モデルであり、CPUはTDP28WのCore i7-5557U(3.10GHz、ビデオ機能内蔵)、CPU内蔵GPUはIntel Iris Graphics 6100、メモリはPC3L-12800 DDR3 SDRAMを16GB、SSDは512GBを搭載する。このスペックはVAIO株式会社から2月26日に発売された「VAIO Z」の最上位構成と同じ。正直、ペンタブレットとしてだけ使うのには惜しいスペックだ。

Cintiq Companion 2シリーズスペック比較

DTH-W1310H/K0 DTH-W1310M/K0 DTH-W1310L/K0 DTH-W1310T/K0
CPU Core i7 5557U(3.10GHz) Core i7-4558U(2.80GHz) Core i5-4258U(2.40GHz) Core i3-4005U(1.70GHz)
GPU Intel Iris Graphics 6100 Intel Iris Graphics 5100 Intel Iris Graphics 5100 Intel HD graphics 4400
メモリ PC3L-12800 DDR3 SDRAM 16GB PC3L-12800 DDR3 SDRAM 8GB PC3L-12800 DDR3 SDRAM 8GB PC3L-12800 DDR3 SDRAM 4GB
ストレージ 512GB SSD 256GB SSD 128GB SSD 64GB SSD
OS Windows 8.1 Pro Update 64bit Windows 8.1 Pro Update 64bit Windows 8.1 Update 64bit Windows 8.1 Update 64bit
税込価格 365,040円 289,440円 224,660円 192,240円

 CPUにCore i3-4005U(1.70GHz)、メモリ4GB、SSD64GBを搭載した「DTH-W1310T/K0」が税込192,240円、CPUにCore i5-4258U(2.40GHz)、メモリ8GB、SSD128GBを搭載した「DTH-W1310L/K0」が税込224,640円、CPUにCore i7-4558U(2.80GHz)、メモリ8GB、SSD256GBを搭載した「DTH-W1310M/K0」が289,440円、そしてDTH-W1310H/K0が税込365,040円と、ラインナップ最上位と最下位で172,800円の差がある。単体のクリエイティブタブレットPCとして使うのか、それともPCやMacに繋いで液晶ペンタブレットとして活用するのか、はたまたその両方なのか、自身の用途を見極めたうえで購入するモデルを選びたい。

SSD以外はVAIO Zを上回るベンチマークスコアを記録

 今回ベンチマークの比較対象機種として、VAIO株式会社の「VAIO Z Canvas」と「VAIO Z」を用いた。ベンチマークプログラムには、「PCMark 8 v2.4.304」、「PCMark 7 v1.4.0」、「3DMark v1.5.893」、「CINEBENCH R15」、「モンスターハンターフロンティアベンチマーク大討伐」、「CrystalDiskMark 4.0.3」を使用した。合わせて、実アプリのパフォーマンスを計測するために「Adobe Photoshop Lightroom」、「Adobe Premiere Pro CC」、連続動作時間を計測するために「BBench」を使用している。

ベンチマーク結果

Cintiq Companion 2 DTH-W1310H/K0 VAIO Z Canvas VAIO Z
CPU Core i7-5557U(3.10GHz/3.40GHz) Core i7-4770HQ(2.20/3.40GHz) Core i7-5557U(3.10/3.40GHz)
GPU Intel Iris Graphics 6100 Intel Iris Pro Graphics 5200 Intel Iris Graphics 6100
メモリ PC3L-12800 DDR3 SDRAM 16GB PC3L-12800 DDR3 SDRAM 16GB PC3L-12800 DDR3 SDRAM 16GB
ストレージ 512GB SSD 512GB SSD 512GB SSD
OS Windows 8.1 Pro Update 64bit Windows 8.1 Pro Update 64bit Windows 8.1 Pro Update 64bit
PCMark 8 v2.4.304
Home Accelarated 3.0 3425 3496 3032
Creative Accelarated 3.0 4629 4793 4052
Work 2.0 4141 4087 3948
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score 5785 6206 5921
3DMark v1.5.893
Ice Storm 56293 74075 57910
Graphics Score 63103 95558 65293
Physics Score 40860 41456 41491
Cloud Gate 6496 10239 6123
Graphics Score 8119 13048 7688
Physics Score 3822 5840 3576
Sky Diver 4156 5906 3950
Graphics Score 4058 5649 3864
Physics Score 4903 7973 4621
Combined score 3969 5641 3764
Fire Strkle 1022 1389 954
Graphics Score 1064 1448 1014
Physics Score 5447 8113 5079
Combined score 407 545 359
CINEBENCH R15
OpenGL 36.22 fps 53.69 fps 35.91 fps
CPU 331 cb 596 cb 335 cb
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット 3984 6928 3636
SSDをCrystalDiskMark 4.0.3で計測
Q32T1 シーケンシャルリード 542.448 MB/s 2434.684 MB/s 1434.865 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト 519.370 MB/s 1578.017 MB/s 1599.231 MB/s
4K Q32TI ランダムリード 381.414 MB/s 499.233 MB/s 321.725 MB/s
4K Q32TI ランダムライト 237.395 MB/s 392.460 MB/s 292.421 MB/s
シーケンシャルリード 532.907 MB/s 1195.667 MB/s 1182.345 MB/s
シーケンシャルライト 489.758 MB/s 1574.758 MB/s 1488.325 MB/s
4K ランダムリード 24.839 MB/s 43.239 MB/s 45.665 MB/s
4K ランダムライト 107.905 MB/s 113.138 MB/s 118.280 MB/s
SDカードをCrystalDiskMark 4.0.3で計測(SanDisk Extreme Pro 45MB/s SDHC UHS-I)
Q32T1 シーケンシャルリード 44.666 MB/s 43.612 MB/s 22.386 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト 42.652 MB/s 41.020 MB/s 22.911 MB/s
4K Q32TI ランダムリード 3.762 MB/s 2.211 MB/s 3.251 MB/s
4K Q32TI ランダムライト 1.677 MB/s 1.543 MB/s 1.489 MB/s
シーケンシャルリード 45.930 MB/s 44.882 MB/s 25.166 MB/s
シーケンシャルライト 44.465 MB/s 43.416 MB/s 27.053 MB/s
4K ランダムリード 3.529 MB/s 3.312 MB/s 2.699 MB/s
4K ランダムライト 1.528 MB/s 1.358 MB/s 1.313 MB/s
SDカードをCrystalDiskMark 4.0.3で計測(SanDisk Extreme Pro 280MB/s SDHC UHS-II)
Q32T1 シーケンシャルリード 45.189 MB/s 253.759 MB/s 22.099 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト 42.227 MB/s 229.357 MB/s 19.109 MB/s
4K Q32TI ランダムリード 7.470 MB/s 7.377 MB/s 3.562 MB/s
4K Q32TI ランダムライト 1.716 MB/s 1.822 MB/s 1.471 MB/s
シーケンシャルリード 46.563 MB/s 180.562 MB/s 24.746 MB/s
シーケンシャルライト 42.990 MB/s 231.741 MB/s 25.587 MB/s
4K ランダムリード 4.793 MB/s 5.539 MB/s 3.773 MB/s
4K ランダムライト 1.567 MB/s 1.658 MB/s 1.331 MB/s
100枚(907MB)の画像をファイルコピー(SanDisk Extreme Pro 45MB/s SDHC UHS-I)
SSD→SDカード 27秒26 27秒62 42秒59
SDカード→SSD 21秒29 21秒59 36秒12
100枚(907MB)の画像をファイルコピー(SanDisk Extreme Pro 280MB/s SDHC UHS-II)
SSD→SDカード 28秒97 11秒65 44秒06
SDカード→SSD 21秒22 6秒30 36秒16
Adobe Photoshop Lightroomで50枚のRAW画像を現像
4,912×3,264ドット、自動階調 5分13秒18 3分13秒60 5分29秒54
Adobe Premiere Pro CCで実時間4分53秒の動画を書き出し
1,280×720ドット 13分08秒11 9分47秒92 14分01秒06
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%)
バッテリ残量5%まで 3時間16分 4時間23分 6時間54分

 前述のとおり、DTH-W1310H/K0はVAIO Zとほぼ同スペックだが、PCMark 7、3DMarkのIce Storm、CINEBENCH R15のCPU、CrystalDiskMarkのシーケンシャルリード・ライト(SSD)以外は、僅差ではあるがVAIO Zを上回るスコアを記録している。VAIO Zが大きく上回っているのはSSDのパフォーマンスということになるが、体感速度を大きく左右するランダムリード・ライトに大きな開きはないので、アプリケーションの実使用感に差はなさそうだ。

 SDメモリーカードスロットのファイルコピー速度については、UHS-I対応のSDメモリーカードではDTH-W1310H/K0とVAIO Z CanvasがVAIO Zを上回り、UHS-II対応のSDメモリーカードではVAIO Z Canvas、DTH-W1310H/K0、VAIO Zの順にハッキリと差が開いた。スペック表には記載されていないが、DTH-W1310H/K0はUHS-I対応のSDメモリーカードスロットを採用している模様だ。

 DTH-W1310H/K0をバッテリ運用した際の連続動作時間は3時間16分。BBenchでキーストローク出力とWeb巡回を有効にした状態で3時間を超えるのであれば、13.3型のタブレットPCとしては十分な連続動作時間と言えるだろう。

 なお、ベンチマーク実施時の発熱が高めなのは気になった。室温26度設定の部屋で、モンスターハンターフロンティアベンチマーク大討伐のベンチマークを10周させたあとの表面温度を放射温度計で計測したところ、45.9度に達する箇所があった。デジタルスタイラスで絵を描いているときにこのような温度に達することはないだろうが、RAW画像の連続現像などを実行しているときに、別作業で画面に手を置く際などに気に留めておきたい傾向だ。

本体正面を4×4の16区画に分けて、その区画内の最高表面温度を計測した
本体正面右の上下背面には冷却用通気口がある。その付近の熱が集中しているようだ

カメラ画質

 クリエイティブタブレットPCとして使う際、素材を取り込むために背面カメラを使う機会もあるだろう。今回その用途を想定し、背面カメラで数点写真を撮影してみた。

作例※リンク先は3,264×1,836ドット

 最新スマートフォンのカメラ画質にはもちろん及ばないが、見た目に忠実な色合いで撮影できていることに正直驚いた。また花の写真を見ていただきたいが、接写した際は背景が綺麗にボケており、好ましい絵面に仕上がっている。わざわざ本製品で写真を撮影する必要はないだろうが、ちょっとした背景素材が欲しい時、もしくは下絵にするための資料用の写真を撮影する時には十二分に活躍してくれそうだ。

13.3型の大画面とペンの書き味が魅力

据置型としてこんな使い方もあり?

 DTH-W1310H/K0はシリーズ最上位モデルだけに、RAW画像の現像や動画のエンコードにも十分使えるだけのパフォーマンスを備えている。とは言え税込365,040円は、ちょっとしたデスクトップPCと、Cintiq Companion 2の最下位モデルをセットで購入できる価格だ。となると、クリエイティブタブレットPCとして単体で使うことの方が多いのか、それとも液晶ペンタブレットとして活用する機会が多いのかが、本製品を買うにあたっての分かれ道となるだろう。もし前者が主目的なのであれば、13.3型の大画面で最適にチューニングされたデジタルスタイラスを駆使して、クリエイティブ活動に没頭できるDTH-W1310H/K0の価格は決して高くはないと言えよう。

(ジャイアン鈴木)