~本体機能や周辺機器をチェック |
KDDIから4月8日に発売された、MOTOROLA製Android 3.0タブレット「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11Mは、発売直後にフォトレビューをお届けしたが、今回はもう少し詳しいレビューをお届けする。
●デュアルコアプロセッサTegra 2搭載まず、改めてMOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M(以下、XOOM)のハードウェアスペックを確認しておこう。
搭載しているプロセッサは、NVIDIA製のデュアルコアプロセッサ「Tegra 2(Tegra 250)」。動作クロックは1GHzで、グラフィックス機能となるULP GeForce GPUを内蔵している。内蔵ストレージ容量は32GBで、microSDカードスロットは最大32GBのmicroSDカードを取り付け、外部ストレージとして利用できる。ただし、現時点ではmicroSDカードスロットは動作せず、後日アップデートにより利用可能になるとされている。ちなみに、5月中旬時点でも詳しいアップデートスケジュールは発表されておらず、いつmicroSDカードスロットが利用可能になるかわからない。
液晶パネルは、1,280×800ドット表示対応の10.1型液晶を搭載。液晶パネル表面には静電容量方式のタッチパネルが取り付けられている。カメラ機能は、本体裏面に約500万画素のメインカメラと、液晶面に約200万画素のWebカメラを搭載。メインカメラ側にはLEDフラッシュも搭載している。通信機能は、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANとBluetooth 2.1+EDRを標準搭載。北米市場では、3G機能搭載モデルもラインナップされているが、KDDIが販売するのはWi-Fiモデルのみとなる。センサー類は、GPS、加速度センサー、ジャイロセンサー、電子コンパスに気圧センサーを搭載している。
本体サイズは、249×167×12.9mm(幅×奥行き×高さ)。フォトレビューでは初代iPadと比較したが、今回は同じAndroid 3.0タブレットであるNTTドコモの「Optimus Pad」と比較してみた。Optomus Padは、XOOMよりひとまわり小さい8.9型液晶パネルを採用していることもあり、243×150×12.8~14.1mm(同)と、幅、奥行きともに小さくなっている。ただ、Optimus Padは液晶ベゼル部がやや広く取られていることもあってか、実際に並べてみると、奥行きはともかく横幅はそれほど大きな違いがない。
重量は、公称値で約700g、実測は696g。Optimus Padの重量は約620gと80gほどの差があり、手にするとその違いがよくわかる。とはいえ、Optimus Padも軽いというレベルではなく、どちらもずっしり重いという印象は強く受ける。
本体底面には、micro USB Bタイプコネクタ、Micro HDMIコネクタ、電源コネクタが並んでいる。PCとXOOMをUSBケーブルで接続すると、PC側ではXOOMがポータブルデバイスとして認識され、エクスプローラを利用してファイルのコピーなどが行なえる。内蔵バッテリの充電は、付属のACアダプタを利用して行なう必要があり、USB経由での充電には対応していない。また、XOOMにはUSBケーブルなどのケーブル類は一切付属していないため、別途用意する必要がある。
●内蔵カメラの画質はあまり優れない
XOOMには、裏面側に約500万画素のメインカメラ、液晶側に約200万画素のWebカメラが搭載されている。そして、メインカメラでは、静止画およびHD動画(720p)の撮影が可能となっている。そこで、実際にメインカメラで静止画およびHD動画を撮影してみた。実際に撮影したデータを掲載するので、そちらを参照してもらいたい。
まず静止画だが、解像感はまずまずだが、細かな部分が潰れていたり、偽色も確認でき、あまり品質は高くない。個人的には、2~3世代ぐらい前の携帯電話のカメラ機能に近い画質といった印象で、メモ程度であれば活用できそうだが、積極的に利用するには少々厳しいと感じた。
動画に関しては、720p(1,280×768ドット)と解像度が低いこともあって、静止画ほど画質の低さは感じられない。ただ、本体が大きく重い上に、補正がほとんど効かないことから、撮影動画はかなり手ぶれがひどく感じられる。また、高速に動いているものを撮影すると、大きなゆがみも発生する。この点に関しては、CMOS特有の問題であり、仕方のない部分かもしれないが、やはり気になってしまう。
XOOMは本体が大きく重いため、カメラ機能を積極的に利用することはあまり無いかもしれない。とはいえ、せっかくカメラを搭載しているのだから、もう少し画質にも気を遣ってもらいたかったように思う。
裏面には、約500万画素のメインカメラを搭載。横にはLEDフラッシュも搭載している | XOOMで撮影した静止画像。細かな部分が潰れ、偽色も見え、画質はそれほど優れない |
【動画1】XOOMで撮影した720pの3gp動画をFLVに変換/リサイズしたもの。解像度が低いため、静止画ほど画質は悪くないが、本体が重く大きいため、手ぶれしやすい |
●動作は軽快だが、動画再生には少々難あり
筆者は、発売日にXOOMを入手し、1カ月ほど利用したが、動作は非常に軽快でストレスを感じる場面が非常に少ない。筆者は、KDDIのスマートフォンである「IS03」も利用しているが、IS03ではさまざまなアプリで動作が重く、ストレスを感じる場面がかなりある。しかし、XOOMではそういった動作の重さを感じる場面はほとんどない。
ホーム画面の切り替えは非常にスムーズだし、アプリの起動も高速で、待たされると感じる場面はほとんどない。また、Android 3.0はFlash Playerに対応しており、Flashを利用したWebサイトへのアクセスはもちろん、YouTubeやニコニコ動画などのWeb動画サイトも全く問題なくアクセスできる点は嬉しい。Flashを利用したWebサイトは、非常に多く存在していることを考えると、XOOMのライバルとなるiPad/iPad 2に対する明らかな優位点と言っていいだろう。
ちなみに、ニコニコ動画では、掲載されている動画の形式によって、スムーズに再生できないこともあるが、大半の動画がスムーズに再生でき、コメントも引っかかることなく流れる。ただし、XOOMからはコメントを日本語で入力できない。これは、XOOMやAndroid 3.0の問題ではなく、Flash Player 10.3問題のようだ。より正確にはFlash PlayerとiWnnの組み合わせで発生する症状で、Optimus PadにATOK Trialを入れた環境では、1文字ずつであれば日本語入力ができた。いずれにせよ、主たる原因はFlash Player側のようで、改善が望まれる。
Androidの標準的なベンチマークソフトであるQuadrant Professional Editionを利用してパフォーマンスを計測してみた。比較として、XOOMとほぼ仕様が同じである、Optimus Padの結果と、Android 2.2タブレットであるGALAXY Tab(SC-01C)の結果も併記してある。
結果を見ると、Optimus Padに対し、若干劣っている。具体的には、CPUのスコアが1割以上低くなっていることがわかる。他のスコアは、Optimus Padの結果とほぼ同じなので、結果の違いは、CPUのスコアが大きく影響していると言っていいだろう。
ただ、実際にXOOMとOptimus Padを使い比べてみても、双方のパフォーマンスに差は全く感じられなかった。ベンチマークのスコアには差があるものの、実際の体感のパフォーマンスはほぼ同等であると考えて差し支えない。
Quadrant Professional Edition総合 |
Quadrant Professional Edition詳細 |
ところで、Optimus Padは、以前のレビューで伝えた通り、フルHD解像度のH.264動画を再生した場合、Main ProfileやHigh Profileでエンコードしたものがスムーズに再生できないという問題がある。その問題はXOOMでも同様であった。実際に、Baseline Profile、Main Profile、High ProfileでエンコードしたH.264形式のフルHD動画(映像ビットレートは全て3Mbps)をXOOMに転送して再生してみたところ、スムーズに再生できたのはBaseline Profileのみで、Main ProfileとHigh Profileでエンコードしたものは映像のコマ落ちが激しく、まともに視聴できるものではなかった。
もともと、Android 3.0自体がH.264についてはBaseline Profileしかサポートしていないため、これは当然の結果と言ってもいいのかもしれない。しかし、Tegra 2のHD動画再生支援機能は、Main ProfileのH.264がサポートされており、本来ならMain ProfileのH.264動画もスムーズに再生できていいはずだ。また、GALAXY Tabなど、Tegra 2よりも処理能力の低いプロセッサを搭載するAndroidタブレットで、Main ProfileやHigh ProfileのH.264フルHD動画がスムーズに再生できる例もある。
Googleは、オープンなWeb動画フォーマット「WebM」を公開するとともに、今年1月にはGoogle ChromeのHTML5 movieタグでH.264のサポートを中止すると発表。このことが、Android 3.0でのH.264再生環境に影響を及ぼしている可能性は十分に考えられるため、GoogleによるH.264のMain ProfileやHigh Profileのサポートは期待薄かもしれない。となると、MOTOROLAが独自にサポートするかどうかにかかっているわけで、ぜひとも対応をお願いしたいところだ。
●バッテリ駆動時間は十分に長い次に、バッテリ駆動時間を計測してみた。今回は、フルHD解像度のH.264動画(Baseline Profile、ビットレート3Mbps)を連続再生させ、シャットダウンするまでの時間を計測した。まず、バックライト輝度を100%に設定するとともに、Wi-Fi、Bluetooth、GPSをオンにした状態で計測してみたところ、約5時間38分でシャットダウンした。もともとXOOMは、バッテリ駆動時間の長さが特徴の1つになってはいるが、さすがにバックライト輝度を最高にしている状態では、かなり駆動時間が短くなってしまう。それでも5時間半を超える駆動時間を実現しているのだから、十分に満足できるはずだ。
バックライト輝度を最低に設定するとともに、Wi-FiとGPSをオンに、Bluetoothをオフにした状態では、約10時間20分と、半日近い駆動が確認された。これだけの駆動時間があれば、1日外出して利用する場合でも、バッテリ残量を気にする必要はほぼ無いと考えていい。
実際に、XOOMを旅行に持って行き、電車内でゲームプレイや動画再生を行なったり、旅行先での観光地情報の検索や地図の表示など、意図的に頻繁に利用してみた。バックライト輝度はオートに設定し、公衆無線LANやモバイルルーターを利用してインターネットアクセスなども行ないつつの利用だったが、朝8時頃から夜10時頃まで利用しても、バッテリは30%ほど残っていた。もちろん、利用状況によって左右されるとは思うが、1日の利用ならその間の充電はほぼ不要と言える。
●各種周辺機器を使ってみた発売から1カ月以上が経過しており、その間に純正オプションも含め、XOOM向けの周辺機器がいくつか発売されている。そこで、それらXOOM向け周辺機器や、XOOMで利用可能な周辺機器をいくつか集めて試してみたので、ここでまとめて紹介しよう。
・MOTOROLA XOOM GELケース
MOTOROLA純正のXOOM専用ケース。シリコン素材で作られており、XOOM背面側に取り付けて利用する、いわゆるジャケットタイプのケースだ。純正だけあって、XOOMにジャストフィットで、本体との間にすき間ができてペコペコするといったこともない。底面部のコネクタ部分とマイク部分、上部のヘッドフォン端子部分、背面のカメラ、電源ボタン部分およびスピーカー部分は穴が開いている。左側面のボリューム調節ボタン部分は穴は開いていないが、ケース部分に突起が用意され、ケースを通して操作可能となっている。
液晶面は保護されないが、側面や裏面はしっかりと保護してくれるので、裸で使うよりもはるかに安心感がある。また、ケース自体は比較的すべすべとした肌触りで、手の感触もなかなか心地いい。ただし、滑り止め効果はそれほど高くないため、裸で使っている場合同様、落とさないように気を付ける必要があるだろう。
・MOTOROLA XOOMスタンダードケース
こちらは、液晶面も含め、XOOM全体を被うタイプのケースだ。基本的には、外に持ち出す場合に利用するケースと考えればいいだろう。外装はポリウレタン、内装は本体をキズ付けないようマイクロファイバー素材が利用されている。XOOM本体に固定する部分は強化プラスチックが利用されている。外装部分が革ではないため、高級感は感じられないものの、外装表面は滑りにくい加工が施されており、しっかりと握って持ち運べる。
液晶面を被う部分には、厚さ約3mmほどのウレタン保護層が用意されており、外部の衝撃から液晶面をしっかりと保護してくれる。また、この液晶保護層には2列の溝が用意されているが、この溝にXOOM本体を立てかけることで、2段階の角度に固定して利用可能となっている。この機能は、Bluetoothキーボードを利用する場合などに便利に活用できる。また、ケースの裏面側を折りたたむことで、水平の状態でも利用可能なので、手で持って利用する場合でもいちいちケースを外す必要がない。もちろん、裏面の電源ボタンやカメラ、スピーカー部分は穴が開いているので、ケースを付けたまま写真撮影も可能だ。
底面コネクタ部は穴が開いておらず、USBケーブルやACアダプタを接続する場合には、ケースを外すか、ケースを完全に開いた状態にする必要がある点は、少々使いづらく感じる。それでも、便利に使えるケースであることは間違いない。特に、XOOMを外に持ち出す機会が多いなら、必須のケースと言える。
【動画2】スタンダードケースを利用している様子 |
・MOTOROLA XOOMスピーカードック
XOOM本体を置いて利用するドックには、スタンダードドックとスピーカー搭載のスピーカードックの2種類が用意されている。今回はそのうち、スピーカードックを取り上げる。
スピーカードックにXOOMを取り付けると、充電が行なえるとともに、スピーカードック内蔵スピーカーを利用して、音声を再生できる。それほど大きなものではないが、ステレオであり、しっかりとした低音が再生され、音質はなかなか良好だ。音楽ファイルの再生はもちろん、radikoを利用したラジオの再生など、十分に満足できる音質で楽しめる。当初は、もっと軽い音が鳴るものと考えていただけに、これはいい意味で裏切られたという印象だ。ちなみに、スピーカードックにACアダプタが接続されていない状態では、内蔵スピーカーは利用できない。
スピーカードックのXOOM取り付け部アタッチメントは交換可能となっており、標準で2個のアタッチメントが付属している。1つは、本体をそのまま取り付けるためのもので、もう1個はMOTOROLA XOOM GELケースを装着した状態で取り付けるためのものだ。GELケースを装着した状態でドックに取り付けられるのは、なかなか気の利いた配慮だ。
スピーカードック背面には、付属のACアダプタを接続する電源コネクタとMicro HDMIコネクタ、内蔵スピーカーのバスレフ穴が用意されている。ただ、HDMI端子が標準タイプではなくMicro HDMIになっている点と、USBコネクタが用意されない点は不可解。Micro HDMI端子は、本体と同じコネクタで、ケーブルを共用できるため、まだ我慢できるが、USB端子が用意されないため、ドックに取り付けた状態でPCなどとデータのやりとりが行えない点は非常に残念。ドックと称するなら、やはりUSB端子の用意は必須ではないだろうか。この点は、ぜひとも改善を期待したい。
・MOTOROLA XOOM Bluetooth キーボード
MOTOROLA純正のXOOM用Bluetoothキーボード。キーとキーが離れた、いわゆるアイソレーションタイプのキーを採用。配列は英語配列。ストロークはやや短く感じるが、ピッチは約18.5mmと余裕があるので、入力はやりやすい。また、最上段の列は、ホームボタンや戻るボタンなどの、Android向けの専用キー、メディアファイルのコントロールボタン、ブラウザやメーラーなどを呼び出すボタンなどが並んでおり、XOOM(Android端末)向けに最適化されている。底面後方には、単4乾電池を2本取り付けるバッテリボックスがあり、利用時にはキーボード面が常に斜めに傾くようになる。
英語配列なので、若干戸惑う場合もあるかもしれないが、慣れれば特に問題はないだろう。また、全角入力と半角入力の切り替えは、Shift+Spaseで行なう。
ドックやスタンダードケースと組み合わせて利用すると、ノートPCライクな使い方が可能となり、長文の文章作成なども快適に行なえる。本体と一緒に持ち歩いてもいいが、それほどコンパクトなものではないので、基本的にはドックなどと一緒にデスク上で利用するものと考えた方がいいだろう。
ところで、今回リュウド製のBluetoothキーボード「Rboard for Keitai RBK-2100BTJ」も用意して試したのだが、こちらはなぜかXOOMとペアリングができなかった。IS03では問題なかったため、XOOMとの相性が悪いようだ。他のBluetooth周辺機器でも、正常に利用できない場合があるかもしれないので、Bluetooth周辺機器を購入する場合には、あらかじめ利用可能かどうか確かめてからにした方が良さそうだ。
・BAMBOO STYLUS
最後に、5月27日発売予定のワコム製スタイラスペン「BANBOO STYLUS」を紹介しよう。こちらは、基本的にはiPad用スタイラスペンだが、基本的には静電容量方式のタッチパネルであれば機種を問わず利用可能であり、今回試したところ、XOOMでも問題なく利用できた。ちなみに、動作確認機種については同社のホームページに随時公開予定なので、購入に際しては事前確認を推奨する。
手書き対応アプリで利用すれば、文字や絵など、非常に軽快な手書きが可能となる。ペン先が比較的太いため、見た目では細い線や小さな文字が入力しづらく感じるが、実際に使ってみるとそういったことはなく、細い線や文字も問題なく書ける。指で手書きするよりもはるかに軽快で、これはかなり使えるスタイラスペンだと感じる。また、ペン先が柔らかい素材でできているため、液晶面に傷を付ける心配がない点も嬉しい。ちなみに、ペン先は交換可能となっている。
ペンの長さは120.8mm、直径は9mmと、誰の手にも持ちやすい絶妙なサイズで、重量も約18.9gと軽く、XOOMと同時に持ち歩くとしても全く苦にならないだろう。手書き入力を軽快に行ないたいと考えている場合なら、持っていて損のない製品だ。
ワコム製のスタイラスペン「BANBOO STYLUS」。基本的にはiPad向けとして用意されている製品だが、静電容量方式のタッチパネルであれば機種を問わず利用可能 | ペン先はやや太いが、実際に使ってみると、細い線や小さな文字も問題なく書けるまた、非常に柔らかく、液晶面に傷を付ける心配もない |
ペン先は交換可能。今後、細いペン先なども用意されるかもしれない | クリップも着脱可能となっている |
【動画3】BAMBOO STYLUSを利用している様子 |
●気になる点も多いが、アップデートに期待
購入から1カ月ほどXOOMを使った感想だが、最も強く感じたのは、動作がきびきびとしていて、快適に利用できるということだ。やはり、Tegra 2のパワーは圧倒的と言うしかないだろう。
とはいえ、細かな部分を見ると、まだまだという点も少なくない。例えば、先にも書いたように、フルHDのH.264動画がBaseline Profileしかスムーズに再生できない点や、標準で用意されているmicroSDスロットが利用できないという点だ。
Tegra 2は、H.264 Main Profileの再生支援機能を持っていることを考えると、Baseline Profileしか支援が効かないというのは納得がいかない。また、microSDに関しても、本来であれば発売時点で動作すべきものであり、現時点でまだ公式に動作の目途がたっていないという点は、非常に残念だ。非公式では動作していることを考えても、一刻も早く対応してもらいたい。OSであるAndroid 3.0自体がまだ発展途上ということもあり、見切り発車で発売されたといった印象が、さまざまな点から感じられる。
また、本体サイズはともかく、重量は多少気になる。外に持ち出して利用すると、鞄に入れていても重さを感じるし、手にしていてもかなり重いと感じる。寝転がって使っていると、10分ぐらいで腕が疲れてしまう。液晶サイズなどを考えると、ギリギリの重量なのかもしれないが、欲を言えばあと100gほどは軽くなって欲しいところだ。
ただ、今後のOSのバージョンアップに合わせ、ソフト的な問題は解決されることも十分に考えられるので、そういった意味では楽しみもあると言っていいだろう。それだけに、KDDIにはしっかりとしたサポートをお願いしたい。ちなみに、北米ではすでにAndroid 3.1へのアップデートが開始されている。日本でも、大きなタイムラグを挟まずにアップデートを実施してもらいたい。
(2011年 5月 26日)
[Text by 平澤 寿康]