Android採用の“クラウドブック”東芝「dynabook AZ」



東芝のクラムシェル型Android端末「dynabook AZ」

8月下旬 発売
価格:オープンプライス



 東芝の「dynabook AZ」は、ネットブックサイズのPCでありながら、プラットフォームにAndoroidを採用した点が特徴となる製品だ。同社ではPCとスマートフォンの間に位置付けられる“クラウドブック”と称している。開発中の本製品に触れる機会を得たので、このAndroid PCの使い勝手をチェックしていきたい。

●プロセッサにNVIDIAの「Tegra 2」を採用

 ノートPCといえば、IntelやAMDのx86プロセッサを用い、OSにWindowsを利用するのが一般的なものとなっている。約2年前に10型前後の液晶ディスプレイを採用し、可搬性に優れた低価格ノートPCとしてブームになったネットブックも、CPUにIntelのAtom、OSにWindows XP Home Editionを用いた、一般的なノートPCを低価格にしたスタイルの製品である。

 一方で、昨年から今年にかけてスマートフォンが盛り上がりを見せているが、そのスマートフォンとネットブックやモバイルノートの間を埋める製品というものが模索されている。そうした製品は、ハードウェア、ソフトウェアの両面でスマートフォンで用いられるアーキテクチャを利用しつつ、PCライクな操作を可能とするものだ。

 例えばIntelでいえばAtom Zシリーズはネットブックよりもサイズが小さいMID向けプロセッサとして提供されているものの、これを採用したクラムシェル型ノートPCも存在する。Qualcommは「Smartbook」という製品ジャンルを昨年のCOMPUETX TAIPEIで紹介。同社のARMプラットフォームであるSnapdragonを用いたクラムシェル型PCで、OSにLinuxなどを用いることを想定したものである。そして、今年1月に米ラスベガスで行なわれたInternational CESでは、HPがQualcommのSnapdragonを用いたクラムシェル型ノートPCにAndroidを採用した製品のサンプルを紹介していた。

 こうした本来はノートPCよりも小さいサイズのデバイスを想定したプロセッサとスマートフォン向けOSを組み合わせたクラムシェル型ノートPC、という発想で作られた製品の1つといえるのがdynabook AZである。

 dynabook AZは、プロセッサにNVIDIAのTegra 250、プラットフォームにAndroidを採用する点で、ネットブックとは一線を画しており、Smartbookに近い発想だ。

 プロセッサに使われるNVIDIAのTegra T20は今年の1月に発表された、いわゆる「Tegra 2」と呼ばれるもの。スマートフォンやタブレット製品など低消費電力製品への搭載を主目的としたプロセッサだ。とはいえ、ARMのCortex-A9デュアルコアを中心に、グラフィックスエンジンやビデオ処理エンジン、イメージ処理エンジンなどを統合したSoC(System on Chip)で、動画再生やFlashのアクセラレーションなどをサポートする。

 一方、プラットフォームのAndroidも、やはりスマートフォンやタブレットでの採用が目立つもので、クラムシェル型のPCに採用されるのは珍しい。AndroidへはAdobeがFlashサポートを明言し、実際にベータ版が提供されている。Flashアクセラレーションを持つTegraとの組み合わせは興味深いところである。

●10.1型液晶に最厚部21mmのスリムなボディ

 dynabook AZの外観はやや薄めのネットブックそのもの。サイズは約262×189.8×12~21(幅×奥行き×高さ)mmとされているが、最厚部21mmというサイズ以上に薄く感じられる。重量は900gを目標値としている。一般的なネットブックよりも軽量といえ、この点でもスマートフォンとネットブックの間を狙った製品であることが伺える。ディスプレイは1,024×600ドットの解像度を持つ10.1型液晶で、この点もネットブックと同じと考えていい。

 ただし、Android機らしい特徴もいくつか見られる。1つはUSB端子だ。通常のUSB端子に加え、MiniUSB端子を備えている。これは、スマートフォンのように、本製品をUSBデバイスとしてホストPCに接続するためのものだ。ただし、試作機では実際にデスクトップPCとUSBケーブルで接続してみたが、うまく動作しなかった。

本体左側面にはSDカードスロット、ヘッドフォン/マイク兼用端子、HDMI出力を備える本体右側面にはUSB端子、MiniUSB端子、電源端子、セキュリティロックを備えるインジケータ類はパームレストの右手前に備えている

 もう1つの特徴的な部分はキーボードだ。「戻る」キー(ESCキーと兼用)、「ホーム」キー、「設定」キー、「検索」キーといったAndroid上で必須といえるキーが備わっているほか、ブラウザやメールキー、スクリーンショットキーなどを備えている。

 スクリーンショットキーの機能はその名のとおり画面キャプチャを撮るためのもので、このキーを押すことで画面キャプチャをJPEG保存するための専用アプリケーションがインストールされている。Androidは原則として端末単体で画面キャプチャを撮ることができず、USBで接続したPC側で、Android SDKに含まれるデバッグツールを使って撮影するか、特殊な方法でroot(Super User)へ権限を昇格させられるようにした端末上で動作するアプリケーションを用いる必要がある。そうした面倒くさいことを考えることなく、画面キャプチャを撮れるのは非常にうれしいポイントといえる。

 ちなみに、本製品の液晶ディスプレイはタッチパネルになっていない。タッチパネル採用デバイスが多いAndroidをタッチパッドで操作する場合、タッチパッドでカーソルを動かし、左クリックでタップ操作を行なう。長押しも可能だ。そして、右クリックはAndroid上で「メニュー」ボタンと同じ役割を持つ。

 こうしたタッチパネルを使わない操作体系は、普段からAndroid採用スマートフォンを使っている人ほど違和感を覚えるのではないかと思う。筆者もとくに右クリックがメニューボタンとなる操作に不自然さを感じた。一方で、ESCと戻るキーを兼用させたキーボードは良い解決法だと感じた。Androidアプリにおける戻るボタンの挙動と、“パソコン”で使うESCキーの挙動は違和感がない。

 もちろん、タッチパネル液晶を付けるという方法もあっただろう。しかし、クラムシェル型というスタイルでタッチパネル化しても操作性が劇的に向上するかという点には疑問があるし、それでコストが大きく上がってしまうことも考えられる。本製品が採った、一般的なキーボード+タッチパッドに、独立した機能キーを備えるという手法は、クラムシェル型PCでAndroidを採用する際の1つの解となり得るものではないだろうか。

キーボードはAndroid用の独立した機能キーを備えるのが特徴。記号キーの一部はキーピッチが狭くなっているACアダプタは一般的なネットブックやモバイルノートPCの付属品と変わらない

●独自のホーム画面やアプリケーションを用意

 さて、ここからは、実際に本製品のAndroidを操作して機能や所感を紹介していきたいが、全般に、開発中である試用機は少々完成度が低いというのが率直な印象だ。この先、想定した動作ができないシーンについても触れていくが、試用機での動作であることは予めお断りしておきたい。実際の製品では完成度が高まることを期待している。

 まず、本製品はAndroid 2.1をベースに、独自のホーム画面を用意する。本試作機にはAndroid標準のホーム画面も残っていたが、ここでは独自ホーム画面にフォーカスして話を進める。

 独自のホーム画面といっても極端にカスタマイズしたものではない。上部にステータスバー、その下にホーム画面を配置した一般的なAndroidのホーム画面をベースに、左上にホームボタン、下部にランチャーがポップアップ表示するようにしたものだ。

 ホームボタンはキーボードのホームキーと同じ動作をするもので、Androidのホームボタンと同じ機能だ。アプリケーション画面から一気にホーム画面を表示するためのものである。タッチパッド操作を途切れさせることなくホーム画面へ戻ることができるようにするための配慮だろう。

 下部のランチャーは、インストールされているアプリケーションやウィジェットなどを呼び出すためのもので、Android標準のアプリケーション一覧画面に加えて、ウィジェットやブックマークなどが表示可能になっているもの、という印象を受ける。ここに表示されたアイコンからドラッグ&ドロップ操作を行なうことで、ショートカットやウィジェットをホーム画面上に配置することもできる。

 ホーム画面の横方向9×縦5のレイアウトになっており、このスペースが5画面用意される。ユニークな点としては、無線LANのSSIDに応じてデスクトップを自動的に切り替える機能が付いていることだ。例えば自宅とオフィスで別々のデスクトップを表示させる、といったことが可能になっている。

設定画面の端末情報を表示した画面。Android 2.1ベースの環境であることが分かる東芝独自のホーム画面。Androidデフォルトホームとの大きな違いは左上のホームボタンと、下部のランチャーを備える点ランチャーは横一列表示のほか、このように一覧性の高い表示へも切り替えられる
ホーム画面は横9×縦5のレイアウト無線LANのSSIDに応じて自動的にデスクトップを切り替える機能を備えている

 ちなみに、ネットワーク機能について紹介しておくと、本製品のネットワーク機能はIEEE 802.11b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRとなっている。

 ネットワーク利用の中心となるWebブラウザとメーラーは、Android標準のブラウザとメーラー、そしてOpera Mobile 10がプリインストールされている。

 一方でAndroid用のGmailクライアントがプリインストールされていない。Googleのカレンダーアプリも入っておらず、Android端末ではあるがGoogleを積極活用している人向けというニュアンスは弱く、汎用的な端末という印象を受けるものとなっている。

Android標準ブラウザで表示させたPC Watchのトップ画面Opera Mobile 10で表示させたPC Watchのトップ画面。独立した検索バーやWebページのサムネイル表示などのUIの工夫や、表示速度のメリットがある

 日本語入力については、「FSKAREN」という日本語入力システムが用意されている。FSKARENは富士ソフトが開発したWindows Mobileで実績ある日本語入力システムと同名のものであり、これをベースにAndroidへ移植したものと見られる。

 予測変換や顔文字、定型文入力機能などを備えた高機能なもの。スマートフォンに比べると画面解像度が高いことから予測候補や顔文字などで表示される数が多いのもメリットといえ、日本語入力の使い勝手は良好なものといえる。

入力システムは標準のAndroidキーボード(英語のみ)のほか、日本語入力システムとしてFSKARENが用意されているFSKARENの設定画面。予測変換や連携候補機能などの強力な機能を持つことが分かる予測入力の例。液晶解像度の高さから予測候補が多数表示されるのも便利
こちらは顔文字の例。感情別にカテゴライズされているこちらは入力文字を切り替える画面

 さて、ホーム画面以外にも東芝独自のアプリケーションがいくつか組み込まれているのが本製品の大きな特徴となっている。

 システムに近いところでは「PowerPlan Manager」が用意される。これは省電力設定を行なうためのアプリケーションで、バッテリー使用時、ACアダプタ使用時別に、液晶オフまでの時間と液晶輝度を設定しておくもの。Windows PCほど細かな省電力設定はできないが、電力消費が大きい液晶の省電力設定が行なえるのは便利だ。

 また、「Toshiba File Manager」は、いわゆるファイラー。内蔵ストレージ上のファイルや、SDカード、USBメモリなどのファイル操作を行なうことができる。内蔵ストレージは16GBで、プリインストールでは200MB弱しか使われていないので、かなり余裕を持って利用することができる。

 SDカードやUSBメモリは装着した時点で自動的にマウントされるが、Toshiba File Managerにあるこれからのアイコンからはアクセスができなかった。まだ開発途中と見られる。

 SDカードやUSBメモリアイコンの横にあるカメラのアイコンは、スクリーンショットを撮影したフォルダへアクセスするためのもの。こちらは正しく動作しており、JPEGファイルに連番が振られて保存されていた。

 少々話は外れるが内蔵ストレージの話を出したところで、メモリの仕様について確認しておくと、本製品は512MBの内蔵RAMを持つスペックとなる。256MBを超える領域も正しく使われていることが確認できている。

PowerPlan Managerではプロファイルが用意されており省電力設定を切り替えることができる各プロファイルでは液晶輝度とディスプレイオフまでの時間を、AC使用・バッテリ使用別に設定可能Toshiba File Managerはアイコン表示も大きく使い勝手のよいファイラになっている
ファイルを選択してのカット/コピー&ペーストや削除なども直感的なUIで使いやすい内蔵ストレージの容量は16GB。出荷時には利用可能容量のうち200MB弱しか利用しておらず余裕あるものメインメモリは512MB。下部の空きメモリから256MBを超えるエリアも使用可能であることが分かる

 「Toshiba Media Player」はその名のとおり、動画、音声、静止画の各ファイルを再生できるほか、DLNAクライアントとしても動作する強力なメディアプレイヤーアプリケーションだ。ただ、DLNAクライアント機能の部分は、ネットワーク内のDLNAサーバーを検出するところまでは動作したものの、実際にアクセスしようとした段階で強制終了してしまう状況であり、今後のブラッシュアップが求められる。

 動画や音声の正確な対応フォーマット、ビットレートなどは不明だが、動画については1080pまで対応できるとされており、実際に1080p/6Mbpsのファイルを再生することができた。もちろんコマ落ちなく再生できている。

 1080pの再生ができても液晶解像度を大きく超えるわけで、720pのファイルと再生時の映像の見た目は変わらないのだが、PC用に1080pで保存しているライブラリを持つ人がDLNA経由で再生するといった活用が可能になるなど、1080pを再生できることのメリットはあるだろう。

 静止画の再生はサムネイル表示、スライドショー表示などができる。ファイルを単独で表示した場合は、右クリックのメニューによりファイルの回転や、Androidのインテントを活用した共有機能などを利用可能となっている。

 ちなみに本製品は液晶上部にWebカメラを内蔵しており、Android標準のカメラアプリケーションによって640×480ドットの写真を撮影することができるようになっている。

Toshiba Media Playerのトップ画面。選択したメディアに応じて、下部に最近使用したファイルが表示されるDLNAクライアント機能を備える。現時点ではDLNAサーバーの検出は行なうものの、その先へ進めなかった
動画ファイルは4種類の解像度のMP4ファイルを試したところ、1080pの再生も可能だった内蔵カメラで撮影した静止画ファイルの一覧。サムネイル表示も速度はまずまず
撮影画像を表示させた画面では、下部のメニューからインテントによる他アプリケーションとの連携などが可能液晶上部に132万画素のWebカメラを搭載しているカメラアプリケーションはAndroid標準のもの

 ウィジェット類も東芝独自のものが目立つ。メモ、インターネットラジオ聴取、YouTube再生などのウィジェットが用意が特徴的なものだ。

 とくにYouTube再生ウィジェットはAndroidならではのものとして注目できるが、現状では自由度が低く、ウィジェットに表示された動画しか再生できなかった。というのも、検索機能を利用するとモバイル版の検索結果が表示されるのだが、こちらから動画を呼び出すことができず再生できないのである。この当たりも製品化までには改善してほしいポイントといえる。

インストールされているウィジェットの一覧。ここも東芝独自のウィジェットが目立つToshiba SHOUTcast Radioウィジェットでは、海外のインターネットラジオ放送を聴取可能Toshiba Social NetworkウィジェットはFacebook、Twitterに対応しているが、現状では日本語が正しく表示されなかった
先の画面と同じものだが、Toshiba YouTubeウィジェットの画面。Recent/Popular Videoに表示されたものは正しく再生されたYouTubeウィジェットから検索機能を利用すると、YouTubeモバイル版の検索結果画面が表示されるが、ここからビデオ再生を行なうことができなかった

 このほか、辞書アプリの「デ辞蔵」、オフィスファイル閲覧ソフトの「Document to Go」、電子書籍閲覧アプリ「FBReader」、リモートデスクトップアプリ「アンドロイドVNC」など、独自ソフトではないものの、Android端末の可能性を広げるアプリケーションがプリインストールされている。

 一方で、追加アプリケーションを提供するための環境はまだ整っていない。Androidスマートフォンでは「マーケット」アプリケーションが用意されているのが一般的だが、本製品は現在Googleの認証を得ていないため、利用できない。東芝ではアプリケーションの提供方法は後日提供としており、現状では待たざるを得ない状況だ。

 ちなみに、Androidでは、拡張子が“apk”となるアプリケーションパッケージファイルをインストールすることで追加は可能だ。マーケット以外で提供されるいわゆる野良アプリといわれるものも利用が可能である。また、AndAppStoreのように、AndroidマーケットではないAndroidアプリ提供サイトも存在するので、アプリケーションの追加がまったくできないわけではない。

 ただ、強制的に縦位置にしてしまうアプリケーションも多い点には注意を要するだろう。タッチパネルを持たないため、縦位置を前提としたアプリケーションはかなり使い勝手が悪い。その意味では、横位置で利用しやすいアプリケーションに限定したマーケットなどがあると便利ではないだろうか。そうした審査システムをもったマーケットの登場に期待したい。

AndAppStore用のアプリケーションをインストールして利用してみたところ。AndAppStoreに登録されたアプリケーションをインストールできるスマートフォンを前提に強制的に縦位置になるアプリケーションも多い点は、横位置専用ともいえる本製品で苦労する点となりそうだ

●モバイル性に優れた新しいスタイルの製品

 本製品はクラムシェル型ノートPCというスタイルではあるが、CPUに低消費電力のTegraでネットブックサイズのバッテリを使える環境というメリットを活かして、動画再生で連続7時間稼働、アイドル状態で48時間稼働を目標とするバッテリ駆動時間の長さも特徴となっている。今回、テストとしてのバッテリ駆動時間の測定は行なっていないが、上述のようなさまざまな作業(試行錯誤)をするうえでACアダプタを接続せずに6時間ほど作業して、ステータスバー上のバッテリメモリは半分で留まっていた。

 もっとも、このバッテリメモリも少々怪しいところがあって、充電中にもかかわらずメモリが減ったり増えたりする動きを見せるなど、あまり正確とは言い難い印象を受けた。また、本製品ではサスペンドが可能になっているが、何度試してもサスペンド後にリジュームしようと思っても画面が表示されない状態で止まってしまう現象が起きた。バッテリ駆動時間は、一般的なノートPCに対する大きなアドバンテージとなる部分であり、この当たりはとくに改善が求められる部分といえる。

電源ボタンを押すことでシャットダウン画面が表示される。サスペンド機能も用意されているがリジュームが正しく行なえなかった。細かいことだが「携帯電話オプション」の表記も気になるところ

 もう1つアドバンテージとなりそうなのが、製品の起動時間だ。サスペンド→リジュームの時間が測定できなかったのは残念だが、本製品はコールドブートでホーム画面が表示され操作可能な状態になるまでに41秒と、ストレスをあまり感じない起動時間が実現されている。この点はバッテリ駆動時間を延ばすうえでメリットになるはずだ。

 さて、今回の試用機が開発途中のものだったため、多くのアプリケーションがまともに試せる状況になかったことや、アプリケーションを提供する方法が提供されていないなど、満足に利用できる印象を持てるものではなかった。

 ただ、プリインストールされたアプリケーションは、これまでPCを利用してきたユーザーが、コンテンツを利用する上で不足がないよう最低限のものは事前に用意しようという心意気を感じるものになっている。

 これで、目標とするバッテリ駆動時間が実現され、アプリケーション提供のプラットフォームが整備されれば、スマートフォンより高解像度な液晶と十分な大きさのQWERTYキーボードを持ち、ノートPCよりも優れたバッテリ駆動時間を持つ製品として、一定の地位を獲得できる可能性を持った製品といえるだろう。

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(2010年 6月 22日)

[Text by 多和田 新也]