ゲーミングPC Lab.

サードウェーブ「Prime Galleria FF XIV推奨認定パソコン ZX」
~コストパフォーマンスに優れるゲーミングデスクトップ



Prime Galleria FINAL FANTASY XIV推奨認定パソコン ZX

価格:139,980円


 株式会社サードウェーブが運営する、秋葉原の老舗パーツショップとしておなじみのドスパラは、オリジナルPCも多数販売している。その中でも、PCゲーマーをターゲットとした「Prime Galleria」シリーズは、さまざまなPCゲームの推奨認定を受けたモデルも多数ラインナップされている。

 その中から今回は、人気MMORPGの最新作である「FINAL FANTASY XIV」の推奨認定を取得した「Prime Galleria FINAL FANTASY XIV推奨認定パソコン ZX」を紹介しよう。

●Core i7-950やGeForce GTX 470など、強力パーツを惜しげなく搭載

 「Prime Galleria FINAL FANTASY XIV推奨認定パソコン ZX」(以下、Galleria ZX)は、FINAL FANTASY XIVの推奨認定を取得していることからもわかるように、パフォーマンスの優れるパーツを惜しげなく搭載した、ハイエンド仕様のマシンとなっている。

 まずCPUには、標準でCore i7-950(3.06GHz)を採用している。コードネーム「Bloomfield」と呼ばれる、メインメモリのトリプルチャネルアクセスに対応した、Core iシリーズの中でもハイエンドに位置付けられているモデルだ。8月末に価格改定が行なわれ、大幅に価格が下落したことから、自作ユーザーの間でもかなり人気になっているCPUだが、コストとパフォーマンスのバランスが現時点で最も優れているCPUであることは間違いなく、納得の選択と言っていいだろう。

 マザーボードは、Intel X58 Expressを搭載する、ASRock製のATX仕様マザーボード「X58 Extreme3」を採用。X58搭載マザーボードとしては比較的安価な部類に入る製品だが、レギュレータ部に大型ヒートシンクと空冷ファンを取り付けるなど、動作の安定度を高める仕様を盛り込んでいたり、USB 3.0を標準搭載するなど、機能面に優れる点は嬉しい。また、NVIDIAのSLIとAMDのCrossFireXの双方をサポートする。もちろん、メインメモリは標準で2GBのPC3-10600 DDR3 SDRAMを3枚、計6GB搭載し、トリプルチャネルアクセスを実現している。

 ビデオカードは、標準でGeForce GTX 470搭載カードを採用している。試用機では、ビデオメモリとして1,280MBのGDDR5を搭載する、Palit製の「NE5TX470F10DA」が採用されていた。空冷ファンが2個搭載されており、高負荷時でも安定した動作が可能。また、DVI×2、HDMI、DisplayPortと4系統の映像出力を標準で用意している点も魅力だ。

 その他のパーツは、ストレージデバイスとして1.5TBのSATA HDD、DVDスーパーマルチドライブが標準で搭載される。

 これらのパーツは購入時に自由にカスタマイズ可能だ。用途に応じて、CPUやビデオカードを強化したり、より大容量のメインメモリやHDDを搭載できる。とはいえ、標準仕様でも、最新ゲームを快適にプレイするための十分なパワーが備わっており、パフォーマンスに不満を感じることはほとんどないだろう。

 ちなみに、大手メーカー製のPCと異なり、ホワイトボックスマシンでは、同じ製品でも販売時期によって採用されるパーツのメーカーや型番が異なることがある。そのため、今回紹介しているパーツが常に採用されるわけではないという点は、あらかじめ頭に入れておく必要がある。とはいえ、基本的な構成が変わるわけではないので、特に心配する必要はない。

CPUは、標準でCore i7-950を採用。価格改定により、安価なPCにも搭載されるようになったマザーボードは、ASRockの「X58 Extreme 3」を採用。豊富なオンボード機能や、NVIDIA SLI/AMD CrossFireX双方に対応するなど、魅力が多いバックパネル部には、USB 3.0×2やPower eSATAを備えるなど、外部機器の拡張性にも優れる
CPUクーラーは、リテールクーラーではなく、サイズの「KATANA III SCKTN-3000」を採用。優れた冷却性と静音性を両立しているメインメモリは、標準で2GBのPC3-10600 DDR3 SDRAMを3枚、計6GB搭載するビデオカードは、Palit製のGeForce GTX 470搭載カード「NE5TX470F10DA」を採用。2個の空冷ファンで、高負荷時でも安定した動作が可能。DVI×2、HDMI、DisplayPortと4系統の映像出力を持つ点も魅力
HDDは、標準で容量1.5TBのモデルを搭載。試用機では、Smasung製の「HD154UI」が採用されていた光学式ドライブは、標準でDVDスーパーマルチドライブを搭載。BTOでBlu-ray Discドライブなどに変更することも可能だ

●一般的な仕様のミドルタワーケースを採用

 採用されているケースは、Prime Galleriaシリーズで広く採用されているものが利用されている。サイズは192×511×436mm(幅×奥行き×高さ)と、ミドルタワーケースとして一般的なサイズだ。

 ケース内部には、左側面パネルを開けることでアクセス可能。パネルの固定が手回しネジでない点は少々残念だが、頻繁に内部をメンテナンスするというわけでなければ気にはならないだろう。側面パネルには、CPUおよび拡張カード付近に吸気口が用意されており、ケース後部の12cm排気ファンと合わせ、内部の換気が容易に行なえるよう配慮されている。

 用意されているドライブベイは、5インチベイが4個と3.5インチベイが2個、3.5インチシャドウベイが4個と十分に豊富。このうち、5インチベイの最上段には光学式ドライブが、3.5インチベイにはメモリカードリーダが、3.5インチシャドウベイにはHDDが1台取り付けられるため、利用できるベイは5インチベイが3個、3.5インチベイが1個、3.5インチシャドウベイが3個となる。これらベイのうち、HDDの増設や交換などで頻繁に利用する3.5インチシャドウベイは、本体横から直接HDDの着脱ができるよう、90度横向きに設置されており、作業はかなり楽に行なえる。

 マザーボード上部は大きな空間が確保され、障害物もないため、メインメモリの増設や拡張カードの取付も楽に行なえる。

 電源ユニットは、スペック表では700W電源とされているが、試用機では、容量750WのDelta製「GPS-750ABA」が搭載されていた。80PLUS認証を受けており、静音性に優れる点も魅力だ。

本体正面。幅192mm、高さ436mmと、一般的なミドルタワーとほぼ同等のサイズだ3.5インチベイには、標準でメモリカードリーダーが取り付けられている。また、前面ポートとしては、USB 2.0×2とヘッドフォン・マイク端子を用意側面。奥行きは511mmと、こちらもミドルタワーケースとして一般的。左側面パネルには、CPU部と拡張カード部に吸気口が用意されている
背面。マザーボードのバックパネル横に12cmの排気ファンが取り付けられている排気ファンは特にうるさくはないが、高負荷時にはビデオカードとマザーボードのオンボードファンが高速に回転し、やや音が気になる左側面パネルを開けた状態。マザーボード上は広く空間が取られ、メインメモリの増設や拡張カードの取り付けも容易に行なえる
電源ユニットは、容量750WのDelta製「GPS-750ABA」を搭載。80PLUS認証を受け、静音性にも優れるオープンベイは、5インチベイが4個と3.5インチベイが2個の計6個。光学式ドライブとメモリカードリーダで1つずつ消費している3.5インチシャドウベイは4個用意。ベイが横向きに取り付けられており、HDDの着脱は容易に行なえる

●優れたパフォーマンスを確認

 では、パフォーマンスをチェックしていこう。Galleria ZXはPCゲーマーをターゲットとした製品のため、通常利用しているベンチマークソフトに加え、ゲームベンチマークもいくつか追加して計測した。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark Vantage Build 1.0.1 1901」と「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Vantage Bulld 1.0.1 1901」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」に加え、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】」、「バイオハザード5ベンチマーク」、「ロストプラネット2ベンチマーク」を利用した。また、比較用として、筆者が利用している自作PCでも同じテストを行なった。その自作マシンの仕様は表にまとめたとおりだ。同時に、試用機のスペックも表にまとめてある。

【表1】ベンチマーク時の構成

試用機のスペック比較用自作PCのスペック
CPUCore i7-950Core i5-750
マザーボードASRock X58 Extreme3Intel DP55KG
メモリPC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×3PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2
ビデオカードGeForce GTX470(Palit NE5TX470F10DA)Radeon HD 5770(MSI R5770 Hawk)
HDDSamsung HD154UIWestern Digital WD3200AAKS(OS導入用)
OSWindows 7 Professional 64bitWindows 7 Ultimate

【表2】ベンチマーク結果

Prime Galleria ZX自作PC
CPUCore i7-950(3.06/3.33GHz)Core i5-750(2.66/3.20GHz)
チップセットIntel X58 ExpressIntel H55 Express
ビデオチップGeForce GTX 470Radeon HD5770
メモリ6GB4GB
ストレージ1.5TB (SAMSUNG HD154UI)320GB(Western Digital WD3200AAKS)
OSWindows 7 Professional64bitWindows 7 Ultimate
PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite72486420
Memories Suite65015585
TV and Movies Suite52594498
Gaming Suite87606983
Music Suite70275638
Communications Suite71955900
Productivity Suite58385440
HDD Test Suite34743627
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark ScoreN/A9959
CPU Score106959585
Memory Score945210401
Graphics Score2039914096
HDD Score58045331
3DMark Vantage Bulld 1.0.1 0906a 1,280×1,024ドット
3DMark Score1812110280
GPU Score149059636
CPU Score5138512855
3DMark06 Build 1.1.0 0906a 1,024×768ドット
3DMark Score2026515855
SM2.0 Score77826355
HDR/SM3.0 Score99107442
CPU Score54984353
Windows エクスペリエンスインデックス
プロセッサ7.57.3
メモリ7.57.5
グラフィックス7.77.4
ゲーム用グラフィックス7.77.4
プライマリハードディスク5.95.8
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】
1,280×720ドット162049564
1,920×1,080ドット83215424
バイオハザード5ベンチマーク DX10
(アンチエイリアス:8X、モーションブラー:オン、影品質:高、テクスチャ品質:高、画面クオリティ:高)
1,280×720ドットベンチマークテストA141.488.6
ベンチマークテストB119.892.5
1,920×1,080ドットベンチマークテストA87.452.7
ベンチマークテストB93.663.1
ロストプラネット2ベンチマーク DX11
(アンチエイリアス:CSAA8X、モーションブラー:on、影品質:HIGH、テクスチャ品質:HIGH)
1,280×720ドットテストタイプA60.232.2
テストタイプB51.232.8
1,920×1,080ドットテストタイプA44.223.0
テストタイプB36.623.3

 結果を見ると、比較用の自作PCとはスペック差が大きいこともあり、パフォーマンスもかなり大きな差が見られる。また、ゲームベンチマークも、かなりの好成績となっている。もちろん、現時点でのフラッグシップパーツを集めて作られているわけではないため、当然今回の結果よりも好成績を収めるゲーミングPCが存在するのは事実だ。それでも、表示解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)、アンチエイリアス8Xという、かなり過酷な条件でも、ロストプラネット2で30fpsを大きく上回っており、描画処理が非常に重い最新の3Dゲームも十分快適にプレイできると考えていい。FINAL FANTASY XIVベンチマークの結果も、快適プレイに十分な結果となっており、推奨認定PCとして申し分ないパフォーマンスが発揮されていると言っていいだろう。

 ところで、マシンの動作音だが、それほど負荷のかかっていない状態でも、ファンの音は耳に届く。また、高負荷時には、ビデオカードやマザーボードのオンボードファンの音が大きくなり、ややうるさく感じる。

 Galleria ZXは、FINAL FANTASY XIV推奨認定を受ける、非常に優れたパフォーマンスを持ちながら、今回試用したものとほぼ同等のスペックで、販売価格が139,980円と安価に抑えられている。もちろん、各パーツを個別に購入し、自分で組み立てれば、多少安くすむのは事実。とはいえ、パーツを買い集める手間や組み立て、OS導入などの手間がかからない点や、組み上がった状態での動作保証が受けられる点を考えると、コスト差に十分見合うメリットがあると言える。

 また、製品自体はゲーミングPCとして位置付けられてはいるが、特別ゲームに特化した仕様とはなっておらず、動画編集やグラフィックス制作といった趣味に活用したり、マルチディスプレイでビジネスソフトを快適に利用するといった用途にも柔軟に対応する。そういった意味では、最新ゲームの快適プレイのためにPCを購入しようと思っている人だけでなく、AV用途などの趣味やビジネス用途で利用するデスクトップPCを探している人にもオススメしたい。

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(2010年 10月 22日)

[Text by 平澤 寿康]