ゲーミングPC Lab.
LEVEL∞「Lev-C011-LCi7-VNR」
~コンパクト&GeForce GTX 1080搭載でも驚異の静音性を発揮
2016年6月27日 13:50
株式会社ユニットコムのゲーミングPCブランド「LEVEL∞」より、コンパクトゲーミングPC「Lev-C011-LCi7-VNR」が発売された。
本機は「LEVEL∞」のデスクトップ向けゲーミングPCとしては、最も小型な「C-Class」に属する。Mini-ITXマザーボードを採用しながら、最新GPUであるGeForce GTX 1080、さらに水冷CPUクーラーも搭載するというハイエンド構成を実現している。Mini-ITXケースに最新のハイエンドGPUを搭載した製品をすぐに投入できるのは、長年の研究の積み重ねがあってのものだろう。
コンパクトにハイエンドを詰め込む妥協のない構成
「Lev-C011-LCi7-VNR」のスペックは下記のとおり。
LEVEL∞ Lev-C011-LCi7-VNR | |
---|---|
CPU | Core i7-6700(4コア、3.4GHz) |
GPU | GeForce GTX 1080(8GB GDDR5X) |
メモリ | 8GB DDR3L-1600(4GB×2) |
SSD | 240GB |
HDD | 1TB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
電源 | 700W(80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 Home |
税別価格 | 189,980円 |
GPUは前述の通り、最新のGeForce GTX 1080を採用。CPUも最新のSkylake世代となるCore i7-6700で、ハイエンドゲーミングPCと呼んで差し支えない構成だ。
メインメモリはDDR4ではなく、DDR3L-1600の8GBとなっている。メモリスロットは2スロットが埋まっており、空きはない。大抵のゲームのなら8GBでも不足することは少ないはずだが、気になる人はカスタマイズで8GB×2など大容量のメモリに変更しておくと良い。
ストレージは240GB SSDと1TB HDDのデュアル構成。今回の試用機では省かれていたが、実際にはスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブも搭載しており、天板をスライドさせるとアクセスできる。ドライブベイは、3.5インチは1つで使用済み、2.5インチは4つで残り3つが使用できる。
700Wで80PLUS GOLD認証取得のATX電源も搭載。サイズはコンパクトながら、スペックは妥協がなく、ストレージも十分に搭載されている。スペックだけを眺めても、とにかく小さなゲーミングPCが欲しいという人にはうってつけの1台だ。
4KもVRも万全の新世代ハイスペックPC
続いて、各種ベンチマークソフトのスコアを見ていきたい。利用したのは、「3DMark v2.0.2530」、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」、「ドラゴンズドグマ オンライン ベンチマーク」、「バイオハザード6 ベンチマーク」、「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4」、「CINEBENCH R15」、「SteamVR Performance Test」、「CrystalDiskMark 5.1.2」となる。
GeForce GTX 1080を搭載しているだけあり、ベンチマークスコアの結果は、かなりのハイスコアが出ている。フルHD(1,920×1,080ドット)クラスだともはや楽勝で、4Kクラスでも「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」が最高品質で「とても快適」の評価が得られるなど、十分実用的なレベルに達している。
ベンチマークスコア | |
---|---|
3DMark v2.0.2530 - Fire Strike | |
Score | 16,130 |
Graphics score | 21,265 |
Physics score | 11,732 |
Combined score | 7,174 |
3DMark v2.0.2530 - Sky Diver | |
Score | 34,529 |
Graphics score | 72,692 |
Physics score | 10,658 |
Combined score | 21,886 |
3DMark v2.0.2530 - Cloud Gate | |
Score | 30,744 |
Graphics score | 127,198 |
Physics score | 8,414 |
3DMark v2.0.2530 - Ice Storm Extreme | |
Score | 151,961 |
Graphics score | 309,751 |
Physics score | 54,605 |
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(DirectX 11/最高品質) | |
3,840×2,160ドット | 6,444 |
1,920×1,080ドット | 15,257 |
ドラゴンズドグマ オンライン ベンチマーク(最高品質) | |
1,920×1,080ドット | 10,341 |
バイオハザード6 ベンチマーク | |
1,920×1,080ドット | 20,981 |
ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4(簡易設定6) | |
1,920×1,080ドット | 44,988 |
CINEBENCH R15 | |
OpenGL | 133,15fps |
CPU | 814cb |
CPU(Single Core) | 171cb |
今回はVR Readyを謳うビデオカードを搭載していることから、VRデバイス向けのベンチマークテスト「SteamVR Performance Test」も試してみた。結果は、動作に問題がないReadyの中でも、最高性能を示す右端にマークが記されていた。GeForce GTX 1080はVRが高速だという話の通りの結果だ。
ストレージに関しては、「CrystalDiskMark」で計測。SSDはIntel 540sシリーズの「SSDSC2KW240H6」。HDDはSeagate製「ST1000DM003」が使われていた。Intel 540sシリーズはTLC NANDを搭載したSSDで、人気のIntel製品の中では比較的安価なものとなる。それでもSATA接続のSSDとしては限界に近い性能を持っているのがわかる。
コンパクト・ハイエンドでも静音。満足度の高い1台
本機はスペックの高さもさることながら、使用感の良さも抜群だ。最も素晴らしいのは静音性。ケースは左右が大きくメッシュで開いた格好なので、内部の音は比較的漏れやすい形になっている。そのためアイドル時でもファンの音は少し聞こえる。
本領を発揮するのは高負荷時で、ベンチマークテストなどを動かしても、騒音が増したように感じない。CPUが水冷クーラーなので、騒音の上がり方が緩やかなことに加え、騒音の音質が甲高くなるような変化がなく、騒音が大きくなったと感じにくいようだ。また高負荷をかけ続けた後のノイズも、ハイエンドPCとしてはかなり小さめで、静音性をさほど重視していないコンパクトケースの割に驚くほど静かだ。
3Dゲームを動かした途端にファンが高回転を始め、耳障りな騒音が聞こえるゲーミングPCが多い中、本機は上手くチューニングされていると思う。CPUはともかく、ビデオカードもかなり静かで、GeForce GTX 1080の出来の良さもあるのだろう。ただし背面からの排熱はかなりのもので、ビデオカードの部分に手をやると、ハッキリと熱さを感じる。背面のそばに熱に弱いものを置かないなどの配慮は必要だ。
続いて筐体も見ていこう。ケースの外観は従来の「C-Class」と同様、ブラックの筐体にヘアライン加工された前面・天板パネルの構成。派手な装飾が多いゲーミングPCの中では極めて落ち着いたデザインで、機能美を感じさせる。電源ボタンやUSB、ヘッドフォン端子は前面右横にあり、正面から見えない配置になっているため、いい意味でPCらしくない、スッキリした外観になっている。
側面は左右ともメッシュで、真横から見ると中を覗き見られるが、斜めから見るとさほどでもない。背面は各種端子や排気口が並び、至ってベーシックな印象だ。
内部へのアクセスは、背面のネジを外し、左側面のパネルをスライドさせて外す。この時点では水冷用のラジエーターと3.5インチHDDが取り付けられたプレートが見えるだけ。プレートの左右にあるネジを外し、上へ持ち上げるように開くと、内部にアクセスできる。
ただし本機はCPUの水冷ユニットが取り付けられているため、プレートを完全に取り外すのはかなり大変な作業になる。水冷ユニットを分離させなくともメモリやビデオカードの交換はできそうには見えるが、内部を弄りやすいようにはできていないと思った方が良い。
CPU水冷ユニットやATX電源、さらにはハイエンドビデオカードをMini-ITXケースに投入しているだけあって、内部はかなり窮屈になっている。とはいえ無理な詰め込み方をしているわけではなく、ケーブルの取り回しも最小限で済むようにできている。マザーボードとケースのデザインがよく練られているのが分かる。
筆者は以前にも「C-Class」の製品に触れたことがあるのだが、その時と同様、非常に完成度の高い製品だと感じた。コンパクトなケースにハイエンドの構成を美しく入れ込んで、落ち着いた外見で手堅くまとめている。ビデオカードを2枚差ししたいとか、HDDを複数台搭載したいといった場合はターゲットから外れるものの、「コンパクトなゲーミングPCが欲しい」という日本ならではのニーズに対しては、極めて高いレベルで答える1台に仕上がっている。