山田祥平のRe:config.sys
SkylakeとWindows 10、そのおいしい関係
(2015/8/24 06:00)

IDFでは、Intelの第6世代Coreについて、そのアーキテクチャや新機能などが紹介された。その中にはWindows 10と密接な関連性を持つものも少なくない。ここでは、この組み合わせがもたらす優位性について考えてみよう。
InstantGoがもっと身近に
Windows 8/8.1 では、InstantGo(以前のConnected Standby)と呼ばれる機能が実装された。システムのスリープ中は、クラシックデスクトップで実行中のアプリやサービスは完全に停止されるが、ストアアプリについては、アプリそのものは停止しながらも、OSに対して必要な通信処理内容を伝えておくことで、OSが代わって継続的に通信を行ない、何かあればアプリを起こして通知するというものだ。
スマートフォンで使われるモバイルOSでは当たり前の機能だが、それがWindows OSにも採用されたというわけだ。この機能の実装によって、メールアプリがOSにクラウドサービスからのプッシュを監視するように登録しておき、新着メール到着などのイベントを検知すると、それをOSに伝え、ユーザーに対して通知するといったことができるようになった。
ただ、OSが機能を実装していても、ハードウェアが対応していなければ機能を使うことはできない。InstantGo対応のPCは少なからず発売されたが、全てのPCが対応というわけにはいかなかった。対応PCを製品化するためのコストが問題だったことや、そもそもWAN機能を持つPCがそれほど多くなかったということが原因だ。それに、1秒でも長くバッテリを長持ちさせたいのにWi-Fiモジュールがずっと電力を消費していることにも抵抗があったかもしれない。
さらに付け加えれば、スリープ中に通信を維持してまで通知をして欲しいストアアプリがほとんどなかったこともメインストリームになれなかった要因だと言える。
だが、InstantGoは、通信を維持するためだけのものではない。Connected StandbyがInstantGoに名前を変えたことからも想像できるように、「手に取ったらすぐに使える」という意味合いもある。例えばInstantGo対応のPCは、スリープからの復帰も高速だ。まるでスマートフォンのように瞬時に復帰して使える状態になる。
Windows 10では「モダンスタンバイ」と呼ばれるカテゴリにスリープの定義がまとめられることになった。そして、そのカテゴリ内に「Connected Standby」に加えて「Disconnected Standby」という項目が加えられたのだ。
「Disconnected Standby」は、通信を遮断することで、Wi-Fiモジュールが電力を消費することは抑制するが、そのほかの機能についてはConnected Standby同様に振る舞うことで、スリープからの復帰などがこれまでよりもずっと高速になるほか、IntelがSkylake世代以降で浸透させようとしているWake Eventについてもサポートが容易になる。
Wake Eventは、例えば、システムがスリープしている時に、音声でシステムを起こすようなユセージモデルに使う。となると、使い方としてすぐに想像できるのが「Hey Cortana」だ。スリープ中のPCに声をかけるとシステムが起き、RealSenseによるWindows Helloで顔認証が行なわれ、必要なナビゲーションなどが得られるというシナリオだ。
こうしたシナリオを実現するためには、これまで以上にハードウェアとOSとの連携が必要だ。密接な連携によって、便宜と省電力を両立しなければならないからだ。便宜を優先すれば消費電力は増え、消費電力を優先すれば便宜が減る。その両立はたいへんだ。そして、その両立のためにSkylakeのプラットフォームでは、ボイスアクティベーションのためのハードウェアオフロードができるようなる。
EISTの進化形としてのSpeed ShiftとWidnows 10
さらに、Skylakeには、これまでのEISTを大幅に拡張したSpeed Shift Technologyが実装されている。プロセッサの電圧とクロック周波数の組み合わせを状況に応じて細かく制御することによって、これまで以上の省電力を実現するというものだ。
Speed Shiftでは、Skylakeのパワーコントロールユニットが自律的に電力制御を司る。さらに、Windows 10は、パワーやパフォーマンス制御をハードウェアに伝えるために、OSが現在の処理負荷を見積もる機能の実装がMicrosoftのもとで作業中だ。おそらくは、すぐにWindows 10の新機能として、Windows Updateなどで入手が可能になるのだろう。
MicrosftがDisconnected Stanbyといった、言ってみれば後ろ向きの要素を加えてまで、Skylakeの省電力機能にコミットしようとしているのは、やはり、Cortanaをより魅力的な存在にしたいからなのだろう。Intelもまた、RealSenseをPCに搭載される標準的なデバイスにしたいと考えていたのに応え、Microsoftは早々とWindows Helloで対応した。
Windows 10とSkylakeは、まるで二人三脚のように歩き出した。これからも、互いの能力をシェアしながら進化し続けていくのだろう。IDF15の各テクニカルセッションでは、IntelとMicrosoftの共催セッションも数多く設けられ、両社の仲の良さが伝わってきた。以前にも増してWintelの蜜月ぶりが予想できる。
スリープ中のPCに声をかけ、パスワードを入力することなく、望みの結果が得られるというシナリオは、両社の願望を象徴したものだといえる。そして、それは、これからのパーソナルコンピューティングを支える重要な要素となっていく。
Cortanaは、まだ、日本語版のWindows 10には実装されていないため、あまりおなじみではないかもしれないが、Microsoftとしては単なるお遊び用のデジタルアシスタントに終わらせるつもりはないようだ。
その先に繋がるさまざまなサービスプロバイダのビジネスを支えるための重要なゲートウェイとなるのがCortanaだ。ちょうど、Googleのような検索エンジンの検索結果一覧が、さまざまな思惑で並んでいるのと同様に、Cortanaへのユーザーの問いかけが、巨額のビジネスに繋がる可能性が示唆されている。それを成功させるためにも、Microsoftには、まるでスマートフォンのように、寝ているように見えても瞬時に使えて、声に応答し、顔で認証ができ、バッテリが長持ちするハードウェアがどうしても必要だ。また、Intelにとっては、新しいハードウェアの機能にOSが対応するメジャーバージョンアップを待つ必要がないというのもいい。Intelが新世代のプロセッサを出すタイミングと、MicrosoftがWindowsをアップデートするタイミングのズレはいろいろな意味でユーザーを混乱させてきたが、Windowsのメジャーバージョンアップはもうない。容赦なく進化し続けることが宣言されている。だからこそ、両社の関係は、今後、ますます密接なものになっていくのだろう。
今年はムーアの法則50周年にあたるそうだが、カンタンに言えば「集積回路上のトランジスタは18か月ごとに倍になる」というこの法則は自然法則ではないため、かかわる人々、つまりIntel自身が手を変え品を変え、破たんさせないように涙ぐましい努力で守り続けてきたという経緯がある。Skylakeの次は10nmのCannonlakeとされているが、その登場まで、じっくりと付き合っていきたい。Skylake搭載のモバイルノートPCが各社からラインアップされ、その実力を堪能できる日を楽しみにしよう。
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