山田祥平のRe:config.sys
ボーズの新NCヘッドフォンで思ったハイレゾ幻想
(2014/10/17 10:12)

ボーズが5年ぶりにノイズキャンセリング(NC)ヘッドフォン「QuietComfort」シリーズを刷新。新モデルとして「QuietComfort 25」を発売した。約1カ月、試すことができたので、ここでそのインプレッションをお届けするとともに、昨今のハイレゾブームについて考えてみたい。
ボーズ史上最高の消音性能再び
ボーズ史上最高の消音性能を謳う新製品「QuietComfort 25」(QC25)は、基本的に従来モデルの「QuietComfort15」(QC15)の後継機だ。同社のノイズキャンセリングヘッドフォンには耳のせ型でコンパクトな「QuietComfort3」や、イヤフォン型の「QuietComfort 20」などもあるが、由緒正しき同社製NCヘッドフォンという点ではこの流れになる。QC15の発売は2009年9月だったので、実に、5年ぶりの刷新だ。
ヘッドフォンとしての構造は大きく変わらず、サイズ的にもほとんど同じだ。ほんの少しモダンなデザインになったとも言えるだろう。ハウジング部分を内側に折りたためる機構が追加され、QC15よりもコンパクトに持ち運べるようになったのは旅行や出張にはうれしい。重量もほとんど同じだ。装着したときの安定感、安心感は、幅が広くなったヘッドバンドによるものだろう。ちょっと激しい動きをしてもずれることがほとんどない。装着感の点でここは大きく改善されている。
さて、肝心の性能だ。特に、低域に対するキャンセリング性能が飛躍的に向上したと同社は言う。5年前にもボーズは「ボーズ史上最高の消音性能」を謳っていたのだが、今回も、それを踏襲した形だ。バッテリが切れても通常のヘッドフォンとして使えるスルー機能があるのはうれしい。
さて、ヘッドフォンを装着してノイズキャンセルをオンにしたときの印象だが、QC15と25を比べてみると、25の方が自然な印象だ。ノイズキャンセルの原理は、外部の音をマイクで拾い、その位相を逆にして再生することで、波としての音が打ち消されることで、本来聞こえるはずの音が聞こえなくなるというものだ。
つまり、そこには逆位相の音が再生されているという事実がある。そして、QC15では、わずかだが聴感に対する圧迫感が感じられた。QC25ではそれが大幅に小さくなっている。分かりにくいかもしれないが「静寂」という音がするというイメージだ。
飛行機の中で眠るような時に、ノイズキャンセルヘッドフォンを着けるととてもラクなのだが、耳の直近で聞こえるこの“静寂音”が気になってしまう。そこで、聞こえるか聞こえないくらいのボリュームでずっと音楽を流し続けるようにして使ってきた。眠りに音楽は邪魔なのだが、限りなく小さなボリュームで音楽を再生することで、この“静寂音”を回避してきたのだ。QC25では、その点がずいぶん改善されているという印象を持った。
アナログ的な味付け
そして、音楽再生のクオリティはどうだろう。ボーズの製品は視聴すればすぐにボーズの音だと分かるくらいの特徴がある。誤解を怖れずに言えばアナログ的な感覚があるのだ。ぼく自身はLPレコードの時代を経てCDの世代に移行し、さらにMP3やAACといった圧縮音源の時代を継続体験中だが、CDが発売されたのが1982年なので、CDの時代の方が長くなってしまった。手元の音源も圧倒的にCDの方が多い。LPのコレクションは約700枚でストップし、今や、倉庫で眠っている。再生装置も同様だ。そして、オーディオ趣味というほどのものでもないが、これまでの人生で、それなりに、いい音を聴くための投資はしてきたつもりだ。
ボーズの音には、音が連続しているというアナログ的な味付けを感じる。きっと、これは同社の音作りの哲学的なものなのだろう。歴代の同社製ヘッドフォンもそうだし、スピーカー製品などにも同様の印象を持つ。原音を再生するとか、そういうことを目指すのではなく、あくまでも心地よい音を目指しているのではないだろうか。
手元のQC25が手元に届いて初めて音を聴いたときにも同じ印象を持った。ただ、最初の音出しという点で全体的に落ち着きがなかった。そこで、いつものようにiPodに接続して音楽を再生したまま、カバンの中に入れた状態で約3日間放置してエージングした。カバンの中に入れるのは、エージング中のシャカシャカという音を少しでも抑制するためだ。
こうして3日間が経過、じゃじゃ馬のようだった音はスッキリしたものに変わり、ぼくの知っているボーズの音に落ち着いた。
それがどういうものかというと、音のスキマを埋めようという意図が感じられる。別の言い方をするとスピード感が抑制されている。QC15では時代に迎合し、スピード感を抑えすぎないような配慮をしていたような印象があったのだが、QC25ではそれがあまり感じられず、ボーズの考える音作りをしているように感じる。かといって、空間周波数の高い音楽が破綻してしまうこともなく、以前よりも圧倒的にラクに音楽を楽しめる。ノイズキャンセルというコンセプト下では、こちらの方が正しいのではないだろうか。
ねつ造としてのハイレゾ
昨今は、映像も音楽もハイレゾがトレンドだ。CDの発売から30年以上が経過し、サンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット深度16bitというCDDAの規格そのものに古さが感じられるようになってきていることによるものだ。
現在流通しているハイレゾ音源は、96kHz/24bitのものが多いが、その音の良さがが議論されるとき、これまで記録されることがなかった周波数の音が記録され、人間の耳に聞こえるか聞こえないかは別にして、新たな聴感を生むことがアピールされている。信号を標本化するときに、そのサンプリング周波数の2分の1までが有効な再現限界周波数となるというナイキストによる標本化定理によって計算すれば、44.1kHzなら22kHzまでしか再現できないが、96kHzなら48kHzまで再現できる。それが聴感に影響を与えるというわけだ。
人間の可聴周波数はもちろん、再生装置の周波数特性なども考えると、これは本当なのかなあとも思う。そして、個人的には、可聴周波数を超えた周波数の拡張もさることながら、量子化ビット深度によるものが大きいのではないかと考えている。16bitと24bitでは65,536通りか16,777,216通りかという圧倒的な差がある。しかも可聴周波数内でも影響するのだ。人間の耳は、記録されていない音を補完してしまう能力を持っているが、最初から記録されているに越したことはない。それが音に対して影響を与えないはずがないと思うのだ。
ただ、現状で入手できるハイレゾ音源は、計算で作られたものと、最初からハイレゾで録音されたものの2種類がある。そして、流通している個々の音源はそのどちらであるかがとても分かりにくい。計算で作られたハイレゾは、いわば音のねつ造だ。なにしろ、本来は記録されていない音を、記録された音から予測して補完しているからだ。
もっとも、アナログ音源には、量子化ビットに影響されない音が失われずに忠実に記録されている可能性はある。それを現代の技術でマスタリングすれば、当時よりもずっといい音として生まれ変わるであろうことは認めたい。ぼくの大好きな1枚に「Tapestry」 (Carole King 1971)というアルバムがあるが、それをハイレゾとしてリマスタリングした音源と、リマスタリングしたCD音源を聞き比べると、やはり、大きな違いを感じる。
コンテンツを供給する側は、その音源の素性をしっかりと知らせる努力をするべきだし、聞く側も、そのことをきちんと理解して購入するようにしたい。ハイレゾだから音がいいというのは幻想にすぎない。
ボーズの音作りの方向性はこの量子化ビットの不足を補おうという試みではないのかという気もする。
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