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キングソフト、INTSIGの名刺管理アプリの新バージョンを国内提供

~法人向け製品も発表

CAMCARD Businessを利用して名刺交換するキングソフト翁氏(左)と、INTSIGのZhen氏(右)

 キングソフト株式会社は7日、米INTSIG Informationが提供する名刺認識/管理アプリ「CAMCARD」を国内展開。個人向けの新バージョンや、法人向け版となる「CAMCARD Business」の提供を開始した。

 新サービス展開に際して開催された発表会では、冒頭でINTSIG Information CEOのMichael Zhen氏が同社の事業を紹介。同氏は、まだスマートフォンがなかった2000年の段階で、人工知能やパターン認識の研究を終え、名刺のデジタル化が大きなビジネスチャンスになると予測して同社を立ち上げた。そして、OCRや名刺認識(BCR)、自然言語処理、画像処理などで100以上の特許を取得。2012年4月に、スマートフォンで利用できる世界初の名刺認識/管理アプリであるCAMCARDのサービスを開始した。

 速度や精度の高さ、アジアの言語に優れる点、必要なメモリサイズが少ないことなどがメリットで、多くのスマートフォンメーカーがプリインストールアプリに採用している点などをアピール。ユーザー数も、直近16カ月で倍になるなど、すでに世界中で1億人以上のユーザーに使われていると言う。

 そのINTSIGが、世界展開を始めるにあたって、最初に選んだのが日本で、そのパートナーがキングソフトということになる。日本では名刺の重要性が高く、世界展開の最初の国にふさわしいと考えたことを理由に挙げた。

INTSIG Information CEOのMichael Zhen氏
キングソフト代表取締役社長の翁永飆氏
INTSIGが提供するCAMCARDの強み
CAMCARDをプリインストールアプリに採用するベンダー
直近の16カ月でユーザー数が倍に

 キングソフト代表取締役社長の翁永飆氏は、個人、法人ともにスマートフォンやタブレットの普及で、これまでのオフィスソフトやメール、グループウェアなどとは違うツールへのニーズが高まっているとし、人と人とのリレーション(繋がり)構築をサポートするものとして展開をする。現状、同社が展開する個人向けソフトウェアは、アクティブユーザーが700万人程度というが、CAMCARDの展開で1,000万人超を見込む。

 INTSIGは引き続きサービスの開発や技術革新に注力する一方、キングソフトは日本での独占的総代理店として、日本のユーザーニーズを汲み取ったユーザーインターフェイスの改善提案や、販売、サービスのマネタイズなどを行ない、全方位的に協力関係を築いていくと言う。

 国内でも2012年4月にGoogle Play、App Storeで提供されている「CAMCARD」を提供しているが、今回の提携発表に合わせて、個人向けの新バージョン「5.5」の提供を開始する。これまでのQRコードを利用した名刺交換や、アプリをダウンロードしている同士で同時にタップをするだけで名刺交換が可能な「名刺レーダー」機能に加え、ユーザー間でプライベートグループを作成することで、1度に複数人と名刺の情報を交換できる機能を追加。ユーザーインターフェイスの改善や、iOS版では1画面に地図を含めた名刺情報表示が行なえるなどの操作性の改善、プロフィール変更を登録ユーザー間に通知する機能など、使い勝手を向上させている。

 アプリは無料版の「CAMCARD Lite」のほか、名刺保存枚数の制限解除やクラウドへのデータ保存が可能になる有料版を939円で提供。Google Play、App Storeのほか、ソフトバンクモバイルが提供するアプリ取り放題サービスのApp Passで提供。今後、auスマートパスや、Samsung GALAXY Appsでも提供が開始される。

キングソフトとINTSIGの提携と役割分担
CAMCARDの個人版新バージョン「5.5」を7日より提供
バージョン5.5でのユーザーインターフェイス改善
プライベートグループを作成し、1度に複数人間で名刺交換が可能になる
自身のプロフィールの変更が、登録しているユーザーへ通知される
Google Play、App Store、App Passに加え、auスマートパスやSamsung GALAXY Appsでも提供を始める

 また、国内展開に当たり、法人向けの「CAMCARD Business」を展開。同アプリと法人向けアカウントの販売を開始する。キングソフトでは、これにより、文書作成や管理などを行なうKINGSOFT Office、コミュニケーション機能を提供するWowTalkに加え、顧客管理ソリューションを提供することになる。法人における名刺管理サービス市場は、2015年度に前年比40%を超える予測がなされる成長分野であるとしている。

 CAMCARD Businessは、コストやデータ化精度への不満、ブラウザベースのものが多いといった導入の障壁をなくし、マルチデバイス対応、高精度/高速なデータ化、低価格を売りとする。また、5分程度で反映されるオペレータによる人工補正サービスや、スマートフォン/タブレットだけで取り込み(撮影)から閲覧を管理できる点もアピール。ビジネス向けとして、名刺ごとに商談やタスクを登録する機能も提供される。

 価格は名刺登録枚数が月間20枚、登録IDが3アカウントに制限され、人工補正サービスが付随しない無料版のほか、名刺登録無制限/登録ID 10アカウント/人工補正サービス月間10枚でIDあたり月額500円の「entry」、名刺登録無制限/登録ID無制限/人工補正サービス月間20枚でIDあたり月額1,200円の「standard」、名刺登録無制限/登録ID無制限/人工補正サービス月間50枚でIDあたり月額2,000円の「professional」を提供する。

 文字精度については、一般的な文字だけなら98%程度としており、高い精度を持つことで人工補正サービスを付随しない無料サービスを提供できると自信を見せた。初年度で1万社、10万IDを有料プランで提供したいとしている。

法人向けの「CAMCARD Business」を世界に先駆けて提供
調査会社による名刺管理サービスの成長予測
CAMCARD Businessの概要
文字精度の高さにより高速にデータ化できる
特に初期導入時に便利なスキャナを利用した取り込みにも対応
オペレータによる人工補正も月額料金に含まれる
スマートフォンだけで取り込み(撮影)からデータ化、商談/タスク管理まで行なえる
部門管理やアクセス制限制限など、企業利用に求められる管理機能を備える
外部アプリへのエクスポート機能などを搭載。Office 365やGoogle Appsとの連携機能も後日提供される
料金プランと機能

(多和田 新也)