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日本HP、Core M搭載の11.6型ビジネス向けタブレットなど
(2015/1/26 16:40)
日本ヒューレット・パッカード株式会社は、ビジネス向けのタブレット8製品を3月上旬より順次発売する。
複数の業種向けに特化し、合計8つのモデルを用意した。Core Mプロセッサ搭載で2-in-1にもなる高性能モデルから、Snapdragon 800搭載のAndroidモデル、同社初の8型Windowsタブレット、医療/現場向けなど多岐に渡るラインナップとなっている。
HP Elite x2 1011 G1
「HP Elite x2 1011 G1」はCore Mプロセッサを採用した高性能な11.6型Windowsタブレット。オプションの「パワーキーボード」によって着脱式2-in-1となる。3月中旬発売で、税別直販価格は99,800円から。
CPUやストレージ、OS、LTE通信モジュールの違いに加え、パワーキーボード添付の有無で8モデルを用意する。タブレット本体ではUSBなど汎用インターフェイスを備えていないが、WiGigに対応しており、オプションのWiGigドックで拡張して周辺機器を利用する。
最小構成は、Core M-5Y10c(800MHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、128GB SSD、1,920×1,080ドット(フルHD)表示/タッチ/ワコム製デジタイザ対応11.6型ワイド液晶ディスプレイ、OSにWindows 8.1を搭載する。
インターフェイスは、microSDカードスロット、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0、WiGig、200万画素前面/500万画素背面カメラ、音声入出力などを備える。
バッテリは2セルリチウムポリマーで、駆動時間は約9時間(MobileMark 2010)。本体サイズは298×192.7×10.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約780g。
パワーキーボードには6セルのリチウムポリマーを備えており、駆動時間を約14.3時間に拡張可能。キーボードとタッチパッドに加え、DisplayPort 1.2出力とUSB 3.0×2、スマートカードリーダ、指紋センサーを追加搭載する。なお、キーボードはバックライト付きとなる。装着時の本体サイズは298×206.1×20.8mm(同)、重量は約1.54kgとなる。
Bay Trail搭載のWindowsタブレットは4機種を用意
SoCにBay Trailを採用したWindowsタブレットは、各種用途向けに特化した4製品をラインナップする。
「HP ElitePad 1000 G2 看護タブレット」、「HP ElitePad 1000 G2 頑丈タブレット」はいずれも既存の「HP ElitePad 1000 G2」をベースとした高性能モデル。「HP Pro Tablet 10 EE G1」は学校教育向けのモデル。そして「HP Pro Tablet 408 G1」はHP初の8型Windowsタブレットとなる。
主な仕様、発売日、価格などは下表の通り。
シリーズ | HP ElitePad 1000 G2 | HP Pro Tablet | ||
---|---|---|---|---|
製品名 | 看護タブレット | 頑丈タブレット | 10 EE G1 | 408 G1 |
想定用途 | 医療現場 | 土木現場 | 教育現場 | ビジネス |
CPU | Atom Z3795 | Atom Z3736F | ||
メモリ | 4GB | 2GB | ||
液晶サイズ | 10.1型 | 8型 | ||
解像度 | 1,920×1,200ドット | 1,280×800ドット | ||
OS | Windows 8.1 Pro | Windows 8.1/8.1 Pro | ||
本体サイズ(mm、幅×奥行き×高さ) | 278×207.5×20 | 285.5×215×33 | 280×182×14.4 | 215×140×9 |
重量 | 約1.1kg | 約1.45kg | 約845g | 約375g |
駆動時間 | 約10.8時間 | 約20時間 | 約9.5時間 | 未定 |
防水/防塵 | IP54 | IP65 | IP52 | - |
発売日 | 4月上旬 | 5月下旬 | 3月中旬 | 3月上旬 |
税別直販価格 | 148,000円 | 46,800円~ | 39,800円~ |
Androidモデルも3機種をラインナップ
Androidを搭載するタブレットは、教育現場向けの「HP Pro Slate 10 EE G1」と、紙などに書いた筆跡をデジタル化できる“HPデュエットペン”が付属した「HP Pro Slate 8」、「HP Pro Slate 12」の3機種をラインナップ。
HP Pro Slate 8/12のHPデュエットペンは、タブレットの液晶の上の筆跡だけでなく、タブレットの横に置いた普通紙の上での筆跡を読み取りデジタル化できる。これはQualcommの技術を採用して実現したものとしている。また、表面にCorningのGorilla Glass 4を採用する点も特徴。
主な仕様、発売日、価格などは下表の通り。
シリーズ | HP Pro Slate | ||
---|---|---|---|
製品名 | 10 EE G1 | Pro Slate 8 | Pro Slate 12 |
想定用途 | 教育現場 | ビジネス | |
CPU | Atom Z3735F | Snapdragon 800 | |
メモリ | 2GB | ||
ストレージ | 32GB | ||
液晶サイズ | 10.1型 | 7.9型 | 12.3型 |
解像度 | 1,280×800ドット | 2,048×1,536ドット | 1,600×1,200ドット |
OS | Android 4.4.4 | ||
本体サイズ(mm、幅×奥行き×高さ) | 280×182×14.4 | 136.99×206.99×7.99 | 221.95×300.3×7.99 |
重量 | 約855g | 約350g | 約850g |
駆動時間 | 約10時間 | 約13.75時間 | |
防水/防塵 | IP52 | - | |
発売日 | 4月中旬 | ||
税別直販価格 | 44,800円 | 69,800円 | 79,800円 |
タブレットが企業に本格導入される時期が来た
1月26日に都内で開かれた記者会見では、同社 代表取締役 副社長執行役員 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括の岡隆史氏が、新製品を投入した背景について説明した。
Hewlett-Packard(HP)は2012年に、2016年度末までの5カ年計画を発表したが、その核心となっているのが「3WAVES」と呼ばれる事業戦略である。1つ目は“既存技術”で、これがHPにとってはコアなビジネスでもあるのだが、今日の技術を活かして製品を顧客に提供するものである。2つ目は“次のトレンド”であり、生産効率のみならず顧客のクリエイティビティやインスピレーション、感性と想像を支えるためにPCの技術を応用することである。そして3つ目は今製品として存在しないものへの技術開発である。「HPは年間R&D(研究開発)の費用を10%ずつ増やして新しい技術の研究開発に携わっているが、これは5カ年計画の中でも重要な位置付けだ」とした。
その中で今回の発表は、どちらかと言えば1つ目の既存技術の分野である。この分野においてHPは“モビリティ”という戦略を打ち立てている。「モバイルではなくモビリティと名付けているのは、ハードウェア製品としててはなく、モビリティに関するソリューション全体を企業に提供できるためだ」と謳う。例えばハードウェアで言えばさまざまな形状、OS、サイズ、オプション、セキュリティに関しても生体認証や暗号化、そしてサービスや管理などを、HPが一元に提供できるとアピールする。「顧客がモビリティに対するニーズはさまざまあるのだが、それぞれ掛け合わせただけの数のソリューションを提供する必要がある。今日は8機種を一挙発表したのだが、それは顧客の幅広いニーズに対応するために必須である」と語る。
そして、このタイミングでタブレット8機種を一挙発表した背景についても「iPadから始まり、AndroidやWindowsタブレットが出揃った今、タブレットは企業での導入評価を終えた段階であり、タブレットによって生み出される効果が明確化してきた。これからいよいよ本格導入が進むと思われ、このタイミングで投入した」と説明した。