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パナソニック、自社開発20型IPSα液晶の「TOUGHPAD 4K」発表会

12月上旬 発売

価格:オープンプライス

 パナソニックは6日、4K対応の20型IPS液晶ディスプレイを搭載するWindows 8.1タブレット「TOUGHPAD 4K」を発表した。発売は12月上旬予定、価格はオープンプライス。法人向けの製品だが、パナソニック直販にて個人でも購入可能。

 直販価格は未定だが、45万円程度からになるとしている。専用のクレードルは3万円程度、電子タッチペンは2万程度。スペックの詳細は関連記事を参照されたい。

TOUGHPAD 4K
向かって右の側面にインターフェイス類を装備
向かって左はKensingtonロックのみ
オプションの電子タッチペン
オプションのクレードル。各種インターフェイス、充電、スタンドの機能
クレードルに置いて背面から

 2013年1月のInternational CESで発表された高解像度タブレットが製品化。パナソニックとしては、デスクトップPCの固定環境で行なっているCAD、CAMなどをモバイルで行なえること、アナログ(紙)をデジタル化するという2つの価値で提案していくという。

 特徴は自社開発の20型IPSαパネルを採用し、解像度が3,840×2,560ドット、精細度が230ppiと高いこと。4Kは通常、アスペクト比16:9の3,840×2,160ドットだが、本製品は縦解像度が400ドット多く、アスペクト比は3:2になっている。これは、写真やカタログなどが3:2であることや、A3を表示する際、16:9では左右にスペースができてしまい表示がA3の84%程度までにかなり縮小されてしまうため。3:2の20型ならば、A3原寸の95%程度で表示できるという。

 発売が12月予定ということで、OSはWindows 8.1 Proを採用する。これは、高精細なディスプレイに合わせてパナソニックからMicrosoftへさまざまな要望を出し、8.1がより最適化されているためだという。

 同社の特徴である軽量、頑丈といったところも継承。重量は約2.35kgで20型タブレットとして世界最軽量としている。また、グラスファイバーを用いたキャビネットにより20型タブレットとして世界最薄を実現しつつ、強度も高めている。

 薄型化については、液晶/タッチパネル類のダイレクトボンディングに加えて、マザーボード上のパーツを背の低いものにしたり、液晶を守るマグネシウムのフレームに、そのパーツ類に合わせた穴を設けて通すなどの工夫を施した。従来の技術では17.4mmになっていたが、これらにより12.5mmを実現できたという。堅牢性はLet'snoteと同等の動作時76cm落下、非動作時26方向の30cm落下に耐える。タブレットとは言え、手に持って使う物ではなく、机の上での使用を想定しているため、この高さで実施した。カバーガラスとマグネシウムのフレームは両面テープの約3倍の剥がれ強度を持つというホットメルトを用いた。

 電子タッチペンはAnotoの技術を用いており、高解像度、高精細を活かし、より細かな表現を実現できる。見る位置によってペンのポイントがずれてしまうという問題解消に取り組み、表面に目に見えないドットパターンを敷き詰め、そのパターンをペンに内蔵したカメラで読み取り、ペン内部のCPUで処理している。これにより精度を高め、入力する際の視差は0.1mmに収めたという。ペン自体はCPU、カメラのほか、LED 2つとBluetoothを内蔵しているため、大きめのサイズになっている。電源は充電池を内蔵し、Micro USBで充電できる。

 具体的な用途としては、自動車業界のインタラクティブなカタログ、建築業界は設計図に大量の紙(A3)を使うためデジタル化、化粧品業界は化粧シミュレータやサイネージ、医療関係はレントゲンなど複数の画像を1台で行なうといった提案をしているという。

新しい2つの価値を提案
TOUGHPAD 4Kの4つの特徴
自社開発の3,840×2,560ドットIPSα液晶パネル。A3に適したアスペクト比に
広視野角で、sRGBをほぼカバーする
軽さ、薄さも追求
頑丈性能も継承
電子タッチペンの詳細
主な仕様
各業界へさまざまな用途で提案
化粧シミュレータの展示例
設計図をほぼ原寸で表示。分厚くまとめられたファイルを持ち歩かなくて良くなる
医療画像も1枚の画面で済ませられる

原田事業部長「生産性向上に貢献できる」

パナソニック株式会社 ITプロダクツ事業部 事業部長 原田秀昭氏

 都内で開催された発表会では、タブレット事業の取り組みについて、パナソニック株式会社 ITプロダクツ事業部 事業部長 原田秀昭氏が説明。同社のPC事業は「狙った市場で1位を目指すこと」とし、領域を明確に、一歩先を行き、ユーザーとのパートナーシップを中心に進めているという。

 TOUGHBOOKやLet'snoteではカバーしていない新しい提案に位置付けられている「TOUGHPAD」ブランドは、これまでAndroidの10.1型、Windowsの10.1型、Androidの7型を投入。今回が第4弾となる。

 パートナーシップという面では、今回は500社の意見を取り入れ開発したという。具体的には、紙のデータを同サイズでデジタル表示したい、設計図や写真のデータを原寸で表示したい、紙をデジタル化したいという声に応える形で、4KディスプレイとTOUGHPADを組み合わせた。

 原田氏は「新たなワークスタイルを提案していきたい。差別化された製品で、自信を持って提供する。各業界の生産性能向上に貢献できると確信している。今回の新しいカテゴリのTOUGHPAD(頑丈タブレット)で大きなシェア、No.1を目指して頑張っていきたい」と語った。

パナソニックのPC事業の進め方の3つの柱
事業分野を特化した製品
今回は500社からヒアリングしたという
一歩先を行くという4K液晶のタブレット
頑丈タブレットのシェアNo.1を目指す
9月4日に発表された新ブランド スローガン「A Better Life, A Better World」。TOUGHPAD 4Kで貢献

(山田 幸治)