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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
キヤノン | ||
CanoScan FS4000US | ||
RGB各色14bit、4,000dpi入出力対応のフィルムスキャナ | ||
TEXT:本間 文 Bun Honma |
35mmフィルムは、従来の多くのフィルムスキャナと同様、スライドマウントアダプタに装着して読み込む |
とはいえ、さすがに4,000dpiの画像ともなるとPC側にもそれなりの性能が要求される。とくに、メモリ容量については128MB以上とされ、推奨は256MB以上となっている。しかも、PhotoshopなどでサポートされているRGB各14bitの42bit入出力にも対応しているため、35mmフィルムを最大解像度でスキャニングした場合、そのファイルサイズは128MBを超えてしまう。こうなると、実際のスキャニングよりも画像の転送にかかる時間のほうが長くなってしまう傾向にあり、USB 1.1では力不足となり、本格的なフォトレタッチを目的とする場合は、SCSI接続をしたほうがよい。
APSフィルムには、専用のカートリッジが用意されており、これを本体に着脱する際には、前面のパネルを開く必要がある |
スキャニングソフトは、FilmGet FS 1.0 for Windowsと呼ばれるもので、初心者向けとまではいかないが、ガンマやヒストグラムなどの本格的な画像調整機能を持ちながら、簡潔なユーザーインターフェイスを実現している。もちろん、トーンカーブやヒストグラムによるガンマ補正、コントラスト/ブライトネス、カラーバランスといったフィルムスキャナとしては不可欠な画像調整機能はすべてサポート。ハイエンドフィルムスキャナでは必須の露出補正やフォーカスの手動調整などの機能もあるが、調整範囲が確認しづらく、操作性は今一つ。
逆に、サムネイルスキャンの結果をそのまま画像として取り込めたり、APSフィルムやスリーブ(6コマ1本単位でフィルムをカットした状態のもの)の任意のコマを一括スキャンできたりと、画像調整などはキメ打ちで、大量のスキャニングを手軽に行なえるようになっている。さらに、画像解像度はFAXやプリンタ出力、ディスプレイ表示に最適なサイズがプルダウンメニューから選べたり、L判や六ツ切りといったDPEで多用される縦横比でトリミングができるようになっていたりと、初心者にとってはなじみやすいインターフェイスと言えるだろう。
付属のスキャニングユーティリティ、FilmGet FS 1.0 for Windows。簡素なインターフェイスながら細かな設定が行なえる点は初心者にとってありがたいところだ |
その意味では、ハイアマチュアカメラマンやデザイナーといった、画質にこだわるユーザーはもとより、幅広い銀塩写真愛好家が楽しめるような作りのフィルムスキャナに仕上がっている。
4,000dpiでRGB各色14bit入出力を行なうと、APSの粒状性の低さ(悪さ)まではカバーできないが、分解能の高い画像を得ることができる。とくに、階調性の豊かさは特筆もので、シャドー部の再現性は素晴らしい |
・製品名:CanoScan FS4000US
・標準価格:98,000円
・メーカー:キヤノン販売株式会社
・問い合わせ先:0570-01-9000
・URL:http://www.canon.co.jp/
■フィルムタイプ
・35mmフィルム:カラ-(ポジ/ネガ)、モノクロ(ポジ/ネガ)、スライドマウントフィルム
■スリーブフィルム(フィルムストリップ)
・APS(IX240)フィルム:カラ-(ポジ/ネガ)、モノクロ(ネガ)、スライドマウントフィルム、カートリッジ
・インターフェイス:USB 1.1、SCSI-2
・センサー:3ラインカラーCCD
・光源:冷陰極蛍光ランプ、赤外線LED(FARE使用時)
・光学解像度:4,000dpi
・読み取り階調:RGB各色入力14bit/出力14bit
・消費電力:最大20W
・本体サイズ(W×D×H):285×410×31mm
・重量:約1.1kg
・付属ソフト:Adobe Photoshop 5.0LEなど
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□キヤノンのホームページ
http://www.canon.co.jp/
□製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/CanoScan/fs/index-j.html
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【5月29日】キヤノン、4,000dpiのフィルムスキャナ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010516/canon.htm