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NEW PRODUCTS TESTREPORT

松下電器産業
Let's note CF-A2R4H2
超低電圧版モバイルPentium IIIを搭載した堅牢設計モバイルノート
TEXT:片山哲也 Tetsuya Katayama


キーボードの配列はクセがなく扱いやすい。B5ファイルサイズとしてはパームレストも広く、手が疲れにくい
 松下電器産業のノートPC、Let's noteシリーズは、現在B、M、A、Lというシリーズで構成されているが、このうちのAシリーズがモデルチェンジし、新機種CF-A2R4H2がリリースされた。

  A2R4H2は、携帯性に優れるB5ファイルサイズ、厚さ24.7mmのスリムノートPCだ。ボディは、1.4kgと軽量な上、非動作時に高さ30cmからの落下に耐える耐衝撃設計になっている。これはボディに採用したマグネシウム合金と、HDDを衝撃吸収材で包み込み、外部の衝撃から保護する仕組によって実現されたものだ。

 搭載するCPUは、超低電圧版モバイルPentium III 600MHz。このチップはSpeedStepテクノロジにより、バッテリ動作時には動作周波数は300MHz、電圧が0.975Vまで降下し、消費電力は0.5W未満にまで下がる。これに新開発のバッテリや各種の省電力設計を組み合わせることで、最大約6時間という長時間のバッテリ駆動が可能となっている。また、消費電力の少ないCPUを採用した副次的なメリットとして、膝の上で作業していても、明らかに発熱が少なくなっていることが挙げられる。これからの季節にはかなり気になる部分だけに、うれしい限りだ。


H"INモジュールは、本体左側面に位置する白いカバーの中に収められている
本体右側面には、ワイヤレスコムポートやUSB、LAN、モデムなどのポートを備えている
 本機のもう一つのポイントは、H"INモジュールを内蔵しており、本体だけでワイヤレスでのデータ通信が可能なことだ。64kbps接続時にはISDN並みの通信速度を得ることができるので、一般的なモバイル環境であれば大きな不満を覚えることはないだろう。回線番号を取得するためのユーティリティも添付されているので、簡単に設定/契約を行なうことも可能だ。電波状況をモニタするための専用ユーティリティもプリインストールされているので、後述するように状況に合わせて各種の通信手段を選択できる。

 H"INモジュール部分は本体左側面から少し飛び出しているものの、接続インジケータとメール着信インジケータを兼ねているので、飛び出していることのデメリットをうまく相殺していると言えるだろう。このほか、H"INモジュールのON/OFFスイッチも用意されている。一つ気になるのは、本体がマグネシウム合金を採用するなど耐衝撃設計であるのに対して、この飛び出した部分はプラスチックのため強度に不安が残るところだ。

 本機は、H"INのほかにもワイヤレスコムポートを装備しており、別売の接続ケーブルを使用することによって、PDCでは9,600bps、cdmaOneでは14.4kbps、PIAFSで64k/32kbpsの通信も可能という複数のワイヤレスアクセス環境を整えている。複数のワイヤレスアクセス方法が用意されているので、利用するエリア、加入するキャリアに合わせた選択が可能になるわけだ。


本体前面にはワンタッチでメールチェックを行なうためのメールボタンや、インターネットボタンが配置される
 液晶はこのクラスとしては標準的な11.3型、1,024×768ドット表示対応のパネルを採用している。コントラスト、明るさとも高く、非常に高い視認性を誇る。搭載するキーボードは86キーで、配列にもクセはなく、キーピッチは17mmと十分な広さを確保している。ストロークはやや浅く感じられるが、そのキータッチは良好だ。ポインティングデバイスは同社のB5シリーズのトラックボールではなく、タッチパッドを搭載している。

 本機は、長時間バッテリ駆動と対衝撃設計というタフさ、ワイヤレスデータ通信という魅力的な要素を持つだけでなく、プリインストールOSにも省電力性、安定性に優れるWindows 2000を採用しているなど、本格的なモバイルユーザーが求める数々の機能を搭載したマシンと言える。パーソナルユースはもちろん、ビジネスユースにも最適な機能が揃っていながら、コストパフォーマンスも高いので、外出先でもノートPCをアクティブに活用したいユーザーにオススメしたいマシンだ。


・製品名:Let's note CF-A2R4H2
・標準価格:オープン(パナセンス価格209,800円)
・メーカー:松下電器産業株式会社
・問い合わせ先:0120-873029
・URL:http://www.panasonic.co.jp/
・CPU:超低電圧版モバイルPentium III 600MHz
・チップセット:440MX
・メモリ(最大):64MB(192MB)
・HDD:20GB
・FDD:3モード(外付け、USB接続)
・ビデオチップ:Silicon Motion Lynx 3DM
・ビデオメモリ:4MB
・ディスプレイ:11.3型TFTカラー液晶
・最大解像度:1,024×768ドット/約1,600万色
・サウンドチップ:440MX内蔵
・モデム:56kbps(V.90、K56flex対応)
・キーボード:86キー
・拡張スロット(空き):PCMCIA Type2×1(空き×1、CardBus対応)
・インターフェイス:USB×2、ディスプレイ(Dsub 15ピン)×1、ヘッドホン×1、マイク×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、モデム(RJ-11)×1、ワイヤレスコムポート×1、拡張コネクター×1
・電源:リチウムイオンバッテリおよびAC電源
・バッテリ駆動時間:約6時間
・本体サイズ(W×D×H):255×220.5×24.7(最薄部)~31.5(最厚部)mm
・重量:約1.4kg
・OS:Windows 2000 Professional


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□松下電器産業のホームページ
http://www.panasonic.co.jp/
□製品情報
http://www.pc.panasonic.co.jp/pc/products/a2/
□関連記事
【5月21日】松下、超低電圧版Pentium IIIとH"IN搭載のLet's note
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010521/pana.htm


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