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CeBIT 2008現地レポート【UMPC編】

キーボード兼タッチパッド搭載の独創的UMPCなど

E-LEAD ELECTRONICの「Noahpad UMPC」

会期: 3月4日~9日(現地時間)

会場: 独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 Intelが、コードネーム「Silverthorne」こと「Atom」を発表したことで、各社から搭載UMPCが展示されることが期待されたが、CESに比べ数は少なく、初披露となったのはPanasonicの製品くらいだった。とはいえ、独自の趣向を凝らした製品もいくつかあり、UMPCが立ち上がり時期から成長期へと入ったことを感じさせられた。

 独創的な入力インターフェイスで来場者の注目を集めていたのが、E-LEAD ELECTRONICの「Noahpad UMPC」だ。一見するとクラムシェル型ノートPCのような形状だが、キーボードは7cm四方の2つのパッドに分離している。このそれぞれのパッドは表面がタッチパッドになっており、かつ押し込むことでボタンとしても機能する。

 パッド上にはおよそ5×5個のマス目が区切られ、各マスの上にはアルファベットや数字などがQWERTY式に並んでいる。これらのうちどこかのマスに触りながらパッドを押し込むと、その文字が入力される。今度はパッドの上で指を動かすと、マウスカーソルが動き、パッドを押すとクリック動作になる。つまり、キーボード兼マウスの入力インターフェイスということだ。

 キーボードモードとマウスモードの切り替えは、基本的にマウスとして動作させ、テキストエリアなどにカーソルがある場合は、キーボードモードを優先させているようだ。

 このインターフェイスを採用したのは、手をホームポジションから動かさずに文字入力とマウス操作が行なえるとことと、パッドの面積を大きく取ることで、何度も指を行ったり来たりさせないでも、広い範囲でカーソルを動かせるというメリットを狙ったものだという。

 さらにユニークなのは、液晶を360度開き、タブレット型にした状態でも、操作できるようにした点だ。タブレット状態で本機を両手で持つと、親指以外の指が裏面に当たる。この時、指をパッド上でなぞればカーソルを動かせるのは容易に想像がつくと思うが、画面上にキーレイアウトを半透明表示させることで、パッドのどの位置がどのキーなのかわかるようになっており、ホームキーとマス目の区切りの突起を頼りにキー入力もできる。

Nohapadのキーボード。2つのパッドに分かれており、それぞれがタッチパッドとボタンの機能を持つ 液晶を360度開いた状態でも、画面上のソフトキーボードを見ながらタイプできるという

 実際に触ってみたが、マウスモードとキーボードモードの切り替わりがうまくいかなかったり、パッドのストロークが割と深く、7cm四方もあるので、グッと押し込む必要があり、高速なタイピングは難しいと感じた。とはいえ、慣れである程度はカバーできると思われるし、なによりこういった新しいインターフェイスに取り組んだ意欲を買いたい。

 ハードウェアの主な仕様は、VIA Eden C7(1GHz)、メモリ512MB、HDD 30GB、VIA CX700チップセット(ビデオ機能内蔵)、800×480ドット表示7型ワイド液晶を搭載。インターフェイスは、Ethernet、USB 2.0×2、SDカードスロット、ミニD-Sub15ピン、音声入出力を装備。無線LANはないが、標準でIEEE 802.11b/g USBアダプタが付属する。対応OSはWindows XPとUbuntu 7.10。

 本体サイズは192×143×28.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は780g。標準バッテリの容量は3,900mAhだが、10,000mAhの外付けバッテリがオプションで用意される。

左側面にUSBと外部バッテリ端子 正面手前にSDカードスロット 右側面に音声入出力、USB、D-Sub15ピン

 FICの「CE260 UMPC」は、着脱式のスカイプ用ハンドセットを搭載したUMPCだ。ハンドセットは手のひらに収まる程度のサイズで、数字キーやカーソルキー、番号表示用LEDなどを装備している。

 収納するのは液晶の右横で、これにより、液晶は7型ワイドなのに、天板の大きさは10型程度になっている。そのため、このハンドセットをつけなければ、より小型化ができるのにと思うが、おそらく本製品は十分なキーボードのキーピッチを確保することを前提に設計されており、余ったスペースにハンドセットを取り付けたのだと想像する。なお、詳しい担当者が不在だったため、ハンドセット単体で通話できるのかは不明。

 もう1つおもしろいのが、外部ディスプレイインターフェイスにDVIを採用している点。コネクタのサイズが大きいため、DVIは普通のノートPCでも採用例が少ない中、UMPCで装備しているのは本製品を除いてほとんどないと思われる。

 このほか、Ethernet、USB 2.0×2、SDカード/MMC/メモリースティック(Pro)対応スロット、IEEE 802.11b/g無線LAN、スピーカー、音声入出力など、一般的ノートPCに匹敵するインターフェイスを持つ。また、オプションでBluetoothにも対応する。

 ハードウェアの主な仕様は、VIA Eden C7(1.2GHz)、VIA VX700チップセット(ビデオ機能内蔵)で、メモリ最大1GB、1.8インチHDDを搭載可能。本体サイズは230×171×29.4mm(同)、重量は970g以下。バッテリはリチウムイオン。

FICの「CE260 UMPC」 7型ワイド液晶の横にハンドセットを装備 キーボードはノートPCとしては一般的なフルキーボード。ただし、タッチパッドはやや窮屈な印象
ハンドセットは取り外しできる 左側面。DVIを装備するのは珍しい 右側面には有線LANを装備

 Atom搭載製品はCESなどでも公開されたASUSTeK、GIGABYTEの製品が展示された。

日本ではBruleが取り扱うWibrainの「B1」 先だって日本での発売が決まったGIGABYTEの「M704」 GIGABYTEのAtom搭載製品「M528」
ASUSTeKのAtom搭載「R70」 同じくASUSTeKのAtom搭載「R50」 PanasonicのAtom搭載「TOUGHBOOK」

□CeBITのホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
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【1月9日】ウィルコムのMenlow搭載プロトタイプが展示される
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0109/ces10.htm
【1月9日】Brule、Wibrain製の4.8型UMPC「B1」を国内販売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0109/brule.htm

(2008年3月10日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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