マイクロソフト、SideWinder Mouseなど新製品を披露
9月14日 開催 マイクロソフト株式会社は14日、今後国内で発売が予定されているハードウェア新製品を報道向けに公開し、米国本社の担当者が製品の特徴を説明した。 今年はMicrosoftがWordの付属品として'82年にMicrosoft Mouseを発売して以来、25周年にあたる年。同社エンターテイメント&デバイス事業部 ハードウェアグループ グループプロダクトラインマネージャのケリー・キムラ氏は、「25周年だからといって過去よりも特段にハードウェアに注力したわけではない」と語っているが、同社のゲーミングデバイスブランドである「SideWinder」が復活するなど、1つのマイルストーンとして新たな飛躍を目指そうとしているのは明らかだ。 今回、公開された製品は、ゲーミングマウス「SideWinder Mouse」、フラッシュメモリ内蔵充電式ワイヤレスマウス「Mobile Memory Mouse 8000」、ノートPC向けワイヤレスマウス「Wireless Notebook Laser Mouse 7000」、メディアセンター向けワイヤレスキーボード&マウス「Wireless Entertainment Desktop 8000」、Webカメラ「LifeCam VX-7000」、「同NX-3000」、エントリー向けキーボード&マウス「Wired Desktop 500」など。 一部製品については米国での発表時にニュース記事を掲載しているので、ここではインタビューを通じて得られた情報や開発の背景などをふまえつつ紹介する。 なお、いずれの製品も国内では今秋より順次発売されるが、詳細な発売日時、価格は未定で、今後発表される。
SideWinder Mouseは、そのブランドが物語る通り、ゲーマー専用に開発されたマウス。SideWinderブランドは7年ぶりに復活したわけだが、キムラ氏によるとこれは同社の最上位ゲーミングブランドになるという。 直近のゲーミングマウス「Habu」がRazorとの協業によるものであるのに対し、SideWinder MouseはMicrosoftが独自にゼロから開発した製品。今後も、パートナーとの協業については選択肢の1つとして続けていくものの、Razorとの協業が続くかどうかは見通しが立っていない。 開発にあたっては、カスタマイズして性能をチューンできることと、快適に使えることというゲーマーからの2つの大きな要望を満たすことを目標とした。その結果として、SideWinderは、解像度、本体重量、机との摩擦抵抗を変更する機能/機構を装備。 解像度については、スクロールホイール手前の3つのLED付きボタンのどれかを押すことで、200~2,000dpiの間で好みの設定に変更できる。重量は4つの重り(10g×3、5g×1)が付属し、3つまでを本体に収納できるようになっており、最大30gまで本体重量を増加させられる。本体底面のソールも3種類の異なったものが付属し、好きな滑り具合のものを選べる。 近年、ゲーミングマウス各社は競うように解像度を上げており、すでに3,000dpiを超えるものも登場しつつある。この点についてキムラ氏は、「2,000dpi程度で十分だろう。それよりも我々は操作時の快適性や、マクロなど機能面での有用性を重視している」と語っている。 小型の液晶を搭載しているのもそのためで、現在のdpiや、マクロ記録時のステップをユーティリティを立ち上げたりしなくとも確認できる。 形状をカスタマイズできる製品もあるが、キムラ氏は「それも検討はしたが、多くの人に受け入れられる形状に仕上げた」と自信を見せた。 有線方式を採用したのは、有線の方がレイテンシが少なく、かつ大部分のゲーマーに好まれるということに加え、バッテリによる重量増加を避けるためという。なお、ケーブルは予備の重りやソールを収納するボックスの中に這わせることができ、余計な遊びを減らせる工夫が盛り込まれている。
Mobile Memory Mouse 8000は、ワイヤレスレシーバ1GBのフラッシュメモリを内蔵したモバイル向けマウス。同グループ シニアパートナーディベロプメントマネージャのロバート・ヒッキー氏は「本製品を使うことで、出張時に持ち運ぶものの数と、使用するUSBポートの数を減らすことができる」とそのメリットを語った。 付属のケーブルは、両端に磁石が内蔵され、レシーバと本体に取り付けることで、マウスの充電ができるようになっており、このレシーバは1台3役をこなす。なお、ケーブル接続時も、マウスはワイヤレスで通信する。 無線通信には他の機器との干渉が少ない2.4GHz帯が採用されているが、マウスにはBluetoothコントローラも内蔵されており、スイッチにより通信方式を切り替えられる。2種類の通信方式を採用することは、多少なりコストに影響してくるものと思われるが、ヒッキー氏は「現在、Bluetoothを内蔵するノートは増えており、そのユーザーは余計なUSBアダプタをつけたいとは思わない。もちろんコストに影響はあるが、利便性を優先した」とした。
同社は2006年にWebカメラ分野に進出。今回公開されたLifeCam VX-7000とNX-3000は、そのラインナップに新たに追加される製品。いずれも新しいデザインを採用しており、VX-7000は、約0度から180度に折りたためるクリップを装備し、薄型の液晶から厚みのあるCRTまで、幅広い種類のディスプレイに取り付けられるほか、クリップを台座にして卓上に設置することもできる。 NX-3000のクリップは、既存の「NX-6000」のものと似ているが、クリップと本体の最小間隔が7mmから4mmに縮められたことで、国内メーカーの薄型ノートPCにもしっかり固定できるようになった。 レンズや光学センサーの仕様は従来機と同じだが、付属のLive Messenger用ユーティリティに「MSNフォト共有」を1タッチで呼び出せる機能がついた。 同グループ シニアプロダクトラインマネージャのエレイン・アンセル氏が「ゲーミングマウス同様、Webカメラの解像度も十分なところまできており、機能性を充実させる方が重要」と語る通り、本製品では「ビデオチャットをしながら写真を共有する」というテーマを前面に打ち出している。 MSNフォト共有を使うことで、リアルタイムで写真を共有できるため、写真を見せた相手の反応もリアルタイムで見ることができる。 同社はユーザー調査にも莫大な投資を行なっており、そこから得られた結果を製品の機能や仕様に反映させている。例えばビデオチャットにおいては、日本のユーザーは自分の顔や部屋の様子をあまり写したがらない傾向があるため、その点を考慮した機能も検討しているという。
□マイクロソフトのホームページ (2007年9月14日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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