VistaのマルチGPU Hotfixを検証【AMD編】前回のNVIDIAに続いて、AMDのGPUでの検証結果をお伝えする。その前に、Hotfixについて追加情報を得られたので、紹介しておこう。 現在、マイクロソフトのダウンロードセンターでは、「DirectX End-User Runtime」と「DirectX Redist」の2007年8月版が配布されている。これらではHotfixに含まれるd3d10.dllなどはインストールされないため、今回の問題には影響がなく、修正されない。一般に修正ファイルが提供されるのは、次のWindows Vista自体のアップデートを通じてになるという。ちなみに、開発者向けの「DirectX SDK August 2007デバッグランタイム」には、修正済みのd3d10.dllなどが含まれている。 今回の検証に用いた機材は、Core 2 Extreme X6800、メモリDDR2-800 2GB、Radeon HD 2900 XT×2、HDD 500GB、Intel 975X Expressチップセット搭載マザーボード、Windows Vista Ultimate。ビデオドライバはCatalyst 7.7を使用した。 ベンチマークソフトは前回と同じく、「ロスト プラネット エクストリーム コンディション無料体験版」、「Call of Juarez DirectX 10 Benchmark」、「World in Conflict Open MP Beta」の3つを使用したのだが、World in Conflictはテキストが崩れて読めなくなる症状が発生したので、ベンチマークは測定できなかった。 まず、Hotfixを適用する前の、ロスト プラネットとCall of Juarezの結果は以下の通りで、ロスト プラネットのDirectX 9版を含め、CrossFireの効果が認められなかった。ちなみに、この環境で3DMark06ではCrossFireの効果が出ていたので、ハードウェアの不具合などではない。
続いてHotfixを適用した結果が下の表だ。やはり、CrossFireの効果が出ていない。それどころか、このHotfixの対象外であるロスト プラネットDirectX 9版のスコアがCrossFireによって下がるという謎の結果が出ている。
このように、今回試した環境/アプリケーションでは、参考用に動作させた3DMark06を除いて、CrossFireの効果が全くと言っていいほど認められなかった。ただし、Call of Juarezは、まれにCrossFireによってスコアが倍増するという報告も聞き及んでいる。 いずれにせよ、Hotfixによって状況が好転していないので、これはVista/DirectX 10の問題ではなく、Catalyst 7.7がこれらのアプリケーションにうまく対応できていない結果と言えるだろう。ロスト プラネットDirectX 9版への悪影響を考えると、CrossFireユーザーはHotfixの適用をせず、しばらく静観した方が良いだろう。 □Microsoftのホームページ(英文) (2007年8月3日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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