D975XBXは、Intel 975X Expressを搭載するATXマザーボード。最大の特徴は、Intelが提唱するホームエンターテイメントPCの規格である「Viiv」に準拠する点である。
Viivプラットフォーム準拠のPCとは、CPUとしてPentium D/Pentium Extreme Edition/Core Duoのいずれか、チップセットはIntel 945/955/975ファミリのいずれかを採用し、PRO/1000 PMもしくはPRO/100 VE/VMネットワークコントローラ、Windows XP Media Center Edition 2005を搭載したものと定義されている。
つまり、マザーボードだけでなく、OSやCPUなども指定を受ける。また、チップセットもIntel 945/955/975を搭載していれば良いと言うだけではなく、正確にはサウスブリッジがICH7DHかICH7-M DHである必要がある。D975XBXは、このICH7DHを搭載し、Viivに対応できる数少ないマザーボードの1つとなる。
Viivのメリットは、現時点では、いくつかのオンラインコンテンツにアクセスできる点と、瞬時にディスプレイとオーディオ出力をOFFにする「退席中モード」が利用できる点など。これにどれだけの魅力を感じるかはユーザー次第だろうが、今後Viivにはメディアサーバー機能なども追加実装される予定なので、それを見越して先行投資するというのもありだろう。
そのほかの特徴として挙げられるのは、PCI Express x16スロットを3本備える点だ。ビデオカード1枚で利用するときは一番上のスロットを利用し、その際の接続レーンは16レーンとなる。マニュアルなどには謳われていないが、Intel 975X ExpressチップセットはATIのデュアルビデオカード技術「CrossFire」に対応しており、2枚のビデオカードを並列に接続できる。ただし、その際は両スロットとも8レーンでの接続となる。一番下のスロットは4レーンで固定されている。そのため、4レーンでの動作に対応しないビデオカードでは問題が生じる可能性もあり、形状こそx16だが、x1やx4などのカード用と考えた方がいいだろう。
ノースブリッジ上には直方体上の大型のヒートシンクを搭載し、レギュレータ上にもヒートシンクを配するなど、発熱が大きそうなイメージを受けるが、ファンを搭載していないことから、さほど心配する必要はないと思われる。
BIOSメニューには、設定の幅は狭いが各種オーバークロックや電圧の設定が用意されているほか、デュアルコアプロセッサを強制的にシングルコアで動作させるモードも用意されているのがおもしろい。
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