前回の記事で、Pentium Extreme Edition 840(以下Pentium XE 840)およびIntel 955Xの概要や評価キットから得られた情報をお伝えした。近日中にお届けする予定だったベンチマークだが、現在比較機材の準備を進めており、今回は取り急ぎPentium XE 840の結果のみを掲載したい。比較対象も交えた結果については、改めてお送りする。 ●ベンチマークによって性能向上にバラつき
今回ベンチマークを測定した環境は表に示したとおりで、前回お伝えしたIntel 955X搭載マザーの「Intel D955XBK」および、Micron製のDDR2-667モジュールを使っている。 テスト結果は3つのグラフにまとめている。グラフ1がCPUおよびメモリ性能を測定するテスト。グラフ2が実際のアプリケーションを利用したテスト。グラフ3が3D性能を測定するためのテストという分類だ。 ちなみに、これまでの本連載から2つほどテストを追加している。1つはWindows Media Encoder 9による、WMVのテストだ。映像は2パスVBR(1,000Kbps平均ビットレート)。音声も2パスVBR(320Kbps平均ビットレート)に設定している。 もう1つがCineBench 2003。レンダリング時のCPU性能をテストするもので、シングルスレッド、マルチスレッドの2通りのテストを行なえる。今後デュアルコアの製品が増えることを考慮し、コア1つあたりの性能と全スレッドがフルに動いたときのCPUの全体の性能を見るために追加した。 さて、比較対象とのテスト条件を揃えた結果は後日お届けするが、とりあえずは「L2キャッシュ2MBのIntelの新CPUを試す」の記事が比較として参考になるだろう。 複数のコアをフルに演算性能に使うSandra 2005 SR1や、一部テストが同時実行されマルチスレッド動作となるPCMark04、複数のアプリケーションが同時に動作するシチュエーションが発生するSYSmark2004、マルチスレッド対応のTMPGEnc 3.0 XPressといったアプリケーションでは、従来のPentium 4シリーズに比べて性能向上が見て取れる。 ただ、全テストにおいてこのような結果が出ているわけではなく、デュアルコアの効果が発揮されていないばかりか、かえって性能が落ち込んだテストも少なからずある。この詳細については、条件を揃えた場合にどういう傾向となるのか、後日お届けするテスト結果をお待ちいただければ幸いだ。
【お詫びと訂正】初出時にメモリの仕様をCL=4としておりましたが、CL=5の誤りです。お詫びして訂正させていただきます。
●不安が残る発熱
さて、Pentium XE 840の発熱について、前回BIOS画面で参照した“64度”という数値をお伝えしたが、今回実際にアプリケーションを動作させ負荷をかけた状態の温度も測定してみた。 ただし、前回述べたとおり、Windows上で動作するハードウェアモニタの類が一切利用できない状態である。そこで、CPUクーラーのヒートシンクに温度センサーを貼り付けてチェックしてみることにした。CPUコアの部分を計測したいところだが、CPUクーラーを装着するとセンサーが潰れてしまうため、ややずらした個所に貼り付けている。当然、前回の数値よりは低い温度となる。 結果はグラフ4に示したとおり。10秒を過ぎたところからTMPGEnc 3.0 XPressによるMPEG-2エンコードをスタート。そこから温度が上がり、最大13.8℃の温度差が表れた。2分40秒過ぎにエンコードが終了し、そこから徐々に温度は下がっている。 Pentium XE 840の場合、130Wの消費電力がかかった状態のTCaseは69.8度とされている。64度という数字と今回の結果を照らし合わせると、この69.8度を超える可能性もゼロではなそうだ。実際に製品として登場する場合に、今回の評価キットで使われているCPUクーラーが利用されるとは限らないが、冷却にはかなり気を使うシステムといえそうだ。
□関連記事 (2005年4月19日) [Text by 多和田新也]
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