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ライバル機を凌駕する、Foveon X3センサーの画質
シグマ SD10




 さて、今回取り上げるのは、シグマSD10である。すでに那和秀峻氏が2004年2月2日の最新デジカメレビューで取り上げているし、ニコンD70やキヤノンEOS-1D MarkIIの発売で盛り上がっているこの時期になんでSD10、と思われる人も多いだろう。

 その最大の理由は「桜」だ。ボクは毎年、旬のデジタルカメラで桜を撮影しているのだが、なかなか思うような桜の写真を撮れず、いつも敗北感というか、自己嫌悪に襲われていた。

 桜や梅の美しさは、まだ葉っぱも生えていない樹の枝に小さな花が密集して咲き誇り、まるで綿菓子みたいにフワッと白く浮かび上がっている姿だ。しかし、年々、デジタルカメラの画素数がアップしてきて、細部描写力が向上してきているにもかかわらず、桜並木を撮影するとどうにも解像感が不足し、細部がモヤッと不鮮明なのが不満だ。

 この不満は、レンズ交換式デジタル一眼レフに高価なワイドズームを付けてしっかり絞り込んで撮影しても変わらず(というより、さらに不満がつのり)、枝や桜の花がなんとも不鮮明で、いたずらにシャープネスを上げて輪郭を強調すれば、いかにもデジタル臭い下品な描写になってしまう(PCのディスプレイで等倍鑑賞するのがそもそもの間違いなのだが……)。



  ローパスフィルタ不要
Foveonセンサーを採用して
自然な高画質を実現

以降に掲載する作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです(ファイル名のみ変更しています)。縦位置のものは、サムネールのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。SD10の画像は、RAW現像時に回転して出力されています
特に記載がない限り、クリックすると2,268×1,512ピクセルの画像が別ウィンドウで表示されます

近所の桜並木。桜の細い枝がクッキリと解像し、桜の花にもまったく甘さがないのにビックリ。SD10の描写力の高さを改めて再認識させられた1枚だ
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6 DC 絞り優先AE F8 1/160秒
現像パラメータ:露出+0.2 ハイライト+0.3 彩度+0.2 シャープネス+0.2

 ところが、SD10で桜を撮影してみて、これまでの不満が吹き飛んでしまった。使用したレンズは、18-50mm F3.5-5.6DCという実売で2万円でお釣りのくる格安ズームにもかかわらず、桜の小さな花や細い枝をディスプレイ等倍で見ても、実に自然なシャープさなのだ。ちなみに、SD10の記録画素数は、標準で343万画素(2,268×1,512ピクセル)で、最近のデジタルカメラとしてはかなり少なめ。にも関わらず、これほど桜をシャープに写せるのはなぜだろうか?

 ほとんどのデジタルカメラは、撮像素子の前にローパスフィルタが置かれているが、このローパスフィルタが実はクセ者なのだ。一般的なデジタルカメラの撮像素子は、色分解のためのカラーモザイクフィルタが4画素1組で貼られていて、1画素ではRGBのどれか1色しか感じることができない。つまり、色の情報は画素数の1/3しかないので、足りない色情報は演算により補間(水増し)している。その際、情報不足により演算エラーが発生し、本来、色のない被写体の輪郭部分に色づきが発生してしまうのが「偽色(色モアレ)」と呼ばれる現象だ。

 そこで、ローパスフィルタで空間周波数の高い部分を選択的ににじませ、複数の画素に光を分散させることで、偽色を低減させているのだが、せっかくシャープに結んだ像をわざわざボカしてしまうわけで、当然、解像感は低下する。それを補うため、画像処理で輪郭強調を行ない、シャープに見せかけているのだが、失われてしまった情報は完全には元に戻らない。このように、ローパスフィルタは、偽色を抑えるためには必要不可欠な存在だが、せっかくのレンズ性能をスポイルし、解像感を低下させてしまう元凶でもあるのだ。

 その点、シグマSD10は「Foveon X3ダイレクトイメージセンサー」という、1画素でRGBすべての色を取り込める画期的なCMOSセンサーを採用しているので、原理的に偽色が発生しない。そのため、ローパスフィルタも不要で、入射する光が鈍らないので、過度な輪郭強調を行なわなくても、自然なシャープさが得られ、レンズ本来の描写性能が最大限に引き出せる。

 また、他のデジタル一眼レフは色情報が画素数の1/3しかないのに対し、SD10はRGB各色でそれぞれ343万画素分の色情報がキッチリ取り込めるので、水増しがまったくない非常に密度の濃い343万画素の画像が得られる。とりわけ青空を背景にした木の枝のように、一般的なデジタルカメラでは隣接する画素からは色情報が不足して描写が甘くなってしまうような部分も、色情報が画素数分キッチリ得られるSD10だと、実に緻密で惚れ惚れする描写だ。

 それと、これはボクの推論に過ぎないが、一般のデジタル一眼レフは、被写界深度内に入るような微妙なピンぼけの場合、コントラストの高い部分は輪郭強調が効いてエッジが際立ち、あたかもピントが合ったような描写に見えるのに対し、コントラストの低い部分はボケたままで、これらが合わさるとまるで球面収差のようにピントの芯があるのにその周りが少々にじんでいる、という不自然な描写になりやすい気がする。しかし、シグマSD10の場合は、こうしたわずかなボケはわずかなボケとして再現されるし、レンズ周辺部での画質低下も自然な画質低下として違和感なく受け入れられるのだ。特にワイドレンズの周辺部の描写もSD10のほうが自然で、画面周辺部の画質にも、ローパスフィルタの有無が大きく影響しているような気がする。

桜の花をアップで撮影。ピントの合った部分のシャープさはもちろん、被写界深度内から外れてわずかにぼけている部分のボケ味が実に自然だ
撮影データ:55-200mm F4-5.6 DC 絞り優先AE F5.6 1/500秒
現像パラメータ:露出+0.2 ハイライト+0.1 彩度+0.2 シャープネス+0.2 フィルライト+0.3
これも近所の桜並木。手前の桜はしっかり解像していて非常にシャープな写りだ。さすがに後ろの桜並木までは解像していないが、にじんだような甘さがなく、自然に解像感が喪失していくので好感が持てる
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6 DC 絞り優先AE F11 1/125秒
現像パラメータ:露出+0.2 ハイライト+0.3 彩度+0.3 シャープネス+0.1 フィルライト+0.3

●出力画素数による解像力チャート比較

出力画素数「標準」 出力画素数「2倍」
(4,536×3,024ピクセルの画像を開きます)

 ローパスフィルタがなくても偽色はまったく発生していない。現像パラメータはすべてリセットして素のままで現像しているが、特にシャープネスを強調しなくても非常にキレが良い。出力画素数で「標準」で保存したものは1,300TV本あたりで線が分離しなくなっているが、出力画素数を「2倍」で保存すると、1,400TV本でやや不鮮明にはなるが、1,600TV本を少し越えるあたりまで解像しているように見える。それ以上は偽解像で正しくチャートの線が解像されているわけではないが、妙なモアレパターンやツブレが発生するよりはキレがよく見える。また、わずかに傾いた斜線のジャギーも出力画素数を「2倍」にしたほうが少なくなめらかなので、A4サイズ以上にプリントする場合には効果がある。

●他機種との画質比較

キヤノンEOS-1Ds
EF16-35mm F2.8L USM
(4,064×2,704ピクセル)
キヤノンEOS Kiss Digital
SIGMA 18-50mm F3.5-5.6DC
(3,072×2,048ピクセル)
ニコンD70
SIGMA 18-50mm F3.5-5.6DC
(3,008×2,000ピクセル)
シグマSD10
SIGMA 18-50mm F3.5-5.6DC
ソニー サイバーショット F828
(3,264×2,176ピクセル)

 シグマSD10、キヤノンEOS Kiss Digital、ニコンD70は、いずれもシグマ18-50mm F3.5-5.6DCを装着して撮影している。ただ、シグマSD10の撮像素子はもっとも小さく、ズームのワイド端でもこの画角にしかならず、若干、他機種よりもアップ目に風車が写っているので、その点を割り引いて評価してほしい。それでも343万画素としては非常にクッキリしていて、ディスプレイ等倍で見ても気持ちがいい。
(ロケ地:千葉県佐倉ふるさと広場・オランダ風車リーフデ)

●APS-Cサイズ600万画素デジタル一眼レフとの画質比較

キヤノンEOS10D
EF16-35mm F2.8L USM
(3,072×2,048ピクセル)
キヤノンKiss Digital
EF-S18-55mm F3.5-5.6 USM
(3,072×2,048ピクセル)
ニコンD70
AF-S DX ZoomNikkor ED18-70mm F3.5-5.6G
(3,008×2,000ピクセル)
ニコンD100
AF-S DX ZoomNikkor ED18-70mm F3.5-5.6G
(3,008×2,000ピクセル)
富士写真フイルム FinePix S2Pro
AF-S DX ZoomNikkor ED18-70mm F3.5-5.6G
(4,256×2,848ピクセル)
ペンタックス*istD
smcPENTAX DA16-45mm F4ED AL
(3,008×2,000ピクセル)
シグマSD10
18-50mm F3.5-5.6DC
シグマSD10
18-50mm F3.5-5.6DC
現像パラメータ:露出-0.4 コントラスト+0.2 シャドウ-0.3 ハイライト+0.5 彩度+0.3 シャープネス+0.2 フィルライト+0.3 カラー調整5C+4M

 各機種ともF11の絞り優先AEで撮影している。あいにく薄く雲がかかった晴天だったので、青空は白く霞み、少しアンバーっぽくカブっているが、SD10は記録画素数が半分にもかかわらず、建物の細部描写など600万画素以上のデジタル一眼レフに負けてはいない。また、現像パラメータの彩度とコントラストと色調を調節することで、快晴のような描写に仕上げることもできた。
(ロケ地:山梨県フラワーセンター)



  付属RAW現像ソフトを活用すれば
600万画素デジタル一眼を
凌駕する高画質が得られる

 掲載した数多くのサンプル画像を見ればわかるように、SD10は発色も鮮烈だ。SD10はRAW記録専用機なので現像パラメータ次第という面もあることはあるのだが、彩度パラメータをさほど上げなくても非常にヴィヴィッドな発色だ。

 ただ、青の彩度が高くなりやすく傾向があり、彩度を高く現像するときには、青だけが突出しないよう気を配る必要がある。また、逆光に透けるチューリップの花のように、被写体自身が非常に鮮やかな場合もやや苦手で色飽和を起こしやすいが、露出を控えめに撮影し、RAW現像時にフィルライト補正を行なえば破綻を避けることができる。

 SD10のRAW現像を行なう「SIGMA PhotoPro2.0」には、オート現像も備わっているが、個人的にはオートを使わず、X3F(無補正)で現像し、必要に応じて露出を加減、シャープネスや彩度を0.1〜0.3程度プラスすると(適用量は各パラメータとも±2.0)、PCディスプレイ鑑賞向けのカリカリっとした非常に引き締まった描写が得られる。

 A4サイズ以上に大きくプリントする場合は、出力画素数を「2倍」に設定して画像を保存すると、縦横の画素数が2倍に拡大補間され、標準の画素数の4倍(約1,372万画素)で出力されるので、1,372万画素の描写力は得られないものの、343万画素よりもジャギーが少なくプリントできる。もともとの画像に輝度と色情報が343万画素分しっかりあり、しかもローパスフィルタがなく細部もボケていないので、4倍の画素数に拡大補間してからプリントすると、600万画素クラスのデジタル一眼レフを凌駕するキレの良いプリントが得られるのだ。



  レンズのバリエーションと
ボディの機能の少なさがネック
期待されるフォーサーズ版

 ただ、APS-Cサイズの600万画素デジタル一眼レフをすべて自腹購入しているこのボクだが、シグマSD10だけはまだ購入に踏み切れていない。

 というのも、レンズ交換式デジタル一眼レフは、ボディだけでなくレンズも重要で、シグマSD10ボディを買うということは、今後、シグマSAマウントのレンズを拡充していくことを半ば意味する。しかし、シグマSAマウントのレンズは「シグマ純正」しか選択肢がなく、中古レンズ市場もないに等しい。SD10(というよりFoveonX3センサー)の描写に惚れ込み、シグマSAマウントと心中するくらいの覚悟がないと、なかなかSD10購入に踏み切れないし、やはりキヤノンやニコンなどに比べると選択できる交換レンズのバリエーションがあまりにも少なすぎるのがネックだ。

 また、キヤノンEOS Kiss DigitalやニコンD70の登場で、デジタル一眼レフボディが10万円ちょっとで買える時代になった今、SD10の価格はどう見ても割高だ。内蔵フラッシュを装備していない点とRAW記録専用機という割り切りはフラッグシップモデル並だが(笑)、AF一眼レフとしては主要カメラメーカーと比べると一世代以上遅れているし、搭載しているカメラ機能も限りなくエントリーモデルに近く、連写能力も低い。撮像素子サイズも35mmカメラ換算の係数が1.7と、APS-Cサイズの600万画素デジタル一眼レフよりも小さい。つまり、画角がさらに狭くなってしまうのだ。

 このようにSD10の描写には非常に惚れ込んでいるボクだが、SD10購入にはいま一歩踏み切れない弱さがある。とはいえ、18-50mm F3.5-5.6DCと55-200mm F4-5.6DCがセットになったTWIN ZOOM KITが登場したことで、SD9発売当初よりはレンズに対する投資は少なくて済む。SD9をレビューしたときからシグマには要望しているのだが、マウントをフォーサーズ規格で発売してくれれば、やはりまだ購入には踏み切れないオリンパスE-1とレンズが共用できるし、フォーサーズファミリーが増えることで、フォーサーズ規格の活性化にもつながる。現時点ではレンズのみの供給とはいえ、フォーサーズ規格に賛同したのだから、フォーサーズ規格のボディ開発に前向きに挑んで欲しいと思うのはボクだけだろうか?

 なお、もっと詳しくSD10やFoveon X3センサーについて知りたいという人は、シグマのSD10スペシャルサイトに詳しく解説されているので、ぜひ一読をお薦めする。

大河ドラマ「新撰組」で観光スポットになった深大寺の参道で撮影。ヌメッとしたみたらし団子の質感が良く出ている。わずかにアウトフォーカスになっている部分も自然な描写だ
撮影データ:55-200mm F4-5.6 DC 絞り優先AE F7.1 1/500秒
現像パラメータ:露出+0.3 ハイライト+0.4 彩度+0.3 シャープネス+0.2 フィルライト+0.1
これも深大寺で撮影。このように彩度の高い被写体を撮影すると、レックビューでは色が飽和しているように見えるが、パソコンで現像してみると-0.5EVの露出補正の効果もあって、なんとか破綻しないで済んでいた。ただ、傘の明るい部分はわずかに黄色に転んでいる
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6 DC 絞り優先AE F6.3 1/30秒 -0.5EV
深大寺近くの野川を散歩する犬をスナップ。AFスピードはそれほど速くはないが、被写体の動きが止まったところをうまく狙えばなんとかなる。犬の毛並みや芝の描写が非常にシャープだ。55-200mmも格安ズームだが、非常に写りのいいレンズだ
撮影データ:55-200mm F4-5.6 DC 絞り優先AE F5.6 1/400秒
現像パラメータ:露出+0.1 ハイライト+0.6 彩度+0.6 シャープネス+0.1 フィルライト+0.2
お台場海浜公園の夕暮れ。夜景撮影はあまり得意ではないらしいが、この程度の夜景なら大きな問題はない。ただ、レインボーブリッジの街灯の周りに紫色の色づきが生じている。SIGMA PhotoProのスポイトツールを使って、好みの色調になるように調整した
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6 DC 絞り優先AE F5.6 2秒
現像パラメータ:露出-0.1 彩度+0.4 シャープネス+0.1 フィルライト+0.2 カラー調整23C+23M
これもお台場海浜公園の桟橋。電球の色が見た目よりもマゼンタがかっていて、周辺部の街灯にもパープルフリンジが生じている。街灯のパープルフリンジはレンズの色収差だろうか。それ以外は満足する写りだ
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6 DC 絞り優先AE F5.6 1.6秒
現像パラメータ:シャドウ-0.3 ハイライト+0.2 彩度+0.2 シャープネス+0.3 フィルライト+1.0
立川の昭和記念公園もチューリップの名所。さまざまな色のチューリップが配色を考えて植えられている。F11まで絞って撮影しているので、手前から奥までしっかりピントが合って、細い木の枝までくっきり再現されている
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6 DC 絞り優先AE F11 1/100秒
現像パラメータ:露出+0.1 コントラスト+0.2 ハイライト+0.1 シャープネス+0.2 フィルライト+0.2
チューリップ畑で愛犬を撮影している人もいたので、便乗して横から(無断で)撮影。飼い主はレフまであててシャドー部を起こしていたのだが、背景の明るさには勝てず、そのままでは犬の顔が暗くなってしまうため、SIGMA PhotoProのフィルライト機能を利用して、シャドー部のみを明るく補正して現像してみた
撮影データ:55-200mm F4-5.6 DC 絞り優先AE F5.6 1/250秒
現像パラメータ:シャドウ-0.6 彩度+0.2 シャープネス+0.2 フィルライト+1.0
昭和記念公園内でパフォーマンスをしている人を55-200mmズームでスナップ。直射日光を浴びて影がきつかったので、SIGMA PhotoProでシャドウとフィルライトを調節して、シャドー部の落ち込みを補正。レンズ性能の良さもあるが、非常にキレが良く、発色もヴィヴィッドだ
撮影データ:55-200mm F4-5.6 DC 絞り優先AE F5.6 1/400秒
現像パラメータ:露出+0.1 シャドウ-0.5 ハイライト+0.1 彩度+0.3 シャープネス+0.1 フィルライト+0.4
パフォーマンスを見ている人の横でワンちゃんが退屈そうにしていたのでパチリ。犬の毛並みやシャツの布目が恐ろしいほど解像している。この後、ワンちゃんが近づいてきてレンズをぺろりと舐められてしまった(笑)
撮影データ:55-200mm F4-5.6 DC 絞り優先AE F5.6 1/500秒
現像パラメータ:露出+0.1 ハイライト+0.4 彩度+0.6 シャープネス+0.1 フィルライト+0.2
地面には散ってしまった桜の花びらがいっぱい。まるで白いじゅうたんのようだ。こんな引きのカットでも、桜の花びらや木の枝が非常にクッキリと写っている。実は最新の600万画素デジタル一眼レフでも同じ構図で撮影しているのだが、そちらはモヤモヤッとキレが悪く、欲求不満が残った
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6 DC 絞り優先AE F8 1/125秒
現像パラメータ:ハイライト+0.2 彩度+0.4 シャープネス+0.3 フィルライト+0.1
たまたま70-200mm F2.8が手元にあったので、大口径望遠ズームでチューリップをフワッとボカして撮影しようと試みたが、あいにくこのレンズの最短撮影距離は1.8mであまり被写体に近寄れない。それでもなんとか絵になるチューリップを探して撮影したのがこのカットだ
撮影データ:70-200mm F2.8 EX HSM 絞り優先AE F3.2 1/1000秒
これも70-200mmでの撮影。前ボケを入れて奥行き感を演出してみた。一般的に黄色は白飛びしやすい色だが、予想外に色飽和も起こさず、しっかりチューリップの花びらの質感が残っていた
撮影データ:70-200mm F2.8 EX HSM 絞り優先AE F3.2 1/1000秒
現像パラメータ:露出+0.2 コントラスト+0.3 ハイライト+0.2 彩度+0.1 シャープネス+0.2 フィルライト+0.3
18-50mm F3.5-5.6DCの最短撮影距離は25cm。このクラスのズームとしてはかなり寄れるので、開放F値はあまり明るくないが、被写体にググッと寄って撮影すれば背景はそれなりにボカすことができる
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6DC 絞り優先AE F5.6 1/100秒
ポピー畑の前で名残の桜を楽しむ家族。芝生や木の枝がクッキリとシャープに描写されていて実に気持ちがいい。ローパスフィルタでにじみが生じないので、輪郭強調を行なっても均一に解像感が向上する
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6DC 絞り優先AE F5.6 1/500秒
現像パラメータ:露出+0.1 ハイライト+0.2 彩度+0.2 シャープネス+0.2 フィルライト+0.1
18-50mmズームをワイド側に引いてポピーにググッと肉薄して撮影。黄色の明るさに影響されてもっと露出アンダーになるかと思いきや、露出補正なしでもほぼ適正露出が得られた
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6DC 絞り優先AE F5.6 1/640秒
現像パラメータ:露出+0.1 シャドウ-0.3 ハイライト+0.2 彩度+0.1 シャープネス+0.2 フィルライト+0.5
今度は70-200mmズームでポピーを撮影。ワイドレンズで撮影するよりも背景をスッキリ整理できる。ピントが合っている部分は非常にシャープだ
撮影データ:70-200mm F2.8 EX HSM 絞り優先AE F4.0 1/1250秒
現像パラメータ:露出+0.1 シャドウ-0.7 ハイライト+0.5 彩度+0.1 フィルライト+0.2
休日の午後を公園でのんびりと楽しむ人々。生えかけた芝生の描写がなんともクッキリしていて素晴らしい。単なる輪郭強調だけではここまでの解像感は得られない。やはりローパスフィルタがないほうが解像感は向上する
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6DC 絞り優先AE F8 1/200秒
現像パラメータ:露出+0.1 コントラスト+0.1 シャドウ-0.4 ハイライト+0.2 彩度+0.4 シャープネス+0.1 カラー調整1C+1M
千葉県佐倉ふるさと広場の風車リーフデ。毎年4月上旬にはチューリップが咲き誇る。東京近郊で風車とチューリップが楽しめるのは、ここと千葉県柏市のあけぼの山農業公園が有名。風車リーフデの壁面がにじみなく非常にクッキリ写っている
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6DC 絞り優先AE F9.0 1/200秒
現像パラメータ:コントラスト+0.2 シャドウ-0.2 ハイライト+0.3 彩度+0.3 シャープネス+0.2 フィルライト+0.1
千葉県茂原市のひめはるの里にて。毎年5月中下旬までこいのぼりが楽しめる。快晴ではなくうっすらとした青空だったが、現像パラメータを調整することで気持ちのいい青空にすることができた。SD10は青に敏感に反応するので他機種よりも空を青く再現できるのが特徴だ
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6DC 絞り優先AE F6.3 1/1000秒
現像パラメータ:露出+0.2 コントラスト+0.3 シャドウ+0.2 ハイライト+0.3 彩度+0.4 シャープネス+0.3 フィルライト+0.1
わずかに現像時にシャープネスを上げているが、驚くほどカリッとした描写だ。窓やベランダの手すりにもモアレや偽色が発生しておらず、ローパスフィルタがないデメリットは感じられない
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6 DC 絞り優先AE F5.6 1/640秒
現像パラメータ:露出+0.2 ハイライト+0.4 彩度+0.1 シャープネス+0.2
成田空港近くにある芝山の航空科学博物館の屋外展示。台風一過の青空だけに非常に鮮烈な色に再現されている。この解像感に慣れてしまうと、他のデジタル一眼レフの描写がボケボケに感じるようになってしまう
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6DC 絞り優先AE F8.0 1/250秒
現像パラメータ:彩度+0.1 シャープネス+0.2
同じく芝山の航空科学博物館。非常に彩度が高く鮮烈な描写だが、しっかり色の中に階調が残っている。まるで高彩度リバーサルフィルムのベルビアで撮影したようなインパクトがある
撮影データ:18-50mm F3.5-5.6DC 絞り優先AE F5.0 1/250秒
現像パラメータ:彩度+0.1 シャープネス+0.1 フィルライト+0.2

伊達淳一(だてじゅんいち)
1962年生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業。写真、ビデオカメラ、パソコン誌でカメラマンとして活動する一方、その専門知識を活かし、ライターとしても活躍。黎明期からデジタルカメラを専門にし、カメラマンよりもライター業が多くなる。自らも身銭を切ってデジカメを数多く購入しているヒトバシラーだ。

□シグマのホームページ
http://www.sigma-photo.co.jp/
□製品情報
http://www.sigma-photo.co.jp/camera/sd_10.html
□関連記事
【2003年10月27日】シグマ、センサー感度が向上した一眼レフデジカメ「SD10」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1027/sigma.htm
【2月2日】【那和】シグマ SD10 −独創的な撮像素子と、コストパフォーマンス−
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0202/dcr010.htm

■注意■

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(2004年5月27日)

[Reported by 伊達淳一 ]


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