買い物山脈

LUMIX DMC-FZ1バージョンアップキット使用記




品名パナソニック「DMW-VUZ1」
購入価格5,700円
購入日2003年11月14日
使用期間約1日

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです。

●バージョンアップキットという救済

DMC-FZ1
 松下電器産業株式会社のデジタルカメラ「LUMIX DMC-FZ1」のバージョンアップキット「DMW-VUZ1」が発売された。

 FZ1はコンパクトなボディに光学手ぶれ補正付きの12倍ズームレンズを搭載したデジタルカメラで、編集部の周囲でもユーザーが多い。今年8月に発表になった後継機FZ2はボディの変更点は少ないものの、絞り優先/シャッター優先の撮影が可能となり、FZ1ユーザーになんとも悩ましい選択を突きつけた。ハードウェアの変更点が少ないだけに、買い換えるのは躊躇するが、絞り優先/シャッター優先は必要とするユーザーにとってはよだれがでるほど魅力的な機能だからだ。

 この選択は、10月に入ってハードウェアがまったく異なる400万画素機DMC-FZ10が発表されることによって、より悩ましさを増すことになるのだが、それはまた別の話。

 きっと、そういうユーザーが多かったこともあって発売されたのが、バージョンアップキット「DMW-VUZ1」というわけだ。これは一言で言ってしまえば、FZ-1をFZ-2相当にするファームウェアだ。

 価格は6,000円で、購入したヨドバシカメラの通信販売では5,700円(ポイント還元10%)だった。有償のファームウェアアップデートというのも最近珍しいが、型番を変えるほどのバージョンアップだっただけに無償で配布することには躊躇があったのだろう。ユーザーとしても悩ましいところだが、今回はアップする機能との引き替えで、しょうがないかなぁと個人的には思える値段だ。

●パッケージはシンプル

 パッケージを開けると、厳重に梱包されたSDメモリーカードと、A3一枚の取扱説明書、B6一枚の警告書だけが入っている。SDメモリーカードの梱包には開封すると確認できるテープまで使用されている。

 取扱説明書によれば、バージョンアップで追加される機能は、「絞り優先AE/シャッター優先AE機能」、「ホワイトバランス微調整機能」、「1,600×1,200モードの画質改善」となっている。

 まぁ、実態はファームウェアのアップデートだけなので、シンプルなことこの上ない。

厳重な包装のSDメモリーカード 売ったり、複数台に使ってはいけないと書いてある使用許諾書 メモリーカードを開封するとこのように文字が浮かび上がる

●作業の手順と注意事項

 アップデート作業自身は簡単だが、ファームウェアアップデートで一番怖いのが、途中での電源切れなどによってフラッシュメモリが正常に更新できないこと。最悪の場合使用できなくなったり、有償修理になる場合もあるので、慎重に行ないたい。 必要なものは、FZ1本体、ACアダプタ、ACアダプタから本体へのケーブルの3点だ。

 まずバッテリを満充電にして本体に入れた上で、さらにACアダプタからケーブルで本体に給電する。これで、万が一の電源切れが防げる。この状態でSDカードスロットにバージョンアップキットを入れて、モードダイヤルを再生モードにして、電源を入れる。

【注意1】必ず満充電のバッテリとACアダプタからの給電を併用する

SDメモリーカードを入れて、再生モードで起動するとこの画面になる。必ず【ファーム+EEP】を選択して実行
 アップデートのメニューが表示されるので、バージョンアップ内容を【ファーム+EEP】に設定する。これを間違えて【ファームのみ】、【EEPのみ】に設定すると動作しなくなるとされているので、注意が必要だ。

【注意2】バージョンアップ内容は【ファーム+EEP】を選択する

 バージョンアップが始まってから終了するまでの時間は約1分ほどだった。この間によけいな操作を行なうと失敗する可能性があるので、じっと見守る。

【注意3】バージョンアップ中は本体にさわらずに見守る

 画面が「表示できる画像がありません」という見慣れたものになれば、バージョンアップは完了だ。

●バージョンアップ後の操作

 バージョンアップ後は時刻設定も含めて設定内容が初期化されている。

 メニューを操作していて、すぐ気づくのは「ホワイトバランス」の下に「AEモード」という項目ができ、「P」、「A」、「S」が選択できるようになっている。「P」は従来通りのプログラム撮影、「A」が絞り優先、「S」がシャッター速度優先だ。

 切替がメニューの中なのはやや面倒だが、後付の機能だからガマンしよう。個人的に欲しかったのはSで、暗い場所で手ぶれしないぎりぎりの設定で撮影し、あとはレタッチで明るくするということがしたかったのだ。

 なお、PおよびSを選択したときは、ISO感度の自動切り替えはオフとなり、初期値は100に設定される。この値はメニューで変更できるので、撮影用途に応じて設定すればいい。

 Pで設定できる絞り値はF2.8〜F8.0で、1/3絞り単位。Sで設定できるシャッター速度は1/2,000〜8秒で、こちらも1/3絞り単位だ。一眼レフなどの交換レンズに比べ、絞り値の設定範囲がやや狭いことがわかる。Pのときはシャッター速度で調整しているのだろう。

 なお、撮影時の絞り/シャッター速度設定は背面の十字キーで行なえる。従来の露出補正と同様に、一度上を押すとモードが変わり、あとは左右で値が変更できる。

 新ファームのもうひとつの目玉である「ホワイトバランスの微調整」も同様で、上を何度か押し、ホワイトバランス微調整(WB±)を選んでから、左右で調整できる。なお、あらかじめホワイトバランスはAUTO以外を選択しておく必要がある。

 バージョンアップ後の撮影画面は左上に「P/A/S」のいずれかのモードが表示されている。また、細かいところではズーミング時にワイド端からの倍率が目安として表示されるようになった。

アップデート後のメニューには新しい項目が追加される シャッター速度設定画面。Pモードでは従来通り露出補正。Aモードでは絞り値指定となる ズーミング時にはワイド端からの倍率が表示される。最大は12×

●画質の改善は圧縮率変更

 バージョンアップの3つ目の改善点である画質の改善は、撮影枚数の減少を伴うとされており、主にJPEGの圧縮率変更で行なわれているようだ。

 確認してみると1,600×1,200モードのファインで撮影した画像は850〜950KBとなっている。被写体が異なるとはいえ、以前撮影したものは670〜800KB程度であり、明らかに圧縮率が下げられている。

●バージョンアップキットの発表は新製品と同時に

 まだ、まったく取材で使っていないので効果についてはなんともいえないが、絞り優先/シャッター優先機能の追加により、自分で操作できる範囲が広がったのは素直にうれしいし、価格に見合う内容だと思う。

 なんとなく全体に動作が速くなったような気もするのだが、これはバージョンアップしたという思いこみの影響かもしれない。

 ただ、残念なのは今回のバージョンアップキットの発売が、FZ2の発表からやや間があって発表されたことだ。金欠の私はずっとガマンできたが、一歩間違えば、FZ2発表→シャッター優先ほしい→FZ1下取りでFZ2購入→FZ10発表ショック→バージョンアップキット発表でトドメ、という流れになりかねなかった。

 今回のバージョンアップキットの発売がメーカーとしては、かなりな冒険であることもよくわかるのだが、もし機会があれば(たとえばFZ10からFZ11?とか)、新機種の発表とバージョンアップキットの発表は同時にしていただくことを希望したい。もちろん、無償のファームウェアアップデートなら、なおうれしいが。

□関連記事
【11月7日】松下、12倍ズームデジカメ「FZ1」を「FZ2」相当にする有償ファームウェア
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1107/pana.htm
【10月2日】松下、光学補正付12倍レンズ搭載の400万画素機「DMC-FZ10」
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【8月11日】松下、光学12倍ズーム/200万画素デジカメ「DMC-FZ2」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0811/pana1.htm
【2002年10月10日】松下、光学12倍ズーム/200万画素機「DMC-FZ1」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1010/pana1.htm

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(2003年11月18日)

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