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デジタル総合展「WPC EXPO 2003」開幕
~NECが燃料電池搭載ノートなどを展示

会期:9月17日~20日

会場:日本コンベンションセンター(幕張メッセ)

入場料:2,000円



 アジア最大のデジタル総合展「WPC EXPO 2003」が17日から幕張メッセにて開幕した。20日までの4日間開催される。

 昨年は東京ビッグサイトで開催された同展示会だが、今年は再びホームグラウンドに戻っての開催となった。今回は全6ホールでの開催となり、会場内は、「ホーム&パーソナルゾーン」と「ビジネスゾーン」の2テーマで展示されている。

 昨年はMicrosoftのTablet PCが発表直前ということもあり、同OSを搭載したPCが多数展示されるなど活況を呈していたが、今回は、PC業界に限って言えばそれほど目玉となるキーテクノロジがないため、比較的地味な展示会となった。

 それでも各PCメーカーからは、秋モデルのPCやデジタルカメラなどが店頭販売に先駆けて展示され、注目を集めているほか、ノートPC用の燃料電池や有機ELディスプレイなどの新技術についても展示されている。

 ここでは、各ブースで展示された、新技術や参考出品された新製品についてレポートする。


●FUTURE PAVILIONで新技術をアピールするNEC

 NECブースでは、「FUTURE PAVILION」と題して、同社が研究開発中の技術などを展示した。

 パビリオン内では、パッシブ型セルを採用した燃料電池駆動のノートPCが参考展示された。展示された試作機では約5時間の駆動が可能ということだが、将来的には1本の燃料カートリッジで1週間程度の駆動を可能にするという。

 このほか同ブースでは、ノートPC用水冷システムや、ノートPC用裸眼立体視液晶ディスプレイ、液晶ディスプレイを搭載した手のひらサイズのリアルタイム翻訳機など、今後数年以内に導入される予定の新技術が展示されている。

 これらの試作機はNECパーソナルプロダクツの発表会場で展示された例はあるが、一般展示は初めてであり注目される。

燃料電池を搭載したノートPC。パッシブ型セル方式を採用するため、小型化が容易という 燃料カートリッジ
ノートPC用の薄型水冷モジュール。圧電駆動型の薄型ポンプを採用。2年以内の商品化を目指す 右は、実際に薄型水冷モジュールが組み込まれたノート。左は将来製品のイメージモックアップ Light PC TV。パソコンにTVが付いているのではなく、TVにパソコンが付いているという発想の製品。あくまで液晶TVとしての性能を追求し、高輝度・高視野角のパネルを採用。PCの機能は最小限にとどめるとしている。年内には発売される予定
手のひらサイズの日英/英日旅行会話向け音声通訳機「トラベル通訳端末」。ホームサーバーなどと連携し、搭載されている液晶パネルで動画を再生することも可能 同社のデスクトップPCで採用されている音響システム「SoundVu」をノートPCに搭載し、裸眼立体視ディスプレイも組み込んだ「3Dビュー&サウンドノート」

□関連記事
【6月30日】NEC、新技術を搭載した試作機を多数展示
~マイクロPC、燃料電池、水冷、3Dビューなど
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0630/nec2.htm


●ソニー、クリエ用オプティカルキーボードやDVD+R書き込み8倍速対応ドライブなどを展示

 ソニーブースでは、共信テクノソニック株式会社提供のクリエ用オプティカルキーボードが展示されている。展示機は、クリエPEG-NX70Vに、クレードル状の光学システムを組み合わせたもの。レーザーで机上に照射されたキーボードに指が触れると、赤外線によって打鍵を検出して文字が入力されるしくみ。

 同ブースではそのほか、DVD+Rの8倍速書き込みに対応したDVD±RWドライブ、同社のノートPCなどで採用されている“クリアブラック”液晶を搭載した、輝度400cd/平方mの高輝度17型TFT液晶ディスプレイなども参考出品されている。

クリエ用オプティカルキーボード。製品化時にはさらに小型化するという
参考出品されていた「デジタル手帳型クリエ」。スケジュール管理や住所録、メモ、電子メールなどの機能に限定したモデル。6色のカラーバリエーションが用意される 参考出品されたDVD+R 8倍速書き込み対応の内蔵型DVD±RWドライブ。発売時期などは未定 クリアブラック液晶を採用した17型液晶ディスプレイ。400cd/平方mの高輝度液晶パネルを搭載する。参考出品のため発売日などは未定

□共信テクノソニックのホームページ
http://www.kytec.co.jp/


●東芝、画像のスキャニングが可能な液晶ディスプレイなど

 東芝ブースでは、写真などの画像をスキャナーのように読み込み可能な、「インプットディスプレイ」を参考出品した。

 インプットディスプレイは、低温ポリシリコン液晶をベースに、SOG(System On Glass)技術によってパネル状にスキャニング機能を組み込んだもの。液晶パネルに読み込ませたい原稿を貼り付けて、画像を取り込むことができる。

 また、世界初となる229ppiを達成した低温ポリシリコン液晶や、3月に発表されたノートPC用燃料電池などが展示されている。

東芝ブースで参考出品された「インプットディスプレイ」。写真を実際に取り込む様子がデモされた 同じく東芝ブースの229ppi低温ポリシリコン液晶 3月に発表された燃料電池搭載ノートも展示

□関連記事
【4月9日】EDEX2003 電子ディスプレイ展開幕
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0409/edex.htm
【3月5日】東芝、ノートPC用燃料電池を開発
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0305/toshiba1.htm


 そのほか、カシオブースでは、8月に米Casioから発表された、マクロ機能やレンズカバーを搭載した新型EXILIMが展示されているほか、リコーブースでは、スリムタイプの4倍速書き込み対応DVD+RWドライブなども展示された。

リコーブースで参考出品されたスリムタイプの4倍速書き込み対応DVD+RWドライブ カシオブースで参考出品された新型EXILIM「EXILIM EX-S20U」(左)と「EX-M20U」。マクロ機能を搭載する。日本での発売は未定 シャープブースに展示されていた組込向け28.05型液晶ディスプレイ。解像度は2,048×2,048ドット。視野角は上下左右とも170度

□WPC EXPO 2003のホームページ
http://arena.nikkeibp.co.jp/expo/2003/
□関連記事
【9月17日】アジア最大級のデジタル総合展「WPC EXPO 2003」が開幕(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030917/wpc01.htm

(2003年9月18日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


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