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東芝、ノートPC用燃料電池を開発
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3月5日発表
株式会社東芝は5日、ノートPC用燃料電池を開発、2004年の製品化を目指すと発表した。同社では、ノートPC直結タイプの燃料電池は世界初としている。
開発したのはメタノールを燃料とする「ダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)」。メタノールなどを改質して水素を取り出して燃料とするタイプとは異なり、メタノールを直接燃料として利用するため、小型化が可能だという。
燃料電池はノートPC後部に直結するようになっている。燃料電池とPCとの接続部はリチウムイオン電池の接続部と共通で、燃料電池の代わりにリチウムイオン電池を使用することもできる。本体サイズは275×75×40mm(幅×奥行き×高さ)、重量は900g。出力は平均12W、最大で20W。電圧は11V。
メタノールは交換可能なカートリッジで供給される。カートリッジは容量50ccと100ccのものが用意され、サイズは50ccで33×65×35mm、100ccで50×65×35mm。メタノール50ccで約5時間の駆動が可能としている。
燃料は3~6%の濃度で性能を出しやすいが、燃料の体積が増えるため、燃料タンクを大きくする必要がある。今回発表された燃料電池では、発電時に生成される水で燃料を希釈する「希釈循環システム」を搭載することにより、高濃度メタノールの使用が可能になり、3~6%の燃料使用時よりも燃料タンクの大きさを10分の1以下に小型化できた。
また、メタノールの濃度や供給量、発電温度などの運転条件を最適化して燃料電池全体の小型化を図ったほか、ポンプなどの補機類も小型化されている。さらに、PCの使用状況を燃料電池に送信することで、状況に合わせて効率よく発電する仕組みを備えるほか、PCの起動時など、急激に負荷が変動するときに備えて電力を貯めておくシステムも装備する。
なお、本機は3月12日(現地時間)から独ハノーバーで開催されるIT展示会「CeBIT 2003」に出品される。
□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2003_03/pr_j0501.htm
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(2003年3月5日)
[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
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