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マイクロソフト、Windows Media 9発表会を開催

1月29日発表

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 マイクロソフト株式会社は、Windows Media 9シリーズ(以下WM9)日本語版の公開にともない、同製品の発表イベント「Digital Media Day」を開催した。会場には報道関係者のほか、事前登録をした一般来場者も詰めかけ、盛大な発表イベントとなった。

米Microsoft アドバンスト・ストラテジー&ポリシー担当バイスプレジデント 古川 享氏

 発表会では終始、米Microsoftのアドバンスト・ストラテジー&ポリシー担当バイスプレジデント 古川 享氏が案内役を担当。WM9の新機能についてデモを交えながら紹介した。

 冒頭で同氏は、「TVの普及には、登場以来50年ほどの時間がかかった。だが、ハイビジョン放送が始まる前は、モノクロTVからカラーテレビへの移行などはあったが、基本的には解像度は50年間変わらず、ずっと同じものを提供していた。これからはどれだけ豊かなものを提供できるかが課題。普及のスピードは従来と異なったスピードで進んでいくと思う」と、Windows Media 9の登場によって放送メディアに急激な変化が訪れることを期待するコメントをした。

 イベントではWM9の起動の速さ、特にストリーミング受信時におけるレスポンスの良さをアピール。「AV機器ではスイッチを押せば瞬時に音楽なり映像が流れるのが当たり前。これがようやくブロードバンド回線を利用して、パソコンでもできるようになった。チャンネルを変えれば瞬時に番組が切り替えが可能になり、従来もたつきがちだった早送りや巻き戻しなどの操作もスムーズにできる」、「自然に映像音楽を楽しんでもらえる時代になった」などと述べた。

 会場では実際にWM9を起動し、瞬時にストリーミングが再生される様子を見せたほか、複数のチャンネルを次々と切り替えてストリーミングを再生してみせた。

 ブロードバンド環境だけでなく、ナローバンド環境の再生でも高い品質を維持することも強調し、通常のナローバンド環境と、WM9環境との比較をデモ。WM9環境下では、フレーム間に擬似フレームを挿入することで、高フレームレートでの再生が可能になったことを実証した。

会場で公開されたWM9の起動画面 プレイリスト上で星印をつけて評価をつけられる 再生リストを表示したところ

ナローバンド環境でのデモ。右側がWM9で再生したもので、擬似フレームを生成することで滑らかな再生が可能になっている ストリーミング再生開始時間の比較。右がWM9のもので、再生ボタンが押されると、瞬時に動画が再生される。

右側に表示されたチャンネルリストのボタンを押して、瞬時にチャンネルを切り替えるデモ。TVのチャンネルを切り替えるように速やかな切り替えが可能 あらかじめ視聴者の年齢や性別などのデータを取得し、視聴者に合わせたCMを放送するデモ。ライブ放送でもリアルタイムで同様の配信が可能という

 また、Web配信で初めて5.1chオーディオ配信に対応した点についてもふれ、「従来はコンサートに行かなければ体験できなかったような音楽表現も、ネットワークで体験可能になる」とした。

音楽家の久石氏(左)とトークショーを行なう古川氏

 ここで、ゲストとして「千と千尋の神隠し」など、宮崎駿監督アニメーションの音楽には欠かせない存在となっている、音楽家の久石 譲氏が登場。古川氏とともにトークショーを展開しながら、5.1chオーディオのデモを行なった。

 5.1chオーディオのWeb配信について、どのようなことを期待するかと問われると久石氏は、「単に臨場感だけでなく、現場の空気感というものを伝えたい。たとえば弦楽器を弾くと、きれいな音とは反対に、必ず弦を引く雑音が発生する。それらの雑音も一つになって、初めて美しく聞こえてくるもの」と、同システムへの期待感を語った。

 久石氏が、「コンサートをやるとき、同じものは2度やらない。必ず次には変わったところを観客に見せていかなければ、観客が見に来てくれなくなる。観客の常に一歩先を進むようにしなければならない」と述べると古川氏は、「技術をやっているものとして、共感できる。我々が技術開発をしても、すぐに、さらに良いものを期待される。そうやって緊張感を高めながら仕事をしていきたい」などと語るシーンもあった。

 久石氏が退場すると、引き続き古川氏がプレゼンテーションを展開。昨年発表されたCDメディア用データフォーマット「HighM.A.T.」についても言及した。「HighM.A.T.」は、デジカメで撮った画像や動画を、再生するハードウェアに応じて自動的に最適な表示方法がされる。同一のメディアを使いながら、ハードウェアに応じた様々な再生が可能だ」と、HighM.A.T.の優位性をアピールした。

 また、WM9で新たに強化された著作権保護技術についてもふれ、「単にコピーをさせないのではなく、コンテンツ事業者が条件を開示し、その範囲内でユーザーに利用してもらうことで、新たなビジネスチャンスが開ける」と語った。

 WM9では、コンテンツプロバイダの要求に応じた著作権保護が可能となっており、使用期限付きデータや、コピー回数を制限したデータなど、様々な形態でのダウンロード販売にも対応できる。これにより、ブロードバンド回線を軸とした、新たなビジネス展開を可能にするという。

 それらを受けてWM9では新たに「プレミアムサービス」と呼ばれるサービスを実施する。プレミアムサービスはWM9上から直接、各コンテンツプロバイダの会員制課金サービスに誘導するもので、現時点で株式会社WOWOW、株式会社エイベックス、株式会社ショウタイム、株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズら4社が賛同し、順次コンテンツを提供する予定。

 また、1月29日~4月2日までは、「Super 9 Weeks」と題したオンラインイベントを開催。期間中は各社のコンテンツを無料で利用可能になっている。

2005年にデジタルメディアビジネスは2,777億円の市場に成長するという

 最後に古川氏は、「デジタル化が進む中、機能のみがデジタル化されて来たが、これからは新しい世界、ビジネスを生む段階まで来た。従来は著作権保護の観点から、放送事業者などからは、ブロードバンドコンテンツのビジネス化は難しいとされていが、今日からそれを育てていかなければならない」などと語り、今後の展開に期待感を見せた。

 質疑応答では、会場で放映されたストリーミングの一部がコマ落ちしていた点について質問がされたが、「該当する映像では17Mbpsという高い負荷がかかるストリーミングだった。純粋にマシンパワーの問題」とした。

 また、Mac OS対応版についての質問がされたが、対応予定であり、現在開発中であることを明らかにした。


□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases03/012903wm9.asp
□Windows Mediaのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/windows/windowsmedia/
□関連記事
【1月19日】マイクロソフト、Windows Media 9日本語版を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0129/ms.htm
【2002年12月19日】マイクロソフト、Windows Media 9 日本語版を2003年1月29日公開
~発表イベントに古川バイスプレジデントや倉木麻衣らが出演
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1219/ms.htm
【2002年12月3日】マイクロソフト、Windows Media 9日本語ベータを公開
~5.1ch対応の高精細動画ライブ配信サービスも発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1203/ms.htm
【2002年10月18日】マイクロソフトと松下、PCとAV機器の架け橋となるフォーマット「HighM.A.T.」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1018/mspana.htm
【2002年6月6日】マイクロソフト、次期Windows Media「Corona」の詳細を発表
~画質/音質の大幅向上、即時/常時配信など新機能
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0606/ms.htm

(2003年1月29日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


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